◆ある一コマ
みのりんさま作
縁側で、玄馬と早雲が将棋を打っていた。
「天道くん。」
玄馬はニマリと笑みを浮かべた。
「角をもらうよ。王手!!」
「あーっ角さん!」
早雲が叫ぶと、「はい、お父さん。」と、あかねはコップを差し出した。
「何だ?」
受け取ったコップを見ながら、早雲は言う。
よく見ると、白い粉が浮かんでいるのが見える。
あかねは、小さな袋を早雲に見せた。それには、大きく“コーラ”と書かれている。
「拡散。」
「…………しょうが、ないな。」
溜息を吐きながら、早雲はそれを飲んだ。
すると、「はい、お父さん。」
今度はかすみが、小皿を出す。
「何だ、こりゃ。」
よく見れば、ベージュ色のものが、すられて入っていた。
「生姜です。」
「…………」
「あ、こっちかしら?」
かすみはモクモクと煙が湧き上がる、小さいボウルを持って来た。
中に入っているのは、いうまでもなく、ドライアイスである。
「昇華。」
何ともしれない、沈黙がおりる。
「…………わ〜ん。早乙女くん、娘達がいじめる!」
早雲は玄馬に泣きついた。
「じゃあ、私はこの『するめイカ』を“消化”しょっと。」
そう言いながら、なびきはパクパクとするめイカを食べるのであった。
完
作者さまより
言葉遊びのショート・ショートです。
本当だったら、んコマ漫画で投稿したいですが、絵が描けないので、文で投稿しました(^_^;)。
今でもあるんでしょうか?粉末を水で溶かして飲むジュース。
多分、私が採用した呪泉洞初のショートショートでしょう(笑
そういや、長編は珍しくないけど短い作品は極めて珍しいかも(短い作品は、よほど文章や内容にセンスがないと採用しないわがまま管理人という事実もあるのですが…。)
今でも大きなスーパーや駄菓子屋さんへ行けば粉末ジュースの素は置いてあります。ポカリスエッ●だって粉末ありますもんね(笑
ドライアイスは扱い間違うととっても痛いです。何度火傷したことか!(職場にて戯れてる人・・・)
(一之瀬けいこ)
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