◇ネリマールクエスト 第ニ章
武蔵さま作


−−−リョーガの街−−−


「さて、そろそろ出発するか!」
 昨夜のドタバタは一晩過ぎればさほど気にならなかった。乱馬は大きく伸びをしてあかねに言った。
「それじゃ、まずはどこへ向かう?」
 八宝斉の城へ行くには何かと厄介であり、城の周りの邪気を払うために4つのアイテムが必要になる。その邪気は八宝斉の力の源なので、その邪気がある限り、八宝斉に攻撃は通じないと言っても過言ではない。
「まずはネリマール大陸西部にあるウキョーの森に向かう。そこで大魔道士コロンに会って情報を得ればいい。その後は情報通りに従ってアイテムを集めて八宝斉を倒せばいいだけだ。」
「ちょっと!大魔道士ってあの八宝斉に匹敵する程の魔力を持ったあの人?」
 あかねは少し躊躇った。大魔道士コロンはその恐ろしい魔力故に人々から恐れられていたのである。八宝斉と闘えば間違いなく互角の勝負ができるだろう。しかしコロンは八宝斉とは闘おうとはしないし、また、コロンに会うためには恐ろしいまでの試練が待ち受けているので、地元の街人はおろか、国外の者ですら近付きはしない。
「でもどうやってウキョーの森まで行くの?このまま歩いて行ったんじゃ10日はかかるわよ。」
「その点は心配無用だ。これをつけな。」
 乱馬が手渡したのは細かい細工がなされた銀色の腕輪だった。
「召喚術はつかえるよな?」
「ええ。召喚具があればだけど、もしかしてこれが召喚具?」
 召喚具があればその召喚具に応じた召喚獣が呼び出される。乱馬の渡した腕輪には馬の絵が描かれていた。
「その通り、神獣ユニサスを呼び出す腕輪だ。俺は召喚術が使えないからおまえにやるよ。ほら、早く詠唱してみな。」
「う、うん。」
 召喚具自体の数が少ないため、召喚師はいても呼び出すものは少なかった。スペルマスターの称号を持つあかねは召喚術も覚えていた。
「天地を駆ける聖なる者よ、今我らの前に姿を現しその輝きたる力を見せよ。ユニサス!」
 腕輪をつけたあかねが指で魔法陣を眼前で描く。何もない筈の所に、あかねの指通りの魔法陣が出来上がり光を放つ。あかねが詠唱を終え、名を呼んだ瞬間!空から眩い光が降り立ち、1匹の馬があかねの前に姿を見せた。その馬は頭部に角があり、大きな羽を生やしていた。一角獣(ユニコーン)とペガサスの混合体である。
「すごい!綺麗!」
 あかねはユニサスを見てはしゃいでいた。
「この子に乗っていくの?」
「ああ、俺もユニサスを見るのは初めてだな。だけどこいつならすぐにウキョーの森までいけるぜ。」
 乱馬とあかねはユニサスを手に入れた。移動手段を見つけ、早速二人はユニサスに乗った。ユニサスは一声鳴いて空に飛び立った。
「ねえねえ、この子に名前をつけない?」
 乱馬の後ろに乗ったあかねは提案をしてきた。
「名前なんてユニサスで十分じゃねぇか。」
「だーめ。ユニサスっていうのは神獣の種類でしょ。だったら名前を考えなきゃ!」
 あかねは変なところで意地を張る。乱馬は呆れてあかねの好きなようにさせた。
「んーと、じゃ〜ね〜、Pちゃん!」
『ズルッ』
 乱馬は危うくユニサスから落ちそうになった。当然乱馬につかまっているあかねも落ちそうになった。神獣であるユニサスにそんな名前をつけるとは思わなかったのである。
「なんで、Pちゃんなんだ?」
「ペガサスのPちゃん。ユニコーンのUちゃんでもよかったけど、こっちの方がなんかしっくりくるでしょ。」
 そんなわけでユニサスの名前はPちゃんに決定したのであった。


