◇修学旅行・韓国へ行こう   その5
しょーすけさま作



修学旅行 三日目。実質これが最終日で、丸一日グループ単位で自由に街を動き回り、そして翌日の朝に帰国となる。

「今日で最後ね〜。」
「思いっきりエンジョイしなきゃ。」
皆この一日を充実したものにしようと張り切っている。ホテルを出て、バスで市庁広場まで移動。そこから各グループは別行動を開始し、最終的に戻ってくるのである。

「ここが市庁広場か。」
「ワールドカップで赤く染まった場所だな。」
赤いユニフォームを着て韓国を応援する人たちが一斉に集い、見事に一面真っ赤に染まった広場だった。

「あかねちゃんっ。ちょっと話があるんやけど。」
「え?……」

あかねの前に現れたのは、真剣な眼差しを剥いた右京だった。

「…………。」
少しくたびれたような気配、だがそれでも己を動かさんとする意地が彼女を支えている…そんな感じだった。旅の疲れが出てきたのか、それともろくに寝ていないのか…。

「ここではっきりさせよか。」
「どういう事?右京…」
「どっちが乱ちゃんとこの特別な時間を過ごせるか、もう余計な配慮もいらへん、堂々と勝負して勝った方が乱ちゃんとデートするっちゅーのでどやっ!」
男子陣で話をしている当人をよそに、乱馬をかけた勝負をあかねに申し込んだ右京。

「この自由時間のあいだに、乱ちゃんを先に見つけて捕まえた方がそのままデートできる、言わば鬼ごっこ方式や。」

「右京……」
シャンプーにでも、小太刀にでもない。自分に勝負を持ちかけてきた…それは天道あかねにとって、逃げようのない板ばさみだった。「もし勝負を放棄したら乱馬は…」と「なんであんなやつのために…」のふたつが、勝負を受けるべきか惑わせる。

「ん?なに話してんだ?」
何も知らずに横から入ってくる乱馬。高麗人参ドリンクのおかげですっかり元気を取り戻している。
「あんたはちょっと黙ってて!」
そちらの方を見向かずに制するあかね。心の中では、勝負を受けてもいいと思い始めていた。しかしそれに反対する気持ちを抑えるいい大義名分が見つからない…。あかねの迷いを察したのか、右京は追い込みをかけた。

「これは勝負やで。逃げるのはあかねちゃんらしくないのとちゃうか。」

そして、反射的に買い言葉が飛び出る。

「そうまで言われちゃ黙ってられないわ!この勝負、受けてやろうじゃないの!」
「勝負だあ!?何しようってんだ二人とも…」
「乱ちゃんは逃げる役やっ。」
「ぉ、俺も参加しろってのか!?」
「あんたはただ好きに街をうろついてりゃいいのよっ。」

「乱ちゃん、これでウチが勝ったら今度こそ…。」
「今度こそ?って……!」
右京の言葉がつまり、あかねが乱馬に向かって一撃。
「乱馬あんた何やってたのよ、いやらしい!」
「いやらしいって、昨日はただウッちゃんと、普通に、遊園地を回っただけだ!それ以上はなにも………」

…それでか。そう気付いたのはここまで口に出てからだった。右京がなぜこのような思い切った態度に出たのか。


この特別な時間…そう、修学旅行はこれが最終日。あとはない。

少しでも良い思い入れを持てるようになりたい。その想いがかえってすれ違いを生んだり、チャンスがきても先に進めなくなったりしてきたのだ。だがもうこだわるつもりは無い。正々堂々と勝負を決めることで、勝ち取るか、潔くあきらめるかしたかった…それが右京の決意であった。

「わかったよ。お互いに、文句なしだかんな。」


「それでは各自、解散〜!いってらっしゃ〜い!私もいってきま〜すっ!」
「ひなちゃん先生、すっげえ張り切ってる…」
「おい大介、あかねとウッちゃんが勝負だってよ。」
「何っ、乱馬をかけて直接対決だと!おい、乱馬っ。」
「な、なんでえ?」
「おれたちグループは何をすりゃいいんだっ?」
「…?」
乱馬と同グループの者どもは、この勝負事に何らかの形で関与したがっているようだ。
「つまりは野次馬かお前ら。」
「何でもいいからっ。写真機用意した方がいいか?ビデオカメラか?」
「やめんかっ!」

