◆アイデンティティー
久遠未季さま作


1、
 名という物は、その存在を示す重要な要素である。それは森羅万象において、当てはまらぬものは無いだろう。少なくとも、人という知的な生命体の織り成す世では・・・。
 とりわけ、人にとっての名というものは何事にも懸け難い、尊い物なのだ。
 人は己が何者で何のためにあるべきか模索する時に、結局、己の名前に頼らざるを得ない。己を見失いそうになったとき、心の内に幾度も己の名を反復させながら、自らの居場所を確認する。例え、それが虚像であったとしても、だ。
 しかし、ここに己の名を受け入れられぬ者がいた。いや、ここと言わずに探してみれば、意外に多くの者が浮かび上がるのかもしれない。
 しかし、彼の場合が尋常でないことは確かだ。誰もが彼の名を聞けば、失笑し、冷酷な対応をし、ついには彼を否定する者も多い。
 彼の名は壮絶な響きを持ち、決して彼をその呪縛から解き放とうとしない。
 そう、彼の名はパンスト太郎と言った・・・。



 『彼』は中国の小さな民族の住人であった。歳は十代半ば、中肉中背、切れ長の釣りあがったような目が特徴である。
 その瞳の切れは彼の繊細な心を表すと同時に、過酷なまでの運命に狂乱された事によって、荒んでしまった心をも象徴していた。
 彼は、すすんで人との交わりを避けた。それは呪縛的に降りかかっている己の名を、他人に晒さぬようにする、彼の防衛本能であったのだろう。彼にとって自らの名を名乗り上げる事は、最も避けたい辱(はずかし)めであるからだ。
(初めは、良かった。まだ自分も、周囲の同年代の者達も幼かった頃は。
周囲の大人達が自分のことを、哀れむような、蔑むような、はたまた苦笑するような視線を投げかけてこようとも、気にはしなかった。
きっと、自分の特異な身の上のことを感じ入っているだけだろうと、幼心にわりきっていたのだ。)
 彼は岩壁の上に立ちながら、今までの事を思い返していた。だが、一瞬その回想も遮られた。周りが妙に騒がしいことに気付いたのだ。
 彼の立つ所はいくつもの切り立った岩山のひとつで、所々に岩の先が尖った部分があった。そこに、この山岳地方特有の冷たく鋭い風があたり、ビュウゥビュウゥという音を立てているのだ。
 彼はそんな音に惹かれた。単調でいて解りやすい。そして、カラカラと渇いた音をたてながら小石が風に舞っているのも、彼は気に入った。
 今までの苦労を、苦痛を終わらすための手がかりが、もう目の前にある。それ以上の事など、考える余地もないのは当然のことであった。が、そうしている彼の瞳の奥は、なぜか暗然とした色を示しているようにも見える。
 ふと、足元を見てみると一輪の花が咲いていた。鉛色の空と灰色の山々の中に、その黄色の花がひと際映えていた。
 次いで見えた光景は、今、彼が立つ所よりも下方にある、いくつもの泉だ。痩せた大地と乾いた空気の中に不自然に並ぶ薄く青がかった水溜りは、荘厳とも、醜悪とも違った。
 感傷に浸っている余裕などなかった。しかし、口を突いて出てくる言葉は止められない。
「呪泉郷・・・か。」
 彼のあらゆる悲劇の始まりは、ここ、呪泉郷であった。今、それを眺めていると特別な感慨が沸き起こってくる。
(ガキの頃の俺は、なんとも鈍感だったんだな。俺が周囲の大人達から、変な目で見られるのが、当然、変身体質のせいだけだと思い込んでいた。
だが、自分も含め、周りの友人(少なくとも、自身はそう思っていた)が大きくなり始めた頃から、状況は変わったんだ・・・。いや、状況が飲み込めるようになってきたという方が、正しいかもしれないな。)
 彼の村は、異国文化を積極的に取り入れていた。特に日本語の教育というものは、他のところよりも突出していた。そのためか、その村には、それらを流暢に喋れるような者が多かった。
 それだから、彼が教育を受けられるほどの歳になった日からであった、彼が悲劇を自覚し始めたのは・・・。
「そうだ、偶然が重ならなければ、俺は俺の名前の持つ屈辱的な響きの意味を・・・それを知ることもなく、ただ暮らせたかもしれないんだ。」
 彼は、回想する。遠い昔の、彼が悲劇を自覚し始めた時の事を・・・。あれは、彼が初めて『授業』というものを受けた時、確か七歳ぐらいの時であった。



