さ さ や か な 誘 惑


あたしはと乱馬は、人並みにデートはしている。
けど、手を繋ぐ所から進展はない。
もっと触れたい、近づきたいと思うのはあたしだけ?

…頑張って…みようかな?

あたしは、いつもよりも少しだけ、気合を入れる。
やり過ぎない様に、ささやかに…。


いつもよりも、目立つ様に唇に軽くグロスを塗ってみた。
ささやかな潤い。

いつもよりも、大人っぽくなりたくて、スリット入りのタイトスカートを穿いてみた。
ささやかな背伸び。

いつもよりも、距離を縮めたくて、ちょっと高いヒールのブーツを履いてみた。
ささやかな接近。

…どうしよう。
玄関の鏡を見て、散々悩んだけれど決意した。
いつもより、1つボタンをはずす位置を下に下げた。
ささやかな………




「な、何かいつもと違うな…あかね。」
家を出てしばらくすると、乱馬が言った。
「そ、そう?」
あたしは一生懸命素知らぬフリをする。
理由が理由だけに、改めて考えると恥ずかしい。



「何だか……色っぽい……」
「え?」
しばらく無言でいたかと思うと、唐突に言われた乱馬のその言葉。
あたしは思わず立ち止る。
言っておいて真っ赤になってる乱馬。
あたしも負けじと体が熱い。
「ほ…本当?…嬉しいよ乱馬。」
あたしはそう言うと、周りに誰もいない事を確認した。
そして乱馬に寄り添い、腕を絡めて再び歩き出した。
一度も言われた事の無いセリフ。
自然と嬉しさは込み上げる。
「えへへ…。」
照れ笑いをしながら乱馬を見上げた。
と、すぐ傍にあたしを映す瞳があった。


乱馬とあたしの距離が無くなる。




背伸びして頑張ったあたしの
            ささやかな誘惑…。
願いは叶った。



 きゃーっ!石を投げないでっ!
 えっと…前、部屋掃除してたら昔買った、CO○Oというアイドルの、
 正にこの題名の通りのCDが出てきて…1フレーズ程拝借して書きました(笑)
 我ながらマニアなCDを持っていたもんだ!と感心!
 それにしてもささやかな"接近"て…(笑)言葉が浮かばず、これで断念。

 服とか、身に付けるモノとか、何とか罠に嵌ってくれないかと考察しますよね。
 因みに私は遊園地もどきに行く時に、スリット入りのタイトスカートで決めたら、
 激しい(?)アトラクションでスリットを破き、大変な目に遭いました(汗
 行く場所も考えましょう…若かりし頃の失敗(笑
2002.11.18


Copyright c 2002-2004 SEAside All Rights Reserved