Happy Xmas
Kobayashiさま作


 2000年のカレンダーも残すところ一週間をきった。日めくりのカレンダーならばあと数枚といったところだろうか。
今年は「20世紀最後の……」というフレーズも多方面で耳にすることができた。
そして、年に一度きりしかないとても大切な日がやってくる。
そう、クリスマスなのである。
子供達はサンタクロースからのプレゼントを信じ、恋人達はゆるぎない愛を誓う。
また、仲の良い友人や大切な家族とパーティーをして、互いの絆を深める。
世界中の誰もが、心を躍動させるであろう日。それがクリスマスなのだ。
 12月23日、クリスマス前日。
乱馬とあかねはそれぞれ冬休みを思い思いに過ごしていた。
今は、二人で冬休みの課題をやっている。量は夏休みとくらべてぐっと少なかった。
あかねが「年内にさっさと片付けてしまって、お正月はゆっくりしよう」と提言したからである。日韓戦(20日)の翌日から集中的にやりはじめたので、きのうまでに大部分の宿題が片付いていた。そして午前中、お昼近くなって二人は出された課題をすべてこなしたのである。
「ああー、こんなに早く終わるだなんてなあ。」と乱馬が嬉々としていった。
「あたしの言った通りでしょ。先にやってしまえば、あとが楽なのよ」とあかね。
「よーし、あとは思いっきり遊べるなあ」「そうね」と二人は顔を見合わせて笑った。
なびきも二階の自室から降りてきた。3年生は受験勉強を優先させるので、課題は課されてはいない。
 「コーヒー飲む?」とかすみがコーヒーカップを4つ持ってきた。
香ばしい香りが居間にただよった。砂糖とミルクを入れて飲む。(なびきは砂糖ぬき)
外に目をやれば、曇り空。おととい、きのうは久しぶりの雨が降った。
ここのところ雨が少なかったから、まとめて降ったという感じだった。
だから一日中外出できなかった。そのせいかどうか、課題が一気に片付いた。
外出できない憂鬱さもあっただろうが、課題が早くに片付いたという嬉しさもあっただろう。気持ちは半々だろうか、いや課題が片付いてしまった嬉しさが圧倒的にある。
「さてさて、お昼の支度をしましょうね」とかすみは台所に立った。
なびきは雑誌でも読もうかしら、と言って自室へと戻った。
あとに残された二人は居間でテレビを見ていた。
そうしていたら、かすみが「あかね、乱馬くん。ちょっと手伝ってくれないかしら。お皿とか出して欲しいんだけど」と声がかかったので、二人もかすみとともに台所に立った。
お昼の支度がととのい、道場で手合わせをしていた早雲と玄馬が戻ってきた。
そして、昼食がはじまった。美味しそうな料理と楽しい会話とともに。
 昼食後は、それぞれ思い思いに過ごすことにした。
課題は済んだから、もう何を言われてもいい。だからといって羽目をはずしてはいけない。
そこのあたりは二人とも理解している。
「クリスマス・キャロル」は読み終わった(クリスマス前に読み終わるというのもなんとなく変な感じだが)。なにか新しい本が欲しいなあと思っていたあかねは乱馬に声をかけた。
「ねえ、乱馬。午後はなんか予定ある?」
「ん、予定か。別にねえよ」との返事。
「じゃあちょうどいいわ。ちょっと付き合って欲しいんだけど」と言うと、すぐに返事が
返ってきた。「ああ、いいけど。買い物か?」「そう。ついてくればわかるけど」
「俺もちょっと外出てみたかったからな。行こうか」と彼は立ちあがって玄関へと向かった。彼女もあとにつづき、玄関で靴をはくと連れ立って外へ出た。
 外は曇ってはいたが午前中よりか幾分空が明るかった。これなら、あと数時間すれば
日が差してくるであろう。街へ出ると(たくさんではないけれど)人が歩いていた。
「えっと、まずはっと…」とあかねはキョロキョロと見まわしていた。
すると乱馬が「あっ、あれコバじゃないか?」というので、彼の視線の先に目を向けると
コバ少年がこっちのほうに向かって歩いてきている。背が高いから一発でわかる。
ジーンズに茶色のトレーナー、上には黒のウインドブレーカー。
彼は曲がり角を曲がった。(たしかそこを曲がれば本屋があったはずだ)
二人も彼の行く方向へと足を早めた。コバ少年はゆっくりと歩いていたので、二人はすぐに彼に追いついた。そのとき、彼がパタッと立ち止まった。やはり視線を感じたのだろうか。くるりと後ろを振り返ると、二人はパタッと立ち止まった。乱馬が「よっ」と手を上げた。あかねも「こんにちは」とあいさつ。「おお。こんなところで何を?」とコバ少年。「あかねの買い物につきあっているだけどな。そっちは(何やってんだ)?」と、乱馬。今度はコバ少年が答える番である。
