◇無差別格闘大会〜その3
Ran−maさま作


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「天道あかね選手、第三の試練突破、予選通過とします。もとの部屋にお戻り下さい」
「へっ?いいの」
驚いた表情で言う。
「相手が対戦できないのであなたの勝利となります。もとの部屋へお戻り下さい」
はぁ〜。と、ためいきをついてとぼとぼ歩きだす。確かに、予選通過はうれしいのだが、自分の力ではなく、他人の力での通過である。なんともいえぬ心境であった。
もとの部屋に戻ると、乱馬の姿が目に映る。
「おっあかね、おめえも予選通過したのか、なんかこの大会手ごたえねーな。試練で、九能がでできやがったし、まっ、ここに残るのは、通過者だけだからな、以外におもしろくなるかもなっ。んっどうした、うかない顔して?」
心配そうにあかねの顔をのぞきこむ。
「あ、あのね、私、試練でムースと闘ったのよ。それで、足が動かなくて本当は負けてたのに、そこに良牙君がでてこなかったら、絶対負けてたのに、それで、私、本当にここにいていいのかわからないのっ」
あかねの目から、一粒の涙がこぼれ落ちる。
「な、なに泣いてんだよ、それはお前の運が良かっただけの話じゃねぇか。そのぶんここで勝てばいいんじゃねぇか?」
おどおどしながらもあかねの髪を優しくなでる。
「そうかなっ…」
「そうだって、いちいち気にすんなよ」
はずかしそうに、背をむける。
「ら…」

【予選通過の皆さん、おめでとうございます、これから本戦を開始したいと思います。予選通過者が、規定数に満たないため、こちらで人数をだしたいと思います。今から、このモニターに対戦表を映し出します。それぞれの指示にしたがい、対戦してください。一番、おさげの女選手、二番、ムース選手、三番、優選手、四番、九能帯刀選手、五番、天道あかね選手、六番、シャンプー選手、七番、シード、右京選手、以上七名で試合をしてもらいます。まず、第一試合、おさげの女選手対ムース選手、試合を開始してください】

両者が道場の中央へ立つ。
「いくぜムース、あかねの足の痛み、お前にそっくり与えてやるぜ」
「乱馬、今日こそお前を倒してシャンプーはもらうぞ」
「お前の技はすべてみきってるからな。なんでもきやがれ」
「なっなんだとー、秘技鶏卵拳」
「猛虎高飛車」
すべての卵を無にするようにのみこみ、ムースに直撃する。
「グハッ」 道場の端に激突する。
「へっもう終わりか、手ごたえねーなぁ、お前武器にばっか頼ってるからそうなるんたぜ、たまには生身でこいよ」
ふらふらしながら立ち上がる。
「おらの拳が卑怯な武器だと、いいだろう、素手でやってやろう」
暗器をすべて畳に置き、乱馬を睨めつける。
「いくぞっ、ハアッ、トアッ」
「ふっ、おそいぜムース、くらえ、火中天津甘栗拳」無数の拳がムースの体を直撃する。てごたえはあったものの、まるできいていないようであった。
「そんなもの、シャンプーに殴られた方が数十倍も数百倍も痛いわ」
『バキッ』
とっさのカウンターが乱馬に入る。
「ハアッハアッ、どうじゃ乱馬、これでも弱いと言うのか」
「当たり前でい、まだまだ俺の敵じゃないな」
「なんだと」
乱馬を一気に倒そうと、無我に攻撃を仕掛けてくる。「ふっ」
乱馬が不敵な笑いを浮かべ、言う。
「俺が、今何をしようとしてるかわかってないな」
「なっ、こ、これは螺旋…」
「もう遅いぜムース、飛竜昇天破」
『ドォォォン、ゴーー』
激しい竜巻が舞い上がり、ムースを竜巻に巻き込んでいく。
『ぎゅるるるるるる、ドガガガ』
竜巻からムースが飛び出され、道場に叩きつけられる。
「へっ、これでわかっただろ。これからは武器に頼るんじゃなくて、自分の拳を鍛えるんだな」
ムースの近くに二、三人の男が近寄り、状態をチェックする。
「勝者、おさげの女選手、本戦一回戦通過です。それでは、第二回戦を行います、両者中央へ」

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優と九能が、中央へ動く。優の体格は乱馬そっくりで、身長は、九能と同じくらいである。
「それでは、第二回戦、はじめっ」
「ふっすまんな、僕は君にかまっている余裕などないのだ、おさげの女と天道あかねの両方の愛を受け止めなければならないのでな」
「だまれっ私には関係ないっ。いくぞ」
「はっはっはっ、まだ僕の実力がわからんようだな、ではこれをよけてみたまえ、突き突き突き突き突き突き突き突きー」
風圧と剣圧により、優が壁に激突する。
「ぐはぁっ」
口から血を吹き出す。
「さぁ、負けを認めんか、僕は弱いものいじめはきらいなのでなぁー」
「くっ、誰が認めるものかっ」
「ふっ、それならしょうがない、いくぞ、面ー突き、胴ー」
「なんのっ」
うまくすべての攻撃をかわし、九能の木刀を蹴りあげる。
「これでお前は唯一の攻撃手段を失った、今度はこちらの番だ」
九能の顔面に蹴りが入ろうとしたその時
『ガンッ』
「がっがはっ」
ドサリ、と倒れ込む。蹴りあげられた木刀が、優の頭上に落ちてきたのだ。
優の周りに男が行き、チェックをする。