「…ねえ未央、この勝負の行方を占う気ない?」
「あら、結果を知ってどうするの?」
あかねが勝つか、右京が勝つか。それは勿論気になる事であり、そしてその結果を知ることができる人物がいる。あまりいい事ではないかと思いながらも、さゆりは未央に頼んでいた。
「あの、もし勝負が決まったら、やっぱりフォローはできた方がいいんじゃないかなって思って…だからまず結果を先にね。」
「友達思いなのね。…でも、私にも結果は分からないわ。」
「えっ?」
「あの二人の意思次第で、運命は簡単に変えられてしまうもの。」
「…そうなんだ。」
「何なら一応占ってみましょうか。………結果は、「何も起こらない」ですって。ふふっ。」

地元の大学生の案内を頼りに、6,7人単位でそれぞれが散ってゆく。乱馬のグループはまず南大門(ナンデムン)へと足を運ぶことにした。あかねのグループ、右京のグループはそれぞれまた別の場所へと向かう。そこから勝負は始まる。

「ここが南大門か。なんだか屋台が色々あるなー。」
この区域はいわばショッピング街…メインストリートのひとつだ。服屋や食亭が建ち並び、百貨店も大きく構えている。そして路に並ぶ露店も数知れず。店によってキーホルダーなどの小物や、腸詰めなどの料理を売っている。
「まずはどっか建物に入ろうぜ。」
案内役の女性、パクさんにリードしてもらいながら百貨店へと入る。
「へぇ〜パクさんって日本に随分長いこと居たんだぁ。」
「ええ。だいたい7年くらいね。中学を卒業してからこっちに戻ってきたのよ。」
「日本語がしゃべれる人だと助かるなぁ。」

入り口あたりではK-POPの曲が流れ、都会の若者向けの空気が漂っている。中に入れば早速レディースの服が並び、若手の店員が「アニョハセヨー。」と気前よく声を掛けてくる。
「こ、こんにちわ〜。」
「日本語で返してどーすんだ。男モノは4階か、行くぜ。」
そうしてメンズのフロアにやって来た。日本と同じように、Tシャツやジーンズが数多く置かれている。
「お、マイケルジョーダンのTシャツだ。」
「こっちはビートルズか。」
韓国だけでなく、世界の有名人をプリントしたTシャツが見て取れる。また香港や日本のスターなどの柄もあった。
「値段もなかなかいいとこだな。コレ買おっかな〜。」
そう言ってひろしが一つ手にとる。その頃乱馬は、果たして興味があるのかないのか分からないが、辺りをぐるうりと見回していた。

服屋の詮索をひととおり終えて、昼食をとるために乱馬グループは近くの食亭へ移動。テーブルについて「ビビンバが食べたい」とひとりが言い出したところ、正しい発音はビビンパだのピビンパだのと言い争いになる。
「ビビンバでいいじゃねーかっ。」
「いいやピビンパだっ。」
「ビビンバ!」
「ピビンパ!」
「皆さーん、来ましたよー」

日本語上手のパクさんが料理の到着を告げるも、一部は口論を続けている。しかし注文された品が目前に並べられてゆくと、その匂いに惹かれて争いは止み、そして一勢に食にありついた。
「ぉ〜辛いっっ!」
「ほんとに辛いなー…地元のひとはこれぐらいの辛さでも平気なんですかぁ?」
「よく食べますよ。」
にこにこと答え、他の苦闘している生徒たちと同じ料理をいともたやすく食べ続けるパクさんであった。
「おめーら根性がねえなー。これくらいの料理でまいってるようじゃ、どこぞのずん胴女のつくる飯なんか食えやしねーぜ…。」
「それは自慢かっ?」
「しかもちょっと涙目じゃねーか乱馬だって!」
「う、うるせえっ!」
そうして、日本人勢は水を片手にヒーヒー言いながらなんとか完食。支払いを済ませて店を出、再び街を歩くことに。

人が忙しく行き交い、あふれんばかりの、足音、車、話し声で街は賑わう。大きな交差点に出れば、いくつもに道が分かれている。とりあえず信号が青になるまで、その場で待つ。