「何を・・言うの?村長さんとこのお兄さん?」
 幼き彼は、教壇に立つ青年に聞き返した。何の冗談かと思った。いや、それよりもよく、そんな突拍子も無い冗談が出てくるものだと思った。
 彼が不思議そうな顔で見詰め返すと、その青白い細面の青年はまくし立てるように、からかうように続けた。
「あんっ?だ・か・ら、お前の名前が、あっちの言葉でそう言う意味だって言ってるんだよ。聞き取れないんだったらもう一度言おうか?『パンスト太郎』君。」
 部屋中からどっと笑いが上がった。照明用の二、三個のランタンが放つ赤橙色の光が、彼を含めた部屋中の者達の頬を照らしている。
 彼は青年のその言葉に、きょとんとして立ち尽くした。訳もわからないという風に首をかしげる光景が、まだ、彼の純真さを物語っていた。
 彼は年齢のわりには割り切りの良い性格をしていた。そのことだけに関して言えば、彼は大人でも真似できないほど腰の落ち着いた人格者であっただろう。
 だから、その事もこう割り切った。
(教師として教壇に立っている十歳ばかり年上の大人が、知識のない自分達子供をからかう為の冗談なんだ。)
 青年は張り合いが無いので、ちょっとばかりがっかりしていたようだった。ただでさえ血の気の薄い、不健康な顔がこけて見える。ランタンの灯りが当たって血色が良くは見えるが、それは気休め程度でしかない。
 その日の他の授業中も、その青年は彼の方を見るなり思わず笑い出していた。が、その時の青年の表情が、さらに影の濃いものである事に不安を抱いているのは彼だけであったのだろうか。
 彼はそんな『先生』を「変わった人だなぁ」と、ただ純粋に感じ入っていた。
 そんな調子で時間は過ぎて、その日の授業は終わった。

――あの日の、その後、家に帰るまでのことは、あまり覚えていない――
――嫌な思いをした覚えがないってことは、いい思い出なんだろうがな――
――いい事なんか、すぐに忘れちまうもんだぜ――
――ずっと、あの瞬間と同じことが、いつまでも続くと思っていたから、記憶にとどめて置けなかったんだな――


