◇Christmas Travels 中編
Ran-maさま作



目覚めたのは、目覚まし時計がなる前。
なんで起きれたのかはわからないが、遅れてあかねにごちゃごちゃ言われるのも御免だったし、俺にしちゃあよかった。早々に服を着がえ部屋から出る。

コンコンッ

相変わらず、シーンとしているこの家に、ノックをする音が響く。
「おい、あかね、時間だぞ」
「あっ乱馬、ちゃんと起こしに来てくれたんだ」
ノックのすぐ後に、ドアの向こうから聞こえてくる声。
なんだ、起きてるのかよ。
俺がわざわざ起こす必要があったのか、と問おうとしたがやめた。言ったところで、また喧嘩になったらパーティーどころじゃなくなってしまう。
「ちょっとまってて、今着がえてるから、先外に行ってて」
・・・はいはい

外に来てから数分、天道家の階段で音がすると、玄関に、あかねの姿が現れた。
「ごめん、乱馬。待った?って、あんた、なんて格好してんのよ」
俺の姿を見るとあかねは、声を高くあげた。
俺の姿はまったくの普段着。
いや、ほかから見ると普段着ではないんであろうが、いつものように、チャイナ服に、それに似合ったズボン。
「何か変か?別に変じゃねぇだろ」
「そうだけど、でも、もう少しまともな格好できなかったの?」
「九能の家に行くのに、気を使うほうがどうかしてるぜ。それに、普段着で来てくれって書いてあったじゃねぇか」
「・・・そうだっけ?」
「ちゃんと招待状くらい目を通しとけよ」
「なっ、だってそんな細かく見ないわよ」
「細かいんじゃなくて、ちゃんとみるのがあたりまえなんだよ」
「そりゃそうだけど・・・パーティなのに、普段着じゃ申しわけないんじゃない?」
「いいんだよこれで、普段着なんか着ちまったら、俺じゃなくなっちまうだろ。って、あかね」
「・・・」
無反応。
「あ、あかね・・・な、なにしてんだ」心配そうに空を見上げるあかねに尋ねた。
「ん・・あっごめんごめん。
急に空が暗くなったから。で、何?」

「・・・まぁいいか」
「どうしたのよ乱馬」
「え゛っ、いや、なんでもねぇよ。それより、ほら、これ、このカード。こっちが俺のだから、これがお前のだろ」
ポケットからカードを取り出す。
「カード?そんなのあったんだ?
綺麗〜、なんかもったいないなぁ。招待状にするなんて」
カードがあった事は知らなかったらしい。
乱馬の手から、一枚のカードを抜き出される。
「ありがと、乱馬。
さっ、時間もないことだし、早いとこ行かないと」
「ああ」


目覚めたのは、目覚まし時計がなる前。
なんで起きれたのかはわからないが、遅れてあかねにごちゃごちゃ言われるのも御免だったし、俺にしちゃあよかった。早々に服を着がえ部屋から出る。

コンコンッ

相変わらず、シーンとしているこの家に、ノックをする音が響く。
「おい、あかね、時間だぞ」
「あっ乱馬、ちゃんと起こしに来てくれたんだ」
ノックのすぐ後に、ドアの向こうから聞こえてくる声。
なんだ、起きてるのかよ。
俺がわざわざ起こす必要があったのか、と問おうとしたがやめた。言ったところで、また喧嘩になったらパーティーどころじゃなくなってしまう。
「ちょっとまってて、今着がえてるから、先外に行ってて」
・・・はいはい