「僕はちょっと見たいものがあって。本屋にね」と答えた。
「あたしたちも本屋へいこうと思って」とあかね。
「ん、じゃあ行こう」とコバ少年が歩き出すと、二人も彼の横に並んで本屋へと向かった。
文庫本のコーナーにいくと、あかねはさっそく外国文学のさ行の作家の本がならべられているところに目をやった。「サガン…サガン…あった!」みつけたので、手に取った。
タイトルは「やさしい関係」。彼女が読みたがっていたものである。
そのとき、後ろから乱馬が「あかねはそれだけか?」と声をかけていた。
乱馬はコミックスを買うことにしたらしい。
「あ、うーん。あとは特にないわね」と答えた。そこへコバ少年が戻ってきた。
彼はパソコン雑誌と外国文学の文庫本を携えている。
トーマス・マンの「ヴェニスに死す」だ。
トーマス・マンはドイツは生まれの作家。先程記述した「ヴェニスに死す」や「魔の山」が有名。1929年にはノーベル文学賞を受賞している。
「欧米の文学はけっこう興味あるんだよね」と彼は言う。
「好きなのはたくさんあるから。あげたらキリがない」
「他には何か見たいのはある?」という彼の問いかけに二人は首を横に振った。
三人はそれぞれ会計をすませて、店の外へでて歩き出した。
 「なんか、肩がこっちゃった。運動不足になっちゃったかな」とあかねが苦笑。
「そうだね。おととい、きのうは雨だったから外へも出られなかったし。僕もパソコンと読書ばっかだったからね」とこれまたコバ少年も苦笑い。
「そうだ。ウォーキングしようか。川までさ」と乱馬が提案すると、二人とも首を縦に振った。
 川までは20分ほどだった。そこの川のほとりの道で三人は知り合ったのだ。
そこにいくまでの間は、楽しい会話が三人の間を飛び交った。
ちょうど川のほとりの道にでたとき、雲の間から青空と太陽が顔を出した。
「いやあ、晴れてきて良かった」とコバ少年の言葉に、二人とも笑顔でうなずいた。
 そのとき、コバ少年を見ていたあかねの頭の中にふとひとつの疑問が浮かび上がった。
たしか彼はなびきと同学年のはずだ。ということは今、高校3年生である。
高校3年生における12月に彼をあてはめてみると、彼はずいぶんとのんびりしている。
?がついたとしてもおかしくはない。そう思った彼女は彼におそるおそるたずねた。
彼は彼女の表情とは裏腹に破顔一笑して、彼女の問いかけに答えた。
彼の話を聞いた彼女は「なーんだ。そうだったんですか」と打って変わって安堵の表情。
「この前、お姉ちゃんずいぶんのんびりしてるけどいいのっていったら同じことを言われました」とあかねは笑いながら言った。二人はすでに学内推薦で大学の進学を決めている。
 「あ、ここを右に折れよう」とコバ少年が言うので、あとの二人もそれにしたがった。
しばらく歩いていると突然、曲がり角からある女の子がヌッとあらわれた。
「な、なびきお姉ちゃん。びっくりしたぁ」とあかねが驚いた様子で言った。
乱馬も突然の出現に意外な表情をうかべていた。
ただ、コバ少年だけは対照的に何事もなかったかのような表情だった。
「あら、コバ君じゃない。なんで乱馬君たちと一緒にいるの?」
「うん、たまたま本屋の近くで会ったもんだからね。乱馬君がちょっと散歩しようって言ったからここまで歩いて来たのさ」とコバ少年。
「ふーん、そうなの……」と言いながらなびきは何気なく彼のジーンズのポケットに入れられている手に目をやった。親指と小指だけはポケットの外から出されている。
右手の小指には金色の指輪がはめられている。彼女はそれに気がついたようだ。
「あ、これって……」「んっ?」と彼は右手の手の甲を差し出して見せた。
なびきはコバ少年の右手にそっと触れた。まるで自分が一番大切にしているものに触れるかのように。彼も右手に目を落とした。しばし、その場に沈黙が流れた。
二人のやりとりを見ていたあかねは、あの指輪にはなにか二人の秘密が隠されているのではないかと感じていた。重大な秘密であればあるほど余計に知りたくなってしまうものだ。
箱を神から受け取ったパンドラのように。