 日の色も煌々としている黄昏時、彼はようやく帰路に着いた。家に着く頃には薄紫色の雲が、黄褐色の空に溶け込もうとしている頃であった。
 ぼんやりとした家の明かりは、闇が染めようとしている空気の中に、幻想的に映ったことだろう。彼は母が食事の支度をする音に引かれる様にして帰宅した。
「ただいまぁー。」
 彼は家に帰ってくると母に、初めての『授業』というものの感想を伝えた。彼が生き生きと、そして、目を輝かせて話す素振りは、少しばかり不安になっていた母の心を安らげた。
「あらあら、それは良かったわね。母さんは、お前が泣いてやいないかと心配していたんだよ。これで・・安心だね。」
「もう、母さんったら・・。僕はそんなに弱い子じゃないよ。母さんだって、言っているじゃないか。『お前は力が強いから、だから乱暴しそうなもんだけど、絶対そんな事はしない、優しい子だ』って。」
「そう・・そうだよね。ウフフ、母さんったら、そんなお前を心配なんてしてね・・。」
 彼の母はそう言っている間にも、薄っすらと涙をにじませていた。
「あれ、どうしたんだろうね。どうも最近、涙腺が弱くて。」
 彼の家は彼と母の二人暮しであった。彼が生まれる日の前日ほどに、父は行方知れずになっている。そして、それを捜しに追って出た母はその行程の途中で産気づき、彼を生んだ。
 どうも彼の幾つかの不幸や数奇な運命は、この辺に由来しているようだ。例えば、このときに浸かった産湯のために、彼はある特異な体質を患ってしまったのだ。
 彼は水をかぶると異形のものに変身し、強大な力を得てしまうのである。
 もっとも、彼はその心の優しさと純粋さの為か、決してその力におごり高ぶる様な事は無かった。第一、湯をかぶってしまえば意思とは無関係に元の人の姿に戻ってしまうのだから、そうそう現を抜かしていられるわけでもないのは当然だろう。
 ただ、彼はその力をわりと有益に使いこなしていて、その人間離れした怪力、そして飛行能力によって家計の手助けをしていた。
「大丈夫だよ。『べんきょー』はしていても、母さんの手伝いにさわりがないようにしていくつもりだから。」
 彼は、母が流している涙の意味を、正確に受け取ってはいないものの、必死に言い訳のように、それでいて母を傷つけないような話題を続けた。
 だが、母はそれでも泣き止むことなく、小さな息子にしがみついていた。

――やはり俺は、馬鹿な奴だったんだ――
――今でこそ解るが、母さんが最も恐れていた事はまさに今現在、俺の置かれている状況だ――
――母さんが気にしていたのは、俺がちゃんと『べんきょう』出来るかなんてことじゃない――
――それに気付かずうかうかとあんな話題を出した自分が、愚かしいぜ――

「そう!そういえば僕達の先生ね、村長さんの一番下の子供・・・って言っても、僕達より十歳は上なんだけどね、その人が面白い先生なんだよ。」
 彼は夕食の支度をしながら、母に話し掛けた。母は先程の涙はどこに行ったのやら、いつものおっとりとしていながらも、どこと無く毅然とした風体に戻っていた。
「へぇぇ。あそこの坊やも、もうそんな歳なんだものねえ。まあ、変わり者って呼ばれていたのももう昔の話と思っていたんだけど・・。やっぱり、変わり者はどんなになっても変わり者ね!」
 母はウフフと笑って見せると、トントンとまな板を打っていた。小気味良い包丁のリズムが自然と会話に躍動感を加えていた。
 彼は食器を食卓に並べると、台所の方に戻ってきてさらに話を続けた。
「それでね、先生が僕の名前は、変わっているって言うんだ。」
「!?」
 『トタカタタッ・・』と、包丁のリズムが不規則に、小刻みになっているのは気のせいではなかった。
 母の動きが止まった。そして、震えているようであった。
「かあ・・さん?」
「・・それで?」
「・・えっ?」
「それで・・先生はどういったの・・。ねえ!」
 彼は、黙り込んでしまった。母の動揺は、尋常ではない。
 先程もそうだが、どうも母は自分が教育というものに触れるということにアレルギーを起こしているとも取れるような、そんな症状であった。そう、思った。
 そして、ふっと思い出した。あの時の、教師の言葉を・・・。
(もしかして、先生が言っていたのは、悪い冗談でもなく・・・本当の・・ことなのか?)
 背筋をぞっとするものが通り抜けていったような気がした。これが悪寒というものなのだと、まだこのときの彼には解らない。
 ただ、気持ち悪い感覚が体中をめぐっているということだけが認識された。
 風が戸板を震わせる音さえも、彼の神経をひどく撫で回した。
「ああ・・・。」
 顔を伏して、放心する子のことを気にすることも無く、母は泣き伏した。