外に来てから数分、天道家の階段で音がすると、玄関に、あかねの姿が現れた。
「ごめん、乱馬。待った?って、あんた、なんて格好してんのよ」
俺の姿を見るとあかねは、声を高くあげた。
俺の姿はまったくの普段着。
いや、ほかから見ると普段着ではないんであろうが、いつものように、チャイナ服に、それに似合ったズボン。
「何か変か?別に変じゃねぇだろ」
「そうだけど、でも、もう少しまともな格好できなかったの?」
「九能の家に行くのに、気を使うほうがどうかしてるぜ。それに、普段着で来てくれって書いてあったじゃねぇか」
「・・・そうだっけ?」
「ちゃんと招待状くらい目を通しとけよ」
「なっ、だってそんな細かく見ないわよ」
「細かいんじゃなくて、ちゃんとみるのがあたりまえなんだよ」
「そりゃそうだけど・・・パーティなのに、普段着じゃ申しわけないんじゃない?」
「いいんだよこれで、普段着なんか着ちまったら、俺じゃなくなっちまうだろ。って、あかね」
「・・・」
無反応。
「あ、あかね・・・な、なにしてんだ」心配そうに空を見上げるあかねに尋ねた。
「ん・・あっごめんごめん。
急に空が暗くなったから。で、何?」

「・・・まぁいいか」
「どうしたのよ乱馬」
「え゛っ、いや、なんでもねぇよ。それより、ほら、これ、このカード。こっちが俺のだから、これがお前のだろ」
ポケットからカードを取り出す。
「カード?そんなのあったんだ?
綺麗〜、なんかもったいないなぁ。招待状にするなんて」
カードがあった事は知らなかったらしい。
乱馬の手から、一枚のカードを抜き出される。
「ありがと、乱馬。
さっ、時間もないことだし、早いとこ行かないと」
「ああ」

7「みてのとおり、全然ピンピンしてるぜ」
「まぁ、お前が元気じゃねぇときなんて無ぇけどな。
あかねも元気そうだし。
ところで、お前らどこまでいったんだ」
「な、ば、馬鹿野郎、な、なにいってやがる。俺がこんな色気の無ぇ女と何もあるわけ・」
顔を赤めながら言うが
「ば、馬鹿、乱馬」
「誰が色気がない女ですって〜」
バキッ。
乱馬の鳩尾にあかねの蹴りが見事にヒットする。
「いってぇな、な、なにしやがる」
「色気がなくて悪かったわね」
あまりの痛さに腹を手で押さえている俺を見ながら見下すように言う。
「ま、まあまあお二人とも、その調子を見るとなにも進んでないみたいだし、まあ元気そうで・・」
バンッ
「うわっなんだ」
いきなり照明が落ち、あたりがなにも見えなくなる。
パッ
暗くなったのもつかのま。
照明が一点を照らしだした。
「皆さん、ようこそ、わが九能家へいらっしゃいました。これより、恒例クリスマスパーティーを始めまたいと思います。奥の部屋がパーティー会場になります。今年もいろいろな軽行事を考えさせていただきました。参加の方は自由なのでご気軽にお参加下さい。
なお、私服でこられた方々は、希望があればあちらの部屋で、衣装の交換をしてもらっております。
希望される方は、私ともども、係の者におっしゃってください。
ではごゆっくりお楽しみください」
先ほどの執事から再度話がでると、なだれ込むように会場に人が入っていく。
「ふー、ったく一気に入りやがって」
「ほんっと〜。せっかくの服が台無しだわ。
ねえ乱馬、どうせだから、服貸してもらわない?」
ポンポンと服を叩きながら俺に尋ねる。
「まぁ、別にいーけどよ」
「よし、じゃあ決定。で、誰に言えば、と、いたいた、すいませーん服貸してもらいたいんですけど」
さっきの執事。
「ええ、どうぞ、そちらの部屋にあるものでよければ、好きなものお借りになって下さい」
「ありがとうございます。乱馬〜いいって。早く〜」
はいはい。
ちょっと待てよ・・・。
ガチャ
「うわ、す、すごい」
納得。100メートル先ぐらいまで、色とりどりの洋服がずらっと並んでいる。
「こんなに、どうするんだ」
「どうするんだろ・・ね。
それに、こんなに綺麗なのがたくさんあるんだから、どれを着ようか迷っちゃうな」
「何着たって変わらねえよ・・」
ボリュームをあえて下げながら呟く。
「なにか言った?乱馬」
「い、いや、なにも」



つづく




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