しかし、あかねは理性を働かせた。自分も乱馬との間柄などを他人に根掘り葉掘り聞かれたときはあまり気分がよくない。もしもここで聞けば二人の気分を害することになるかもしれない。だから、聞くことはしなかった。
 「お取り込み中悪いんだけどよ、今何時だ?」と乱馬が沈黙を破った。
なびきはパッと手を離して、後ろで両手を交差させてうつむいた。
「えっとね、2時48分54秒」と腕時計を見ながら言った。
「まだ3時前なの。うーん、まだまだ時間はたっぷりあるわねー」とあかねがつぶやく。
宿題を終えてしまってから急に時間が余ったので、何をしようか迷っている様子だ。
「ま、いいか。そのうち思いつくかも」
「じゃあ、もう少し歩こうか」コバ少年のツルの一声で四人は再び歩き出した。
 5分ほど歩くと、左手に公園が見えた。
と、そのとき聞き覚えのある声が聞こえてきた。「あかねー」と。
声のほうを振りかえってみると、クラスメイトの涼子がいた。
「あれっ、横に工藤もいるじゃねえか。ちょっと行ってみようぜ」とコバ少年が言った。
四人は公園の中へと歩いていった。
 「よお。きょうは(なにをしているんだ)?」とコバ少年は工藤少年にあいさつ。
「うん、新しいカメラが手に入ったんだよね」というので見ると、コバ少年が目を輝かせた。「おおっ。これって中田の出てるCMのカメラじゃないか!」
「そう、CanonのIXY。ちょっと早いけどクリスマスプレゼントでもらったんだよね。
これでビシバシ撮るよ」と嬉しそう。
「で、もう撮ったのか。撮影第1号は?」とコバ少年。
「それがまだなんだよ。フィルムは12枚入りのが入ってるには入ってるんだけど」
すると涼子が全員を見まわしながら「じゃあ、工藤君のカメラでみんなひとりひとりの写真を撮ろうよ。そうすると6枚ね。あとは…そのとき考えましょ。いいでしょ?」と工藤少年に同意をもとめた。「うん、いいだろ。テストもかねてね」と彼は首を縦に振った。
「小林たちはどうなんだ?」「僕は別にかまわないけど。なびきたちは?」
あとの三人も首を縦に振った。「じゃあ、はじめようか。誰からにしよう?」と工藤少年がカメラをセットした。
「あ、俺からいかしてよ」と乱馬が言い出した。
「じゃあ、1番手は乱馬君。そこのベンチに座って。普通にしてていいからね」
乱馬が腰掛けたところで、彼はシャッターを押した。
「次は?」「僕が行こう」と二番手はコバ少年。きちんと腰掛けて表情も普通。
「よし、次は?」「あ、あたし」と今度はなびき。その次は工藤少年自身。
シャッターは涼子によって切られた。そして次は涼子。アンカーはあかね。
髪を手で少し整えてから腰掛けた。そしてシャッターが切られた。
「よし、これで6枚。でもあと6枚どうしようかな」と工藤少年は言う。
「そうねえ、うーん…。そうだ!今度は二人で撮ろう」と涼子。全員が首を縦に振った。
そして、まずは乱馬とあかねが、次にコバ少年となびき、そして工藤少年、涼子の順で
撮った。あとは3枚である。「よし、そうだな。おい、小林」と工藤少年がコバ少年を呼んだ。「ん、何だ?」とコバ少年が返事をする。
「久しぶりに二人で撮ってみようか」「おお、いいね。やろうやろう」と今度はこの二人で撮ることにした。「どのくらい前だっけ、前撮ったのは」「さあ、覚えてないな。それくらい前なのかな」と二人は久しぶりとあって、記憶をたしかめあっている。
「ポーズはどうしようか。なんかおもしろいので決めてみる?」と工藤少年。
「うーん」とコバ少年。
「やっぱりシンプルにいこう。久しぶりだから」
「そうだな」とようやくシャッターを切る準備ができた。シャッターはなびきが切った。
「よし、最後の二枚は全員で撮ろうか」とコバ少年の言葉を合図に全員がベンチのまわりに集まった。ベンチは二人すわれるくらいのスペースがあった。そこには乱馬とあかねが腰掛けた。それはコバ少年の配慮によるものであった。後ろには左からなびき、コバ少年、工藤少年、涼子が立った。そして、最後の二枚を撮った。
「はい、お疲れさん。写真はあしたでいいだろう」と工藤少年はいった。
すると、涼子が彼にすっと寄って肩をポンポンとたたき、耳元でなにごとか囁いた。
「うん、いいけど」と彼は怪訝そうに答えた。どうやら彼女に何か考えがあるらしい。
それはいずれわかるだろう。今知ってしまったら面白くなくなってしまうかもしれない。
そして、全員はそこで別れた。乱馬、あかね、なびき、コバ少年は一緒の方向へ歩いた。
 「ああー。なんか喉かわいちゃった。そういえばお昼から何も飲んでなかったわ」