−−−ネリマール大陸西方・ウキョーの森−−−

「やっと、着いたな。しかしもう暗くなってきたからそろそろ野宿のしたくでも・・・」
 乱馬が言葉を言い終える前に、鋭い視線を感じた。
「私はどうすんのよ!」
 あかねが乱馬を睨んでいた。宿ではベッドが別々だった為、それなりに距離はあった。しかしいざ野宿となるとそうはいかない。
「あ、安心しろよ。おめぇみたいなじゃじゃ馬に手なんかださねぇからよ!」
「そ、そう。まあどうせあんたなんか怖くないけどね。」
 あきらかに動揺している2人、喧嘩腰にはなっているが互いにギクシャクしている。
(どうしよう、一応結界を張れば問題ないんだけど、一晩中となるとMPが無くなっちゃうのよね。)
(やべー、寝る時の事考えてなかったぜ。ユニサスは天界に還しちまったし、かといってこいつ独りにする訳にはいかねーし・・・)
((う〜〜〜〜ん・・・・))
 2人ともそれぞれ別の考えで悩んでいるのだがいつまでも悩んでいる訳にはいかない。
「仕方ねえ!」
 乱馬は金属製のボトルを取り出し、頭から水をかぶった。その途端、乱馬の体は縮み、鎧はブカブカに感じられた。
「あかねは先に寝てろ。俺は火の番をしてるから。」
「らんま・・・」
 あかねには乱馬が何故水をかぶったのかがわかった。自分を少しでも安心させようとし、さらに危険がないように火の番をしてくれるというのだ。
「ありがとう、らんま。」
 少し照れながらも素直にお礼をいうあかね。
(へ〜、結構素直じゃねぇか。)
 森の中は静まり返り、物音一つない静寂に包まれていた。あかねは既に眠っていて、らんまは火の番をしながらあかねの寝顔を見ていた。


