◇武士道と修羅道
武蔵さま作



其之参 『目的』


「では、今から無制限一本勝負を始める」
 クリスが天道家に来た翌日、クリスの実力を知るべく、乱馬とクリスは手合わせをすることになった。
「乱馬、クリス君は武道経験が全くないそうだから手加減する事を忘れるでないぞ!」
「へっ、言われなくても本気でなんかやらねーよ」

「始めぇ!」

 早雲の開始の合図とともに飛び出したのは、クリスであった。
「おっ」
 意表を衝かれた乱馬にクリスは大きく振りかぶって拳を突き出した。
「てえぇ〜〜〜い!」
 その拳ははるかに遅く、へろへろ〜〜といった感じに乱馬に放たれていった。

スカッ

 当然のことながら難なく躱(かわ)す乱馬。
(攻撃の方は全くダメだな。次は防御の方を見てみるか)
 避けた動作から瞬時に腹部へ手加減された一撃を加える。

 ドスッ

 気持ちのいいほどすんなり入った攻撃に乱馬は驚いた。防御するわけでもなく、身を捻(ひね)るわけでもなく、ただマトモに喰らったのだ。

「げふぅ!」

 体をくの字に曲げながらクリスは息を漏らした。
「ふっ、き…効かねぇな、そんなパンチ…」
 フラフラと足をふら付かせながらクリスは挑発するように言った。
(め、めちゃめちゃ効いてる〜〜〜!!)
 その場にいる誰もが思った。しかし、もしかしたら次は大丈夫かもしれないと思った乱馬はもう1撃攻撃を放った。
(この速度なら避けるなり受けるなりできるだろう)
 先ほどよりもゆっくりとした攻撃を放つ。

 ドスッ

(あれ?)
 またしてもクリスはすんなりと攻撃を受け入れることになった。
「き…効ねかなぁ…パんなそンチ…」
 もはや言葉すら満足に発せなくなってしまったクリス。たった二撃でこうも弱ってしまうクリスに乱馬は呆れてしまった。
「悪いことは言わねぇ。修行するなら他当たんな。おめー、武道に全く向いてねーよ」
「む!」
 乱馬の言葉が気に障ったのか、クリスは体制を立て直し乱馬を見て言った。
「まだオレは本気を出していナイ!」
「ほぉ〜、なら本気を出してみやがれ!」
 乱馬が最後の攻撃と言わんばかりに間合いを一気につめて攻撃した。

 スカッ

 乱馬の渾身の一撃は空を切った。
「何ぃ!俺の攻撃を避けた!?」
 さっきまですんなり入った攻撃が当たらなかったことに乱馬は驚愕した。しかし・・・
「乱馬、下……」
 あかねの言葉に言われるまま下を見てみると―――
「イタタタ」
 クリスがこけていた。どうも先ほどの攻撃で足にきていたのが弾みで倒れてしまったらしい。
 ほんの少し安堵する乱馬。そこで早雲の静止が入った。
「ふむ、この勝負、判定するまでもないな。クリス君、やはり君にこの武術は無理だ。だから―――」
 諦めろ。そう言おうとした早雲にクリスは言葉を制した。
「待ってクレ。ならばここで住み込みさせてくれ。まだ弟子と認めてくれなくても、戦い方を見ていたい。モチロン手伝いはする。宿泊費や必要経費は全額オレが負担する!だから―――」
 そのクリスの言葉に目を輝かせた者が数人いた。
「最近九能ちゃんからの資金も減ったし……これはいいきっかけね」
「ふむ、居候として肩身が狭かったが、これで当分は食に困らぬ」
「むぅ、道場の修繕費……」
 腹黒い考えを浮かべる数人。あかねは早雲に提案した。
「早乙女のおじさまだけを頼りにわざわざ日本まで来てくれたんだから、他に頼る人もいないんだし、お父さん、住み込みの件認めてあげたら?」
「よし!クリス君の住み込みを認めよう!」
 日の丸扇子を両手に、天晴れ音頭をする早雲。あかねの説得のためか、はたまた資金に欲を掻き立てられたかは定かではないが、クリスの天道家への住み込みはあっさり決まった。