「乱ちゃんめーっけ!」
「ぉ、ウッちゃん!?」
乱馬の背後からがばちょっととびついてきたのは紛れもない、右京だった。他のグループのメンバーを引き連れてここまでやって来たようだ。
「おお、もう見つかったのか。」
時間は午後一時。地下鉄やバスを使ったにしても、なかなか早い発見だったといえる。勘で居場所を当てたのだろうか?
「乱ちゃんは分かり易いから助かったわぁ。」
そう言って右京はひとつの看板を取り出した。見ればそこにはおさげでカンフー着の男の絵と、英語で"WANTED! PLEASE TELL ME IF YOU SEE THIS MAN !(お尋ね者 この男性を見かけた人は教えて!)"と書かれているではないか。
「人探し…。」
「確かに、乱馬はけっこう目立つもんなあ。」

「さぁ乱ちゃん、観念してもらうで。」

「、わーってるよ。こっからは俺達はふたりで別行動だな…。」

「ぉ、………行くのか乱馬?」
ひろしが乱馬の意思を問う。そしてその手にはしっかりとカメラが…。
「いや、おめーらはついて来なくていい。」
野次馬を制して二人でグループを抜け出す乱馬、右京。
「じゃーまたあとでなっ。」
そう言い放って集団を後にした。都会の雑踏の中に、二人は埋もれていった。

ソウルの街中、街路樹の下を、少し気まずそうに歩いてゆく二人組。第三者はいない様子。
「乱ちゃん、その気になってくれたんか。」
「…俺だって男だぜ。決めた事は守る。それに、べつにウッちゃんのこともきらいじゃねえんだしな。」

なにか思うところがあるように、乱馬は苦笑まじりに詰まりながら応えた。
「乱ちゃん……」
「あ、どこ行こっかぁ?」
確かに乱馬の方から誘っていた。

「これでウチが勝ったら今度こそ…」の言葉。昨日一瞬だけ見せた曇った顔。…がっかりさせてしまっていたのかも知れない。甲斐性のかけらもないのでは、漢(おとこ)として自分が許せない。それでまたふり向かせようとするのも大間違いなのだろうが、いい答えが見つからない以上はこの関係は崩せたものではなかった。

納得のいく答えが出るまでの間、自分は自分の思うように動くまで。そして今は右京という女性を誘うまで…やはりこれってクサレ外道だろうか。
「そ、それじゃあ、まずこの格好なんとかせんと。」
そう言ってまずは服を買いにレディースのファッションショップに飛び込んだ。彼女の行動は思いのほか速く、男子生徒の服装をして店に入ったのが、数分後にはまるっきり変身して出てきていた。一束にしていた髪をほどいてストライプ模様のキャスケット(つば付きベレー帽?)を被り、ブロックが積み上げられたようなシルエットが下部にプリントされた首まわりの広いTシャツに、中は黒のキャミソール、ボトムはねずみ色のダメージ加工のジーパンに、濃い色合いのジーンズ生地の腰巻きという姿になっていた。(…ファッションはセンスなき作者の独断による)
「もっと女の子らしい格好のがよかったやろか?」
「あーいや、よく似合ってるよウッちゃん。」
「きゃ〜っ☆思いきって買うて正解やったわぁ。このジーパン、ラスト一本で半額やったんよ〜。」
「ほぉ。」

服装も改め、さあ出発と意気込む。慣れぬ右京の見てくれに、いつもと違う雰囲気が醸しだされる。
「あ、そこの露店見てみよか。小物を売ってるみたいやで。」
「お、おお。土産物でも探すか。」
覘いてみればそこには沢山の、民族衣装と思われる小石の首飾りや革をよじって作った腕輪などの小物が並んでいる。ここで右京は相談の末に手首に着けるリングを、乱馬は魔除けの鈴を購入。
「魔除けの鈴?なんか不思議な感じがするけど、これをどうするん?」
「じじいに…。」
効能があるかは分からないが、洒落のつもりで買ってみたようだ。そしてまた街を何となしに歩きだす。
「映画館〜に入っても字幕はハングルだから読めねえしな…」
「あ、ええとこがあるで!こっちこっち。」
地図を片手に乱馬を引っぱる右京。どうやら何か面白い場所を発見したようだ。