 3時間は経過したころであろうか。
『ドサッ!!』
 あかねは不審な物音と体にかかる重みを感じて目を覚ました。そして目の前の出来事に驚いた。
 らんまがあかねを覆うように寝ているあかねの上に倒れ込んできたのである。
「ちょっ、ちょっとらんま!!なにやって・・・」
 恥ずかしさのあまりらんまを突き飛ばそうとしたあかねは異変に気が付いた。らんまの顔が青く、息が乱れているのである。
「らんま!?どうしたのよ!」
 起き上がったあかねはらんまの倒れているすぐ傍にモンスターが倒されていることに気付いた。毒を持つバブルスライムである。あかねはすぐにどういう訳かわかった。
「もしかしてらんま、私の身替わりに?」
 涙目になって必死になってらんまに呼び掛けるあかね。それに応えるようにらんまが目を開いた。
「よう、何泣いてんだよ。」
「らんま!よかった。まってて、すぐに解毒の呪文を唱えるから!」
 あかねは杖を取り出した。
「ああ、頼むぜ。毒自体はそんなに強い物じゃないらしいがどんどん体力を奪われてくみたいだ。」
 レベルの低いモンスターだったらしく、らんまは猛毒を受けずにすんだ。さらに日頃鍛えているらんまだからこそ、今、こうして話もできるのであった。
「アンチドード!」
 あかねが呪文を終え、らんまに杖を振った。しかし毒は消えず、逆にらんまはマヒした。
「あれっ?おっかしいな〜。もう一回やるね。」
「アンチドート!」
 また詠唱を終えたあかねがらんまに杖を振る。するとらんまの体が赤く光り、どんどん体力が削り取られていく。そして逆にあかねの体が青く光り、みるみる元気になっていく。
「それは・・・エナジードレイン・・・だろうが!」
 毒とマヒを受けた状態でらんまが頑張って口を開く。
「もう・・・いいから・・毒消し草と・・・マヒ治しを・・・」
 もはやらんまの体力は危険だった。常人なら瀕死であろう。あかねは荷物から薬草を取り出し、取りあえず体力回復をさせようとした。しかし、それは敵に使う毒草であった為、らんまはさらにヤバい状態になった。
(俺、もう死ぬかも・・・)
 らんまが死を覚悟した時だった。
「リカバー!」
 やや低い声が聞こえたと共に、らんまの体を光が包み、毒とマヒの状態を消していく。
「あれ、体が自由になった。でも一体誰が・・・」
 らんまが声のした方向を見ると、自分の身長の三倍はあろうかという杖を持った背の低い老婆がいた。
「あんた、もしかして大魔道士コロンか?」
 この人気のない森の中、さらにはこんなことが瞬時にできるのはコロンしかいない。そう直感的に悟ったらんまは老婆に対して尋ねた。
「いかにもそうじゃ。それよりそこの娘!ぼーっとしとらんでこの小僧に回復呪文でもかけてやれ。」
「は、はい!」
 あかねは急いで回復呪文をらんまにかけた。
「キュア!」
 ヒールよりも回復力の高い呪文をらんまにかける。らんまに力がみなぎり、元のように元気になった。
「ふう、一時はどうなることかと思ったぜ。」
 らんまが体の自由を確かめながら言った。たしかに毒一つだったら毒消し草でなんとかすぐに治せたのだが、それに加えてマヒ、体力の消費、さらにまた毒といった度重なる不幸の連続でらんまも参っていた。
(まさか仲間に殺されそうになるとは・・・・)
 血の気が引いていくらんま、さすがに毒で死ぬ者は滅多にいない。ましてや法術師がいて死ぬということは0パーセントに近い。
「ごめんなさい、ごめんなさい。」
 泣きながららんまに謝るあかね。本人が一生懸命治療しようとしたことは事実なのだかららんまとしても怒る気になれない。
「気にすんなって。それにこうしてコロンの婆さんに会えたんだから災い転じて福となすってやつだ。更に言えばあかねの回復呪文で以前より元気が出たみたいだぜ。」
 らんまの必死の慰めにより、ようやくあかねも泣き止んだところでコロンへと本題に入った。
「なるほどのー、御主達が八宝斉を倒そうと・・・」
「ああ、だから4つのアイテムの場所を教えてくれ。」
 らんまの頼みにコロンはしばらく黙っていたが少し間をおいて口を出した。
「無理じゃな。」
「なにっ!?」「どうして!?」
「御主等では八宝斉に勝てんからじゃ。特に小僧。御主の身体、本当の姿ではあるまい。なにか呪いをかけられておるな。」
「わかるのか?」
 自分の体質の事は知らないはずのコロンがらんまの体質を見抜いたことに2人は驚いた。
「それに娘!御主、紋章術を知っておるというだけでまったく使いこなせておらんではないか!」
「は、はいっ!すみません。」
「だけど、それだけで八宝斉に勝てないとはどういうことだ。やってみなくちゃわかんねーじゃねぇか!」
 らんまは先ほどのコロンの言葉がすこし気に障ったようである。
「いーや、御主等では勝てんよ。確かに2人ともそこらの人間と違って良い素質を持っておる。じゃがそれも自分の力にできないのは未熟故。じゃが条件次第では助けてやらんでもないぞ。」
 無気味な程に笑うコロン。かと思えば杖を空に振り上げ、光の玉を打ち出す。その光は暗い森の中、美しい程に輝いていた。
「条件ってなんだよ。」
 らんまは面白くないといった様子だがコロンにアイテムの場所を教えてもらわねばこれから先どうする事も出来ないので、条件をのむ事にした。
「簡単な事じゃ。今、わしの合図でもう2人別の男が来る。小僧、御主はそやつと共に、そして娘はわしと共に修行をするのじゃ。なに、期間は一ヶ月じゃ。御主等ならそれだけでかなり強くなるじゃろうて。」
 コロンが話し終えるや否や、もう一人の小柄な老人がやってきた。
「こやつは楽京斉。わしを含め、八宝斉と共に修行した仲間の一人じゃ。」
 コロンの話にらんまとあかねは驚きを隠せなかった。
「わしと八宝斉は『ハッピー』、『ラッキー』と呼び合う仲じゃった。じゃがあやつはわしらと別の道を選んだようじゃ。」
「楽京斉ってまさか初代剣煌のあの楽京斉?」
 らんまの質問に楽京斉は自慢気に答える。
「いかにも。そしてコロンと珍玄斉は初代スペルマスター、そしてハッピーが初代拳聖じゃった。」
 意外な事実。魔術と法術を扱える人間は世界に1人いるかいないかというほどであった為、コロンの名はかなり有名であった。特殊な筆剣を使う楽京斉も有名であった。が、初代拳聖の名だけはどういう訳か知られてはいなかった。その理由は八宝斉であったからだとらんまとあかねは気付いた。
 そして2人目の老人がどこからかやってきた。どうやら気配を消してずっとここに潜んでいたらしい。
「わしが珍玄斉じゃ。魔術のスペルマスターじゃ。八宝斉とは『八ちゃん』、『珍ちゃん』と呼び合っておった。」
 大陸最強の称号を持つ4人のパーティー、それにかなうものは恐らく一人としていなかったであろう。
「さて、今日はもう遅い。明日の朝から早速修行開始じゃ。」