 クリスが住み込みを始めて一週間が経った。八宝斉が暫く出かけていたのでクリスはその部屋を利用した。無論その部屋にあった大量の下着などは全部処分してからだ。
 クリスの働きぶりはとても良く、天道家の人々も信頼感を寄せていった……乱馬以外は……
そう、乱馬だけはクリスに好い顔を見せなかった。それはここの所連日で見る夢にも影響しているのだろうか、自分によく似た顔に不快感があるのか、日が経つにつれてその感情は大きくなっていった。


 ここ数日、目に見えてわかる乱馬のクリスに対する態度で、クリスもなんとかコミュニケーションをとろうと乱馬に話しかけるものの、乱馬は冷たい態度でそれを拒んだのだ。クリスが何をしたわけでもないのに、そんな態度をとり続ける乱馬にあかねは腹を立てて自分の部屋に乱馬を呼び出した。
「ちょっと、乱馬!あんたいつまでクリスさんにそんな態度続けるつもりなのよ!?クリスさん、あんたとなんとか接しようと色々話しかけたりしてるじゃない」
 あかねの部屋で乱馬はあかねに責められながらも黙って言葉を聴いていた。
「あんた、クリスさんを少しは信用したらどうなのよ?」
 あかねの言葉に黙っていた乱馬は口を開いた。
「信用?できるわけねーだろ!あいつの行動全てが怪しいんだからな!」
「ど、どういうことよ?」
 乱馬の確信にも似た自信に満ちた言葉にあかねは疑問を抱いた。
「あいつの歩き方、注意してみたことあるか?」
「え?」
 いきなり歩き方といわれても、他人の歩き方を注意深く見ている人などあまりいないだろう。そんな事と乱馬の態度がどう関係するのかあかねにはサッパリわからなかった。
「……摺り足で移動する事がある。武術が素人なんてウソだぜ。」
 乱馬の言葉にハッとするあかね。この一週間で確かに最初の手合わせとは似つかない動きを見せたことがあるからだ。それは買い物中に車に撥ねられそうになった子供を助けたりした際にとても素人とは思えない動きを見せた事があった。本人は『火事場のバカ力』と言っていたので深く追求しなかったのだ。
「それに、八宝斉のじじいの部屋でなにやら書物を漁ってたり、親父に『氣』を多彩に使った技を尋ねたり―――怪しいことばかりなんだよ、あいつは……」

 カタッ

 廊下で物音がした。
「誰だっ!?」
 声を荒げて乱馬が扉を開くと、そこには今話していたクリスの姿があった。
「おめー……」
 クリスは見つかってお手上げとばかりに大げさに両手を上に上げた。
「マサカそこまで見抜かれてたとはね。オレとしては注意してたつもりなんだが」
「はっ、立ち聞きとは趣味が悪い真似すんじゃねーか。」
「No,No!立ち聞きするつもりなんかなかったさ。アカネに会いに来たらランマの話し声が聞こえてきたってわけサ」
「結局聞いてりゃどっちでも同じだぜ。で、おめーの目的はなんだ!?」
 目的がハッキリしないクリスに乱馬は警戒心を緩めずに尋ねた。
「その問いには明日答えるよ。明日の正午、道場でオレと手合わせして欲しい。どうもこのままじゃ手掛かりはつかめそうにないかラナ……」
 『手掛かり』という言葉に引っかかるものを感じた乱馬だが、明日全てがわかるということに深くは追求しなかった。

「あ、そうそう」
 一度部屋から出掛かったクリスは足を止め、乱馬の方を振り向いて言った。
「明日は一週間前みたいに演技はしない。本気で行くからな」
 その言葉はいつものように片言の日本語ではなく流暢にそれでいて自信にあふれた重みのある言葉だった。