「勝者九能帯刀選手、では、これから第三回戦を始めます、天道あかね選手、シャンプー選手、中央へ」


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「あいやー、あかねが相手か、これなら楽勝ね」
「なに言ってるのよ、私は手加減しないわよ」
「わたしだて、手加減しないあるよ、優勝して中国の呪泉郷で、この体質直す、そのためには、まずあかね倒すよ」
「私だって負けられないの、いくわよ、ハットアッ」
あかねの攻撃がシャンプーの頬をかすめる。
(なっなんてスピードね、危うくくらう所だたね)
冷や汗を流しながら後ろに後退する。
「ハアッ」
攻撃をくりだしていき、遂にシャンプーを道場の端に追い詰める。最後の攻撃をしようとしたときであった。
『ピシッ』
さっきの戦闘で傷ついた足が痛みだす。
「うっあっ」
激痛と共にその場に倒れ込む。今だ、とばかりにシャンプーがあかねに襲いかかる。一蹴りをあびせて体を倒し、腕を固める。
「さあ、降参するよろし、降参しないと、腕折れるね」
「だ、だれが降参なんてするもんですか」
「そうあるか、じゃあしかたないね」
『ミシミシッ』
あかねの腕に体重をかけ、逆方向に、折り曲げようとする。
「あっ、くっ、うあっ」
「さあ、降参するよろし、次は本当に折るね」
(い、痛い、でも、こんなとき、乱馬だったら…)
ちらりと乱馬を見る。乱馬と目線が合うと、口をパクパクさせて、なにかを言っている。
(あ・きら・めんな…あきらめんな、そうだった、乱馬はこんなに追い詰められても、最後まであきらめなかった)
「だれが、降参なんてするか〜」
右腕をシャンプーごと持ち上げ、振り落とす。そして、渾身の力を込めてシャンプーを蹴りとばす。
『バキッ、ドッ』
道場の壁にあたり、畳にドサリ、と倒れ込む。
二、三、静寂が生まれ、シャンプーの周りに男たちがいき、チェックをしている。そして振り向き、手を上げる。

「勝者、天道あかね選手、本戦一回戦通過、それでは、本戦第二回戦を行う、おさげの女選手、九能帯刀選手中央へ」

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「おい九能、お前さっきもやったじゃねーか、なんでまたいるんだよ」
「ふっおさげの女よ、これもすべて愛のおかげなのさ、こんなにも君と出会えるなんて、君と僕の愛を認めてくれているに違いない」
「なにいってやがる、すぐにけりをつけてやるぜ、いくぜ九能」
あっというまに九能の懐に入る。
「面ー」
九能の一撃だが、軽々とよけ顔面、首、胸にかけて蹴りを繰り出す。
「ふっそんな蹴りなど…」

ドタッ

意識が全くなくなってしまったのか、頭を激しく打ちつける。
「まったく、おもしろくねーなっ。おいっ、結果はどーした」
はっとした表情で男が言う。今度は確認もせずに言った。

「しょ、勝者、おさげの女選手、決勝進出です、では二回戦第二試合開始、天道あかね選手、右京選手、両者中央へ」

右京は早々と中央へといくが、あかねは足が痛むのか、なかなか中央へ移動できなかった。
「どないしたん、あかねちゃん?大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ」
「……やめや、やめ、そんな状態であかねちゃんとやってもおもしろーないし、こんなんで勝ってもうれしないんでな、しかも、次が乱ちゃんてわけで、あんまやりとーないしな、審判さーん、私棄権しますわ」
「あっ私も棄権します、足の怪我もあるし…」
二人は審判らしき人物にちかより、棄権を申告する

。「では、第二回戦、両者棄権により、優勝者は、おさげの女選手に決定です」

「おめでと、乱馬、ん?どうしたの、うかない顔して」
あかねが不思議そうに尋ねる。
「ん、いや、なんか自分の力で勝ったんじゃねーから納得いかねーんだ」
「な〜にいってんのよ、そんなこと言ったら、私だってそうだったじゃない、いいのよ、今回は運がよかったのよ、それとも、私とやりたかった?」
「いっいやっ」
「でしょ〜ならいいじゃない、あっほら、どこいきたいかきいてるわよ、はやく中国って言ってこないと…」
乱馬が話をしにいき、帰ってくる。
「じゃっ、かえろっか」
「おっおう」

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「ねぇ乱馬、本当にいかなくってよかったの?あんなに中国いくって騒いでたじゃない」
「いいんだよ、まぁこの姿も嫌いじゃねーしな。それに、中国は逃げねーし、自分の手でなんとかするぜ」
「ふ〜ん、まっいっか、じゃ〜お父さん達待ってるから急いで帰ろう」

‥‥‥‥‥‥

(時はまだまだあるんだし、なにもあせることはない、ここで二人で歩いてることが、一番の幸せかもしれない…)








作者さまより

すみません、テストも近いということで、途中であせって、なんか変なストーリーになってしまいました。実際、初投稿ということでけっこう大変な所もありました。かなりの駄文ですが、最後まで読んでくださった人たち、どうもありがとうございました。



実はこの作品、パソコンではなく携帯から投稿していただきました。
携帯から投稿をお受けしたのは初体験だったので受ける方の私もドキドキしていました。
何度にも渡って送信してくださりさぞや大変だったろうと思います。

携帯でも投稿が受けられる事がわかり、勉強になりました。
ただ、私は携帯は未だに非所持でありますが…。(万年金欠状態で同人活動しているため、携帯に回すお金がありません…笑)
パソコンでファイルを送信できない環境の方も、素敵な作品を書き上げましたら、諦めずに一度、ご相談くださいませ。
(一之瀬けいこ)


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