初夏の光の中で

「爽やか系のCMに出てきそうな構図だね。」

 彼女が言った。

「そりゃあ、被写体がいいからな。」

 俺ははにかんで笑って見せた。

「もう、相変らずナルなんだから。」

 上着を脱ぐと、玉のような汗が迸る。

「飲んだら、また付き合ってね。」

「たまには俺から一本取ってみな。」

「言ったな!」

 サワーと一緒に彼女の笑顔が弾けた。
 

イラスト:瑞穂さま
文:一之瀬けいこ



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