―――道場―――

 道場にて、クリスはウソをついていた事を天道家のみんなに謝罪した。しかし目的の事についてはまだ明かそうとはしなかった。
「オレが勝ったらミスター・ゲンマ・サオトメ、オレが知りたい問いに全て答えてくれるか?それがランマの知りたがってるオレの目的だ」
 突然名指しされた玄馬は驚いたがすぐに了承した。
「わしの知っていることでよければ答えよう」
「それはウソ偽りなしと誓ってもらえるか?」
 真剣な眼差しでクリスは玄馬を見据える。玄馬は一瞬考えたが再び首を縦に振った。
「ジャパンの武道家には二言はないと言う。これでオレも本気で闘える!」
「別に親父に聞きたいことがあるならすぐにでも聞けばいいじゃねーか。隠し事できるほど親父は器用じゃねーぜ」
 わざわざ誓約まで立てたクリスに疑問を抱いた乱馬は準備運動をしながらクリスに言った。その態度からは余裕さえ伺える。
 ここ数日の乱馬の不調は相変わらずだが、さすがにクリスに負けることはないと言う自信からきていた。
「オレが尋ねてもはぐらかされたらそれでジ・エンドさ。ならば最も確実な方法で聞き出すのが手っ取り早いってことさ」
 クリスも準備運動をしながら答える。すでに戦いの準備は整った。互いに直立不動の状態で睨み合うように牽制した。

「始めぇ!」

 早雲の開始の合図が道場に響いた。瞬時に飛び出したのは乱馬。まずは小手調べといったところだ。空を切り裂く音のあとに拳がクリスの腹部目掛けて繰り出された。
「おっと!」
 半身を反らして躱すクリス。その動きから乱馬は確信した。
「やっぱりこの間のはわざと喰らったってわけか」
 するとクリスは苦笑しながら言った。
「まあな。武術に全く才能がないフリをして上手く取り入ろうとしたんだがな」
 その目論見も乱馬に見破られてしまってはどうしようもなかった。
 続いてクリスの攻撃。
 上体を捻りながら右足を高く上げ乱馬の頭目掛けて繰り出される蹴り。乱馬は左手でそれを受けると、そのまま一歩大きく踏み込み、余った右手で正拳突きをした。
体制の崩れたクリスにこれは極まったと思った乱馬。しかし、次の瞬間、クリスは軸足を蹴り上げて乱馬の側頭部に蹴りを放った。
「がはっ!」
 思わぬ攻撃に防御や回避もできずに乱馬は数メートル後方に飛ばされた。
「……普通の正拳突きとはな。そろそろ本気を出したらドウダ?」
「なにぃ!」
 クリスはどこか意図を含んだ物言いでそう言ったが、乱馬には挑発されてるように捉えた。
「もったいぶらずそろそろ奥の手を出したらドウダと言ってるんダ」
 乱馬はキッとクリスを睨み上げるとそのまま体勢を立て直した。
「だったら見せてやるぜ!かかってきな!」
 乱馬の言葉にクリスは笑みを浮かべた。そしてあたかも挑発に乗ってやるとばかりに連続技をしかけながら攻め入ってきた。
(……あと3歩……2……1……!)
「かかったな!これでも喰らえ!」
円を描くように乱馬は螺旋のステップを刻み、クリスを円の中心に誘い込んだ。そして右手でとどめの1撃を振り上げた。しかし―――
「……そのアッパーがどうしたんだ?」
 竜巻はおろか、微風すら起こらなかった。
「な、なんで……」
 気が扱えなくなっていた乱馬は唯一のカウンター技である飛竜昇天破の源である『冷気』すら出せなくなっていたのだ。
「……それが奥の手なのか?だとするとミスター・ゲンマ・サオトメはランマに伝えてないのか……?しかし一子相伝の武術のはず―――」
 独り言のようにクリスは呟く。乱馬はこれを好機とばかりに火中天津甘栗拳をクリスに向かって放った。
 ハッとクリスが気付いたときには無数の拳が飛んできた。クリスは防御に移るものの、数発被弾した。
「スピードは落ちてねー・・・・これなら!」
 クリスの防御の構えが戻る前に乱馬は渾身の一撃を放った。クリスも瞬時に攻撃に転じたが、クリスが振りかぶるころ、乱馬の腕は直進するのみとなっていた。
 かすみ、なびき、のどかを除く武術をやっている者の目には明らかに乱馬の攻撃動作の方が速かった。しかし、次の瞬間、吹き飛ばされていたのは乱馬であった。