−−−早朝−−−

「こら、起きんか!」
 コロンに杖で叩かれ起こされる乱馬。火の番をしていた時間と合わせるとほとんど寝ていない。
「なんだよ、もう朝かよ。」
 眠そうに身体を起こした乱馬は大きく伸びをして言った。
「あかねはとっくに起きて飯を作っておるぞ。」
「へ〜、あいつが飯ね。」
 乱馬とコロンは家に向かった。隠れ家の為、少々小さいが生活するにはいろいろと役立っているらしい。
「おはよう!もうすぐでできるわよ。」
 あかねが鍋を抱えて乱馬に言った。
「何作ってんだ?」
 鍋から湯気をたてているその料理を乱馬が気になったらしい。
「なんでも『オコの実』を使った料理らしいぞ。」
 今まで調理の様子を見ていた楽京斉が横から口をはさんだ。
「へ〜、オコの実っていったらここ、ウキョーの森でしか採れない果実じゃねぇか。焼くとうまいんだよな。俺はイカと一緒に焼いたイカ玉が好きなんだよな。にしてもあいつ、オコの実の調理方法他に知ってんのか?」
「まあ、若い女じゃから料理は簡単にできるじゃろ。」
 楽京斉と珍玄斉とコロンは今までは獣や植物だけで生活していたらしい。なので料理されたものは昔以来食べていないのだ。
「はい、お待ちどうさま。」
 あかねが鍋を置き、木で作った器に盛り付ける。
「へへっ、いっただっきまーす。」
 乱馬の声と共に楽京斉と珍玄斉とコロンが食べ出す。その瞬間!
「「「!!!!!!!」」」
 あかねを除く全員は毒を受けた。
「どう?おいしい?初めて作ったけど自信はあるわよ〜・」
 無邪気に笑うあかね。どうやら目の前の4人の苦しみは見えていないようである。
「ば、婆さん!はやくアンチドートを・・・」
「わしも・・・」
 乱馬達が苦しみを訴える。この状況を救えるのはコロンしかいないであろう。
「わ、わかっておる。い、癒しの光を持ちて、我らが受けし毒を浄化せよ。アンチドート!」
 もがき苦しみながら必死で詠唱するコロン。あと少し遅ければ危ないところであった。なにせ昨夜のバブルスライムでさえこの料理にかなう事はないという位だからである。結局、オコの実をそのまま食べる事になった5人であった。
「おっかしいな〜。うまく出来たと思ったんだけどな。」
 食事を終えたあともまだ悩んでいるあかね。自分ではおいしいように作ったらしい。
「では、早速修行に入る。気を抜けば死ぬかもしれん。心して励むように!」
 本来ならば基礎から教えるつもりだった3人の老人であったが、乱馬とあかねの称号を聞き、実戦で教える事にしたのであった。