ウェディング通り


大人の恋人達に人気のスポット。ここに建ち並んでいる貸し衣装屋で、花嫁衣裳を着たり、そのまま近くの公園に出て写真を撮ってもらったりすることができる。

「うちらにぴったりの場所や〜。なぁ乱ちゃんっ。ん?」
振り向くと乱馬の姿が見当たらない。気が付いてみれば、自分の手には立て札が。

『タイムオーバー またの御利用お待ちしております』
「なんじゃそりゃっ!新ルールかいなぁ。」



「お〜危ねぇ。練り湯に練られるところだったぜ…。(そんなことわざ多分存在しませんのであしからず。おそらくは気を許しすぎると危ない、の意のつもりと思われる)」

それから乱馬は再び、元の集団に合流して鬼さん役に回った。
「またどっちかに見つかっても、捕まるまでが勝負だかんな。俺はあくまで逃げてやるぜ。」
「ほーぉ。」

「へぇーそう。」

「いっ!?」
突如、真後ろから発せられた声に驚く乱馬。振り返ると、木の葉で出来た影に体半分覆われて立って居たのは、あかねだった。

「おお、今度は天道あかねが辿り着いたぞ。」
右京にはいくらか遅れをとったが、あかねのグループも乱馬を見つけ出すことに成功したのだった。
「あ、あかね…。」

しかしここからが問題なのだ。
「捕まるまでが勝負なんだなっ。」
「こっからは目が離せないぞ。」
「お、おめーら見てんじゃねぇっ!」
野次馬が大量にいる中で、あかねは乱馬を捕まえなければならない。躊躇してしまうところだが、あかねは気でふんばるように乱馬の方へと足を踏み出した。

「いくわよっ!」
「だっだから、こんな野郎どもの前でそんな…」
「問答無用っ!ていっ!」

果敢に捕まえようとかかって来るあかね。戸惑いながらよける乱馬。

もう思い切りが着いたんだろうか。後ろめたさはないだろうか。…ここで自分がおめおめと捕まってしまっても、納得できるだろうか。自分は…。


「何としてもこの手で捕まえてみせるわよっ。これは勝負なんだからねっ。」

真っ直ぐな瞳が、必死に、目標を追っていた。


やっぱり、えこひいきはいけない…正々堂々と、男は避け続けた。

「(…来るなら来いっあかね!)」

「ていっ!てやあっ!」

捕らえようとする腕を、寸でのところですり抜ける。なにをして掛かっていっても、捕まらなかった。


そして、額に汗が滲んできたころだった。事は転じた。

「これで!」

乱馬が上へ跳び、あかねはつんのめった状態からそのまま、とっさにかがんで回転足払いを後方に放ったのだ。

普段いっしょに稽古をすることもあるので、乱馬は相手の動きのパターンを読めていたのだが、突然いつもと違う戦術に切り替えられ、してやられた。

「たわっ!」

着地の瞬間に足を崩され、

どてっっ


乱馬は見事に転倒した。  あかねの上へと。

「ぁ…てて、あ…。」
「………。」

勝負は決まった。あかねは乱馬を捕まえたのだ。

「おおおおおおおお!!」

途端にギャラリーが騒ぎだす。写真を撮る者も出てくる。

「……に、逃げよっ。」
「え、ちょっと乱…」

二人はその場を抜け出し、何処へ行くでもなく、走った。乱馬が、あかねの手を引いていた。


「どこへ行くの?」
「考えてねえっ。妙な所じゃなきゃ、どこでもいーぜ。」

日の差す街角、緑映える街路樹の下、息を切らせて駆け抜けるふたり。

微かにうれしさが感じてとれる。

忙しく人の合間を縫っていく中で、感情は、蒼いふたりには物足りないくらいの微量でこみ上げてきていた。


やがて、走る脚はゆっくりになっていき、歩く速さになった。てきとうに目に付いた店に入り、少し休むことに。

「海苔屋さんだわ…。」
「海苔か。」
韓国海苔といえば、今や日本のスーパーでも置いてある食品である。岩塩などをかけるもよし、唐辛子をすり込むもよしの逸品。
「これ…200枚で3000ウォン(約300円)ですって。安い!」
「…おやじの土産にするか。」
「あ、じゃああたしはこっちの唐辛子味のにしよう。」

「おばさまには何をあげるの?」
「んーと、おふくろには洒落た櫛でも買ってプレゼントするかな。」
「おばさま喜ぶんじゃない。家具はこの辺のお店で売ってるのかしら。」

