◇replace・・・
なな(高野連)さま作


もやもやとした空気が自分を取りまく・・・
やっと晴れた霧の中に誰かがこちらに話かける・・・

「・・・今のはこち・・・のミス・・・・・たの、ごめ・・・なさい。・・だから・・・・・・」

白かった。それ以外ははっきりとは覚えてない・・・
ただ自分に何かについてあやっまっていた。

「・・・・・う、うん・・・・・・」
意識が回復する。
薄くぼやけた視界の中に必死に自分を呼びかける。

「・・・かね・・・ん・・あ・・・ね・・・!あかねさ・・・・あか・・・さん・・・」
それは良牙の声だった。
「・・・あかね・・・?」
確かめるように呟く
「大丈夫ですか?あかねさん!!」
自分を抱かかえた形で叫びながら聴いてくる。
「あかねさん!平気ですか?・・・乱馬なら無事ですよ!」
「??!」
自分は良牙の言葉に疑問を覚えた。
『何を言っているんだ?』そう言おうとしたら、視界にもう一人の自分が映った・・・。

「え・・・・・・?」

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TV:「―今日のお天気です。・・今日は関東一帯、真夏のような気温になり、日中は30度近くまで気温が上昇します。そのため、夕方に雷雨を伴った夕立が降るでしょう。・・・・でも一時的なものなので、夜には晴れると思われます。・・・午後お出かけの方 は“折りたたみ傘”などをお持ち下さい。・・・・では今週の・・・・・・」

チュンチュン・・・。

「―――乱馬ぁ!起きなさい!!」
ばしゃ!
「・・ぶぁっ!あにすんだ!あかね!!・・・つめてーな!!」
「自業自得よ!こうでもしないと起きないでしょーが、あんたは!」
「・・・もっとかわいらしい起こし方できないのか?お前は!」
「あんたに色気使ってどーすんのよ!うっとうしい!起こしてもらえるだけ、ありがたいと思いなさい!」
「じゃあふつーにお・こ・せ!!」

雷雨前線北上中のある日。
毎朝、お馴染みの声。

「朝から元気ね・・・うざいくらい・・ってうるさいはね・・・・・アババババ・・」
毎朝ながら、よくまぁ毎日毎日、朝から豪快に喧嘩できる自分の妹と、その許嫁に半ば関心っといった、
天道家、次女・なびき。
「ほんとね、乱馬君には“低血圧”とは無縁な感じね。健康体でいいはね。」
朝から罵声のような声が飛び交いながらも、おっとりとした口調で払い除ける、
天道家、長女・かすみ。
「えぇ、早乙女家は健康だけが取り柄なのよ!朝でも、夜でも、すぐに行動できていいと私は思うわ。」
かすみに続き、これまたのほほんとした口調で語る、
早乙女家、妻・のどか。(天道家居候)
「わしも風邪以外はかかったことがないぞ!がははっ」
のどかの『健康だけが取り柄』ということに、自慢気に応える、
早乙女家、主・玄馬。(天道家居候)
「私もそうだよ、早乙女君!!」
玄馬の言葉に合槌する、
天道家、主・早雲。
「武道家だもな、重病があっちゃなれねーだろ、普通・・・」
玄馬・早雲につづき自分なりの答えをいう、
早乙女家、長男(?)・乱馬。(天道家居候、兼あかねの許嫁)
「馬鹿は風邪引かないって、いう有名なことわざもあるしね。・・その通りね、乱馬?」
そして最後に、乱馬にけんかをふっかけるように言い放つ、
天道家、三女・あかね。(乱馬の許嫁)
「・・・なんだと!あかね!!」
「その通りじゃない!」
「んしたら、お前だってそうじゃないか!この寸胴女!」
「風邪と寸胴がどう関わるのよ!このヘンタイ!!」
「!ヘンタイじゃねぇ!これは体質。変身体質!!」
「どっちも一緒よ!」
「一緒じゃねぇー!!」