「さて、まずおまえの武器を見せてみろ。」
 楽京斉が乱馬に言った。
「ほらよ。」
「ほほう、神剣『飛竜』と神盾『猛虎』じゃな。」
 刀身のない剣をまじまじと見ながら楽京斉は納得したように言った。
「爺さん、この武器の事知ってんのか?」
「いかにも。元はといえばこれはわしのものじゃ。いや、正しくはわしが造ったと言うべきじゃな。」
「なにっ!じゃあ、神具を造った伝説の錬金術師のブラックスミスはあんただったのか!」
「わしにはもう一つこの雷神猛筆剣があるからの、そっちの武器は早乙女王国に寄贈したんじゃ。」
 楽京斉はそう言って背中から筆の形の剣を取り出した。この剣も神具らしい。
「どれ、使い方はわかるじゃろう。刀身を出して見せよ。」
「ああ、言われなくてもやってやるぜ!」
 乱馬が剣を構えて力を込める。盾は腕に直接つけるタイプなので両手で剣を構える事ができる。しばらくすると剣が光を帯び、龍の口から光が出てきてその光が刀身になった。
「どうでい!」
「ふむ、まあまあじゃの。若い者にしてはよく鍛えてある。まあ、剣煌と呼ばれるからにはそれくらいでないとな。」
 今度は楽京斉が筆剣を構えて力を込めた。
「じゃが、まだまだじゃの。」
 乱馬に向かってそう言った瞬間、楽京斉の筆剣の周りに光が溢れた。その大きさは乱馬の刀身の5倍はあった。
「なっ!・・・・」
 乱馬は驚きのあまり言葉が続かなかった。
「年はとったが初代剣煌としてまだまだ若い者には負けんよ。では乱馬よ、行くぞ!」
 楽京斉の攻撃!
「ニカワ緊縛墨!」
 楽京斉の振った剣から墨が出て乱馬を動けなくした。
「くそ!動けねぇ。」
「円陣火炎墨!」
「どわっ、あちちち。」
「小筆爆裂弾!」
 息もつかさぬ楽京斉の連続攻撃に乱馬はなす術なくやられている。さすがに爆発を受けてダウンしたがそれで終わる訳はない。
「脳天筆打ち。」
 乱馬は力尽きた。が、すぐに立ち直った。
「くそー、今度はこっちの番だ!乱馬が剣を振りかぶり、楽京斉に向かって斬りつける。しかし難無く受ける楽京斉。古来の武器で言うなれば、日本刀で斬馬刀に立ち向かうようである。つまり無謀である。
「御主はわしに勝てん。実力が全て出し切れんせいでその刀身もか細いのじゃ。せっかくの神剣が何にも生かせておらん。まずは御主の気をうまく制御できるようにせんとな。まずはMPの最大値を上げる事じゃ。」

 一方あかねでは・・・
「御主は類い稀なる力を持っておる。魔術と法術、双方の力を使えるものはおまえ意外にはおらんであろう。じゃが、双方の力が使えるが故、MPをうまく使えておらん。その使い方をまずはマスターするのじ
ゃ。」
コロンがあかねに言う。穏やかなようで凄みのある言葉にあかねはただ頷くだけであった。
「まずはわしが法術を教えよう。法術の極意とは、味方への補助で仲間の力を一時的に強くする事、そして味方の治療、回復が基本じゃ。魔術は逆に敵への付加攻撃で敵を弱らせる事、そして敵への属性攻撃が基本じゃ。まあ、魔術の事は珍玄斉にまかせるとしようかの。」
 コロンは杖を振り上げて言った。
「御主は回復系統はまあまあじゃが、治療系統の呪文が苦手のようじゃ。まずは一通り治療系の呪文をとことん修行してもらうぞ。」

 乱馬、あかねの前途多難の修行が始まった。邪悪の塊八宝斉に打ち勝つにはまだまだ修行が必要である。



つづく




作者さまより

『お好み焼き』と『オコの実』、ちょっと苦しかったかもしれないです。ペガサスのPちゃんも苦笑ですね。
この話で出る珍玄斉、これはアニメ版のオリジナルですがどうせなら使ってしまおうと思い、登場させました。
大学受験が近付いている高校3年の私ですが、全く勉強に手が付かずに小説のアイディアばかりが浮かんできます。親に勉強としつこく言われますが、『俺の乱馬に対する熱い情熱は勉強ごときでは揺るがないぜ。』と言ってマジでグーで殴られました。やはり勉強も大切だと思います。が、受験中でも書き続けます。

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