 それから、彼が変わるまでそう時間はかからなかった。
 そんな事があった翌日に登校してみると、彼に浴びせられるのは子供の無邪気で容赦のない罵声であった。
「や〜い、や〜い。」
「馬鹿みてえな名前だよな〜。」
「変体よ、ヘンタイ。」
 子供というのは悪意があるわけでもなく、それでいて何かあった時に弱者ぶっていれば、絶対に悪くされないと思い込んでいるから始末が悪い。
 確かに、子供の側には罪は無い。真実に悪意があるとすれば、それを吹き込んだ大人であるのだ。
 だが、彼が大人以上の精神を持っていたとしても、そんな事など解らない。
 もっとも力で解決しようとは思ってもいなかったので、とりあえず言い返してみたが、適切な仕返しは出来ていなかった。彼の名に対する侮辱、それ以上の侮蔑など、殆ど無い。
 それから数日もしてくると、やがて子供達は『異端者』に石を投げ始めた。彼は必死に耐えていたが、あまりに理不尽な仕打ちに、次第に心持を変えるようになっていた。
(俺が本気を出せば、こんな奴ら・・・いつでもぶちのめせるんだ。)
 ドカッ、ボカッ、
 鈍い音を立てながら降る礫は、そんな彼に恐怖や悲しみよりも、そんな感情を引き出させたのであった。
 それは彼が名と言う呪縛にとらわれる兆しであったが、彼の中の優しさや、いたわりといった良心が辛うじて歯止めをかけていた。

――今思うと、良く耐えられたものだ――

 そして、そんな風にして一ヶ月が経とうとしていた。その日も彼は他の子供達の厳しい『洗礼』にじっと耐え、校舎として使っている屋敷の片隅で、一人、誰にも見えぬところで泣いていた。
 他の者達の前では彼は泣き声一つ立てずに、じっと辛抱していた為だろう。次第に、そんな仕打ちをする者は少なくなってき始めていたが、依然として彼らの『洗礼』は続いていたのだ。
「うっ・・くぅぅ・・・。」
 彼が泣いてる側に、一人の少女が寄ってきた。彼女は元々、彼に対する仕打ちの傍観者であったが、ついに彼と接触を試みたのである。そう、攻める側としてではなく、守る側として、だ。
「ねぇ、元気出しなさいよ。男でしょう。」
 彼は思わぬ声にハッとした。涙を腕のバンドで拭い去ると、キッとそっちの方を見た。
 確か、園麗(ユイリィ)という名前の子だったか。最近になってから知った子であったが、別に友達と言うわけでもない。
 そのユイリィという女の子は、彼が自分の方を向いた事を確認すると、腰に軽く手を当てながらさらに続けた。
「やられたら、やり返せばいいじゃないですか。何も、黙っている事は無いと思いますわよ。」
「やり返して、どうなる。」
 彼は短く言った。もう既にこの頃には、彼の後天的な本質の土台が出来始めていたのかもしれない。
「どうなるって・・なるようになりますわ。少なくとも、もうこんなところで泣く必要はなくなりますわよ。」
 そんな少女の口調はどこと無く育ちの良い、慄然とした気風があった。
 彼は内心、こういう人は嫌いでないと思い、気を許しても良いのではと感じた。だが、それ以上のことは感じない。まだあまりに子供でありすぎた。
「お前、俺のこと知っているんだろ。どういう奴か・・・。俺が本気でやり返したら、どうなるかくらい!」
「ええ。でも動物にだって慈悲をかけるのに、貴方にだけそれがかけられないなんて、おかしいではないですか。」
「・・・。」
(俺の体質を知っていても、そこまで言い切ってくれる人が居るんだ・・・。それなら、そんな人が俺に望むような事を、やって見せなくちゃな。)
 幼心に彼がそう思えたかどうかは定かではないが、彼はそんな事を思ったような気がした。あの敵達に打ち勝てば自分は変われる、と。