「「「なっ!!」」」

 早雲、玄馬、あかねが声を揃えて驚く。乱馬に至っては何が起きたのかさえ知覚できずにいた。しかし頬に残る重い一撃がクリスの攻撃が乱馬よりも早く届いていたことを実感させた。
(一体……何が……)
 混乱する乱馬。しかしクリスに攻めてくる気配はなかった。クリスはただ黙って玄馬の方を向いていた。
「ま、まさか……」
 明らかに何かに動揺している玄馬。乱馬はその状況が気になったが今は目の前の相手に集中しなければならない。辛うじて体勢を立て直した。
「も、もう一度だ!」
 再び乱馬の素早い一撃がクリスに向かって放たれる。しかし、やはり次の瞬間倒されているのは自分であった。
「はぁっ、はぁっ……」
 体の芯にまで響く一撃は確実に乱馬の体力を奪い取った。しかし、乱馬は敗北を認めなかった。
「タフガイだな。これも勝負。次の一撃で終わらせてやるよ」
 クリスはそういうと右手を腰に当て、その状態から大きな動作で突きを繰り出した。今までのモーションに比べると格段に遅い1撃。手加減されていると乱馬は思った。
(へっ、その考えが命取りだ。この攻撃を受けてカウンターで反撃してやるぜ!)
 乱馬のその考えを悟ったのか、傍観していた玄馬が突然大声で叫んだ。

「イカン!乱馬、受けてはならん!」

 玄馬に目線が行くも、すでに攻撃は乱馬に届いていた。乱馬の防御した手にクリスの拳が触れた瞬間、それは起きた。

 ボンッ!

 クリスの拳に炎が群がり、乱馬の防御した腕を初めとし一気に体に燃え広がった。
「うわぁ〜〜〜!!」
 炎が爆発したように乱馬の体は炎に包まれた。道場の床を転げ回る乱馬。慌てて早雲達が止めに入った。

 ブスブスブス

 衣服などを叩くようにしてその炎は鎮火されたが、乱馬の意識はなかった。
「君は―――」
 玄馬が真剣な顔つきでクリスを見据えた。
「オレの本名はクリストファー・バーン・サオトメ。あなたとは親戚にあたるのサ」
「「なっ!?」」
 その場にいた全員が驚かされた。そのままクリスは言葉を続ける。
「オレの母はジャパニーズ。当然その両親、オレの祖父母も日本人。その祖父があなたの叔父に当たるのさ。顔立ちがランマに似ているのは恐らく、祖母がミセス・ノドカ・サオトメ、あなたの叔母であるからダ」
「「!!」」
 またしても驚きが続く。早乙女性を名乗る上、乱馬との顔立ちが似ていたのは玄馬、のどか、双方の家計の血が流れているというから当然だ。
「あなた達は知らなかっただろうが、あなた達は夫婦になる前から繋がりがあったのさ。オレも調べていて驚かされたヨ」
 クリスの説明によると、玄馬とのどかが出会う前に、彼らの叔父叔母それぞれが異国の地で夫婦の仲になっていた。血の繋がりはないにしろ、その時点で玄馬とのどかには繋がりがあった。無論法的には問題なく結婚できるのだが、こうした事実関係があったことに二人は驚きを隠せなかった。