店を出て、またつなぎ合わせる手と手。そう、今はデートの時間。




「おお〜〜!ウッちゃんがおしゃれしているっ!」
「しかもちょっとカフェ系かっ!」
「奮発したのねぇ〜。」

「ええ買い物したと思うで。これであと指輪を付けたらばっちしやったのになぁ。」
「ゆびわ…。」



日は徐々に暮れ始め、やがて自由行動の時間は終わる。

生徒達は皆また市庁広場に集まり、それぞれが行った場所などについて語り合っていた。

全員が揃うと、揚々と最後の宿泊先へと向かい、活気やまぬ一夜をすごした。


…そして翌日、風林館高校の一行は韓国の地を後にした。





「それで、どうだったのかね。あかね、乱馬くん。」
「おとうさん、そんなに率直に聞いちゃあ…」
「楽しかったー?」
「乱馬っ。あかねちゃんに妙な真似をしてはおらんであろうなっ。」
「ちゃんと清い交際ができたのね?」
「わしのみやげ、コレぇ〜〜?」

「あーもいいじゃねえかっ。おいおやじ贅沢ゆーなこんなにボリュームたっぷりなのに」
「量の問題ではないわぁっ。これでは三時のおやつにも無理があるではないかっ。」
「あらでもこのお海苔おいしそう。かすみちゃん、明日からは海苔三昧ね。」
「はい、おばさま。」

「ほ〜んと色々あったわよ。おかげで疲れたぁ。」
「ふふんっ。あかね、オイシそうな話題はあったの?」
「なびきおねーちゃん、今回は証拠もないんだから言いっこなしよ。」
「広報部に頼んでおいたのよね〜写真撮っとくようにって。」
「………。」


特別な体験を終えて。甘くも苦くも、何かやりたい事はひととおり達成されたような気はした。

時間の流れは待ってくれないので、必死だった。それだけに、至福の実感は、淡々しい。

でもきっと、これはいい思い出になる。そう信じて、明日からまた一歩を踏みだしていく。


今日は満月。仏壇に添えられた、韓国土産の線香がほどよく落ち着いた空気を漂わせていた。写真越しに一家の母が、優しく微笑みかけていた。








作者さまより

ようやく書き終えた、という感じですMY処女作。いきなり小説なんて書いても上手くいかんだろうにと、思いながら書いていたらびっくりするぐらい上手くいきませんでした(打)!
自分が韓国へ修学旅行で行ったのは今から2年も前の話です。それも資料なしで記憶だけを頼りに書いてまして…何かえらい間違いしてたらどうしよう…フィクションってことで見逃してやって下さぃ。でも意外な程に鮮明に憶えているなぁと書きながらしみじみでした。
しかし、免税店の存在を忘れてたのに書きあがってから気付きました(苦)確か初日に行って、女子がブランド物を安く買えるからっつって張り切ってたような・・・。
極力、実体験を盛り込んでいった結果長くなってしまったのですが、読んでいただいた一之瀬さま(あと万一コレ見てる奇特な様方)に感謝です(ぺこり)。・・・精進します。


 長編は意識を持続させるだけでも、結構大変ですが、書きあがるとそれはもう、言葉に尽くさない充実感が。
 それがあるから、ねちこちと作品を仕込んでいるような私です。で、これが不味いことに中毒症状を引き起こす・・・ということで完結しました。
 韓国かあ・・・昔、とあるお祭りの抽選で一等韓国旅行を引き当てた我が娘。(当時3歳)スキーだったことでとても行けるわけは無く、権利をお世話になっていた息子ヴァイオリンの先生に譲った記憶が(笑
 まだ韓国は未踏の地の一之瀬家です。この春先に予定されていた息子の中国修学旅行は一連の肺炎騒動で没になりましたし。
 外国での体験を元に書き下ろす乱あ・・・紀行文的な作品もいいですね。
 最後の鬼ごっこ、楽しそうだった。あの後の二人の時間はどうだったのかと勝手に妄想を膨らませるもよし♪
 共通の思い出を抱きながら大人になってゆく二人が少し羨ましいような気がしました。
(一之瀬 けいこ)



Copyright c Jyusendo 2000-2005. All rights reserved.