 その翌日、彼はいつものようにやられている一方ではなかった。やられたら颯爽とやり返した。ビュッ、と彼の顔を掠めて拳が宙を打つ。と、同時に、相手の腹部にアッパーを決めていた。
 『敵』は後ずさりをした。普段とは違う彼に、子供達は彼らなりに殺気立った。純粋であるだけ、彼らの感情は非常に強烈である。
「やっちまぇ!」
 その号令の元、彼はあっという間に、もみくちゃにされてしまった。多少鍛えている彼にとっても、多勢に無勢である。
「こんな奴は地べたで張っているのがお似合いだ。」
 子供というものは、かくも残酷な事が言えるのだろうか。その場に合った言葉を選ぶほどの能力が無いからこそそうであるのだろうが、あまりにひどい言い草だ。彼は地べたに腹ばいになりながら、悔し涙を流した。
 と、その時である。ザアッ、と激しい雨が降り注いだ。夕立のようにそれが通り過ぎると、周囲の者達は唖然とした。先程まで地面に這い蹲っていた彼が、姿を変えたからである。
 その身長は大の大人以上あり、背中には翼、頭は闘牛に使う牛のような頭部、そして気持ちの悪いぬめりを放つ尾を持っている。
「グフッ・・。」
 彼は一呼吸すると、一瞬の内に『敵』を懲らしめた・・・・・・。



 過去の記憶は一端そこで途切れた。テープ式のビデオレコーダーの録画を停止した時、多少のノイズと共にプッツリと途切れるように、その後の記憶は曖昧な接点でしか繋がっていかなかった。
 手繰り寄せようと思えばできないことではないが、そんなことをする必要性は、今の彼には感じられない。
 バサッ、と羽織っていたマントを翻してみる。別にそれで何をしようという気もなかったが、激しい風によって煽られ、思いのほか大きな音が立った。
 その感触は、嫌いではない。
 そして、一人呟く。
「そうさ、俺には力がある。あれから俺の事を見下そうとする奴らを、逆に、下してやる術を覚えたんだ。」
 彼はもう一度マントを翻しながら、呪泉郷のある方へと駆け下りていった。



 人は力を得ると、そして、それを一度でも行使してしまうと抑制が効かなくなる。さらに、それを自己の確定の媒介として用いてさえしてしまうのだ。
 あの時既に、彼の自我の根底は確立してしまった。
 本人はこれは力が与えた自分の天性だと思っているようだ。決して、このくだらない名によって生み出されたものでない、自分で掴んだ運命なのだ、と。
 だが、そうではない。結局は己の名の呪縛によって、宿命づけられた自我なのだ。それを行使するのも、抑えるのも、その名なのである。
 これから彼は、力で押さえつけられたと思っていた名の呪縛を、より一層、残酷に受け止めねばならない日が来るのだ・・・。


つづく




 久遠未季さまの呪泉洞初投稿作品です。
 「パンスト太郎」ファンの皆様お待たせいたしました。
 「名前」とは己自身で決められるものではなく、生来から定められたものの一つです。己で決められるのはペンネームや芸名、ハンドルネームといったものくらいで。
 実は私の本名は「難読姓」でして、まともに読める初対面者は、ほぼ皆無です。何度会っていてもまともに呼んでくれない人や、年賀状を「思い込んでる字」と間違って印刷してくる方がたくさん居ます。今年の年賀状にもチラホラ「違う」のがありました。それでも配達してくれる郵便屋さんの優秀な事。
 子供たちも中学生になってから「己の姓が難読である」ことに気が付いたらしいです。新学期になると決まって、担当の教師が尽く「何て読むの?」と詰まるらしいので…。そんな難読名の方って、必ずクラスに一人はいたと思いませんか?
 学生時代、外国へ行った際、日本ではポピュラーな「あべ」という姓の先輩が、「ふざけてないか?この名前?」と入国管理局で長々と尋ねられていました。向こうの方には、英字にて書かれた「ABE」っていうのは「ふざけている」と思ったようです。いや、嘘のような本当にあったお話です。
 それだけに、パンスト太郎の悲劇は、可笑しくもあり哀れでもあり…。
(一之瀬けいこ)



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