相変わらず賑やかな天道家の居間。喧嘩をしつつもしっかり朝食をとる2人。
いつもと同じ朝。いつもと同じ顔ぶれ。
そしていつも隣にいる愛しい人・・・。

2人は本当は両思い。でも恋愛オンチな2人はいつも寄れば触れば喧嘩三昧。言葉を交わせば、心とは反対な会話ばかり。
でも、お互い信頼し合う、深い絆が存在していた・・・。たとえ、今は見えなくとも・・・・・。
しかし、今日はいつもとは少し違った。思った以上に喧嘩がエスカレートして、収集が付かなくなった。
2人とも、大の負けず嫌い。お互い、譲ることはしない。

学校に行く通学路、2人は明らかに大喧嘩をおっぱじめていた。

学校着いてからも、口を聞かなかった。
互いに無視!沈黙!の一点張り。

お互いに今、何に喧嘩してるかさえわからなくなっていた。

『・・・乱馬が、乱馬がいけないのよ!』
『・・・あかねが、悪いんだから。』
『『――謝らない!!』』
変な所で一致団結してる2人。意地っ張りは誰譲りであろう?

そんなこんなで、5時間目の終了した。
HRも終わり。帰ろうと鞄を持ち、振り返った乱馬の視界いっぱいにある人物が映った。
「乱馬ぁ!今日もデートするある♪」
いつ現れたか知らない、中国娘のシャンプーが乱馬の首筋に両手をまわし、おもいっきり顔を近づけて甘えてきた。
「・・・シャ、シャンプゥ・・離れろ!」
女慣れしてない恋愛オンチな乱馬は、視界いっぱいのシャンプーに心底困った。
とそこへ、
「シャンプー!!いいかげんにしとき!乱ちゃんはうちの許嫁やで!気安く乱ちゃんに触るんやない!」
乱馬のもう一人の許嫁、久遠寺右京が乱入してきた。
そして乱馬の片腕をとり、腕を組んで、シャンプーを睨みつける。
シャンプーも負けじと右京を睨む。
「乱馬は私の婿殿ね!邪魔する者みな殺す!!」
シャンプーは中国の奥地に存在する女傑族という民族出身だ。

その女傑族は、女性も男並(並以上に)に強く、もし、女性に叩きのめされようものなら、相手に“死の接吻”をし、その後、命、亡きものに・・・。なんて恐ろしい民族。
しかし、これが男性ならば、何がなんでも自分の夫にしなければならないという摩訶不思議な掟のある民だ。
乱馬は、その両方を受けている。
といっても、現在進行形なのは求婚だけだ。しかし当初は“死の接吻”を受け、命を狙われていた。
端から見れば、大きな矛盾を感じるが、誰1人つっこむ人はいない。

「ほぅ・・そう簡単に殺せれるか?受けってたったる!かかって来んかぃ!シャンプー!!」
この並外れた相手に、果敢にも真っ向から勝負に参戦する乱馬のもう一人の許嫁。久遠寺右京。
彼女もまた、並外れた戦闘能力の持ち主。

乱馬の唯一(?)の幼馴染で、幼い頃の乱馬をよく知っている。
右京はお好み焼きの職人で、お好み焼きに全てを賭けていると云っても過言ではないといった感じの少女だ。
そんな職人根性の染み付いている右京が唯一、恋慕しているのが、乱馬だ。

この2人も、わけあって許嫁同士。
しかし、こちらに心がないというのはわかっている右京。でもチャンスはあるかもという1/1000な確立に賭けている右京。
だから、シャンプーごときにけんかを売られて引くわけがない。

2人は当初の目的など忘れて決闘をおっぱじめだした。

乱馬はそんな中、2人に気付かれないように、こっそりと廊下へ出た。
「ふう→・・・」
思わず漏れる安堵のため息。
すると目の前には、
「・・・乱馬。あかね、帰ったぞ」
という乱馬の悪友、ひろし。
「おまえさぁ、いいかげん女の交わしかたくらいマスターしろよ・・・」
武道においては右に出るものはいない乱馬だが、女性の扱いはてんでダメ。
「俺の方が、女のことにかけては勝てるよ、乱馬に」
「・・・」
乱馬はこの風林間高校のアイドル的存在だったあかねを奪った存在。
しかし、強くて、超高校生級でも、さすがに苦手がある。まさに、『天は二物を与えず』とはこのことだ。