「オレの目的はただ一つ、『天之書』を渡して欲しい。ここの門下生になればその片鱗は見えるかと思ったが、アナタもランマも技を何も使わない。ならばこういった手段に頼るしかなくなったが……約束だ、ミスター・ゲンマ・サオトメ。『天之書』はどこにある?」
 青ざめる玄馬。それは明らかにクリスの示すものを知っていることを表していた。
「……その書物はここにはない」
「ならばアナタが全てを教えてくれ。知っているのだろう?」
「いや、わしは―――」
 問答を続ける二人。その二人以外は何のことやら理解していない様子だった。注目が玄馬とクリスに注がれていた皆は、倒れている乱馬に注意がいかなかった。



「……ここは……?」
 何もない空間に乱馬は漂っていた。そこには地面も光も何もなかった。現実ではない、それは理解できた。しかし夢とも違うその異様な空間に乱馬は戸惑いながら彷徨っていた。
「よう……来たな」
 遠くから声が聞こえた。大きな声ではなかったのに、その声は乱馬の耳に響き渡った。
「だ、誰だ!?」
 乱馬の呼びかけに、暗闇から一人の男が姿を現した。
「最初の質問に答えてやるよ。ここはおまえの意識下の世界。誰も介入することができない俺たちだけの世界だ」
 男は段々と乱馬に近づきながら答えた。
「俺の意識下の世界……?じゃあなんでおまえは……」
 誰も介入できないはずの世界、それなのに乱馬以外の別の人間が今こうして対話をしている。矛盾を感じた乱馬の問いかけを遮るように男は答えた。
「俺か?よ〜く見ろよ、俺は―――おまえだ!」
「……おまえは……俺!?」
 鸚鵡(おうむ)返しに乱馬が尋ねるころ、男は乱馬の目の前までやってきていた。その姿は鏡を見ているかのようにそっくりな乱馬の姿があった。ただ一部分、瞳の色を除いては……
 その瞳の色は燃える様な緋色をしていた。その瞳で男は乱馬に言った。
「無様だな」
 その言葉に乱馬はカチンと来た。聞きたいことはまだたくさんあったが今の一言は乱馬の怒りを引き起こすには十分だった。
「てめぇ……俺が無様だと?」
「ああ、そうさ。あんなやつに手も足も出ないでやられちまうなんてな」
「俺が……やられた?」
 乱馬は疑問に思って先ほどの闘いを思い出した。そして最後の一撃を受けた後の記憶がさっぱりないことに気がつく。
「おまえがここにいるってことは現実じゃおまえは気絶してんだよ。つまりおまえは負けたのさ」
 自分の姿で容赦なく乱馬を詰るその男に乱馬はなんとか反論しようとした。
「力が出ねーんだ!『氣』が使えればあんなやつ……」
『負けた』ということに悔しさがあるのだろう。普段はいいわけすることがどんなに情けないことかわかっている乱馬もそう言わずにはいられなかった。
「……俺の手をとりな。」
「え……?」
 男が乱馬の目の前に手を差し出す。
「『氣』が使えなくとも、俺が力の使い方を見せてやる」
 男は乱馬の目を見た。その赤い瞳は自信に満ち溢れていた。
「おまえは一体―――」
「俺のことはどうでもいいさ。おまえが望むまいとまた会うことになる。それよりも今が大事なんじゃねーのか?このまま負けたままでいいのか?」
『負けたくない』その気持ちが乱馬に決心させた。乱馬は男の手に自分の手を重ねた。
「それでいい。最初は制御できないからな。おまえは見ているだけでいい。さあ、目覚めるぞ!」
 男の言葉にあわせ、今までいた空間が崩れていった。それにつられ、乱馬の意識は徐々に遠のいていった。


つづく





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