しかしこの男、女が苦手だが、自分が女そのものに変身してしまう。
べつに魔法使いサリーちゃんや、ひみつのアッコちゃんの親戚ではない。(少女まんがだし。)
それは、乱馬の父、玄馬のせいである。

それは2年程前の夏。
乱馬と、その父・玄馬は中国の某省に存在する、伝説の修行場・呪泉郷で、お互いあるものに変身してしまう呪いの泉に落ちてしまった。
そして、乱馬は少女に。玄馬はパンダになってしまった。

他にもこの呪泉郷の被害を受けたのが乱馬の知り合いにいる。
1人は女傑族のシャンプー。彼女は猫に変化する。
あと、乱馬のいろんな意味でのライバルである、響良牙。彼は黒い子豚に変化する。
そして、女傑族のシャンプーに恋心を抱く、シャンプーの幼馴染、ムース。彼はアヒルに変化する。
で、+α。パンスト太郎。こいつは・・・牛+雪男+鶴+うなぎ+タコ(これは後物)の混合体に。
ならば、阿修羅。この人は名のとおり、古代インドの神の一族、阿修羅になる。

皆、あるものに変身してしまう呪いの泉に落ちてしまったためになった体質だ。

こんなふざけた体質をもっているからか、はたまた、単に恋愛オンチなのか。
とりあえず女ベタな乱馬。

「乱馬?おまえさ、はっきりさせたらどうだ?自分のこと・・・」
悪友は悪友なりに心配らしい。ひろしは心配して乱馬にこういった。だが、
「はっきりもなにも・・・」
そう言って、下駄箱に駈けて向かう乱馬。そんな乱馬を後ろから見るひろし。
「まったく・・・」
そう言って教室に目をやる。
教室では、今もなお決闘でドンチャン騒ぎ。当分収集はつかないだろう。
こちらにも呆れるひろしであった。

一方、あかねは・・・
『何よ、鼻の下なんて伸ばしちゃって。・・・乱馬なんて・・・』

あかねは帰るときに起こったあの騒動を思い出し、ぼやきながら我が家へ帰る。

『だいたい、嫌なら、嫌!って言ってみなさいよ。ほんと、優柔不断!!』
乱馬のことを考えていると、心底腹が立ってきた。
『乱馬なんて!!!』
そう心の中で叫ぶと、近くにあった電信柱をおもいっきり蹴った。

ガスン!!

ものすごい音が電信柱のコンクリとともに辺りに散乱した。

「くっ」
蹴リ終えたあかねの右足に激痛が走る。
どうやら、打ち所が悪かったらしく、打ち身になってしまったらしい。打った場所が青黒く腫れてきた。
「っ、東風先生の所に行こっ。」
そういって、痛む足を引きずり、小乃接骨院に向かった。

空は快晴!雲ひとつない青空。
ただ今の気温、31度。今日の最高気温・・・。



つづく




はじめまして。
このたび、初小説にtryしました。高野連です。
えっと・・・この小説は、映画やTVドラマにもなった、「放課後」を下地に組み込んですすんでいきます。
いまはまだ「入れ替わり」をしてません。
次編にありますので、どうぞおたのしみを。
たりない部分も多々あるかもしれませんが、どうぞよろしくおねがいします!!
アドバイスみたいなものがありましたら、メール下さい。
P・S 題名の「replace」は「入れ替わり」という意味です。(まんま
英語苦手な私。
かっこよくしようと思い英語にしました。
あぁ、しゃしゃっちゃったっす。



 この題名が意図するものは?続きがとっても楽しみです〜
 なお、高野連さまはその後、改名されて「ななさま」と名乗られておられます。
 ピンと来られた方、そうです、「カエルノオウジサマ」の管理人のななさまでございます。
 呪泉洞のこの作品が二次創作初物だったのですね…。(やっぱり層が厚い…我がサイトの投稿者さま)
(一之瀬けいこ)


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