と、なびき。「僕もなんか飲みたいな。君たちは?」とコバ少年。乱馬とあかねも同じだった。「よっし。僕がジュースでもおごろっか」とコバ少年はまかせとけ、とばかりに自分の胸を拳でどんとたたいた。三人は嬉しそうな表情をうかべた。
「この先に自販機がいくつかあったはずだから」とそこまで歩くことにした。そして、自販機の前に立った。
「さて、ご注文は何にするのかな」とコバ少年。それぞれ飲み物を注文した。
夕方になるにつれて寒くなってきたせいか、全員「HOT」のコーナーの飲み物だった。
「なんか寒くなってきたな。今何時?」と乱馬。コバ少年が待っていたかのように「4時
18分8秒」と即座に答えた。「寒くなってきたね。風邪ひくとヤバイな。これ飲んだらすぐに帰ろうか」とコバ少年が提案。全員がうなずいた。
 そして、それから20分後。乱馬、あかね、なびきは家に着いた。
三人はすぐにコタツの中に入った。「ああー」と安堵にも似たため息が居間を包んだ。
早雲が「子供は風の子。外で元気に遊んできたのだなあ」と彼らを見て一言言った。
「おかえりなさい。お風呂わいてるわよ。ご飯の前に入っちゃう?」とかすみが台所から声をかけた。「あ、先に俺入ろうっと」と乱馬が立ちあがった。するとあかねが「あたしが先に入らせてよ。レディーファーストじゃないの」と彼女も立ちあがった。
「じゃあじゃんけんで決めようぜ。せーの、じゃんけんぽん!」
「やった、あたしの勝ち。お先にいかせてもらうわね」とあかねは得意気になって風呂場へと向かった。乱馬は「あーもー、くやしい。めっちゃくやしいですぅ」と言って居間を笑いの渦に包んだ。外は闇につつまれつつあった。テレビは明日の天気を伝えていた。
-明日の天気は晴れ。降水確率は一日中0%。予想最高気温は13度でしょう-
クリスマス・イヴの明日は良い天気になりそうだ。
 12月24日、クリスマス・イヴ。
外は寒かったが、雲ひとつない真っ青な空が広がっている。
見つめていると涙がでてくるような。
「きょうは、24日。日曜日か。それからクリスマス・イヴね…」とカレンダーを見た
なびきが誰に言うともなしに言った。
「もうクリスマス。今年もあと一週間ね。時が過ぎるのは早いわねえ」とかすみが同調するかのように言った。朝食の後片付けをしながら。そして「来週になったら大掃除をはじめなくっちゃね。あなたたち(なびき、あかね、乱馬)にも手伝ってもらうわよ」
とも言った。「はーい」となびきたちは返事をした。
年末の大掃除はどこの家でも毎年恒例のイベントだ。
彼らも自分の部屋のみならず家中の掃除をする。
朝食は終えられたので、彼らは自室へと戻っていった。
あかねは読書、なびきは音楽を聴き、乱馬はきのう買ったマンガを見ていた。
 午前も10時をすこしまわったころ、階下からかすみが声をかけた。
「あかね。ちょっと買い物に行ってくるから」
「あ、はーい。行ってらっしゃーい」と返事して再び本に目を落とした。
しばらくしてキリのいいところまで読むことができたので、コーヒーでも飲みに行こうと思った。前はブレンドだったので、今度はカプチーノでも飲もうかと思っていた。
クリスマス・イヴのきょうは日曜日と重なっている。街には人が多くでていると思われる。
特にデパートやショッピングセンターのおもちゃコーナー、あるいはおもちゃ屋はきょう繁盛するであろう。なんといっても、サンタクロースがやってくるのは今夜なのだから。
4日前、サッカーを見に行った帰りにサンタクロースのことを乱馬と語り合った(Let it be参照)。彼女は今だに信じている。公言はしていなかった。なぜかと問わば「恥ずかしくて言えない」という答えが返ってくるかもしれない。
彼女の年頃の人に言えば「えっ。まだそんなの信じているの」なんて言われてしまうかもしれない(中にはそうでない人もいるだろうが)。小学校のころ「サンタって本当にいるんだよね」なんていうと必ず(といっていいのだろうか)「何言ってるの。お父さんが寝てる間に枕元においているんだよ。だからサンタはいないんだよ」と言うやつが、ひとりくらいはいたのではないだろうか。それを聞かされたとき、サンタクロースを信じていた気持ちは、シャボン玉がはじけるようにパッと消えてしまう。夢がひとつ消えていく。
彼女は信じていたら幸せな気分になれたから信じていたのである。天使や妖精を見るように。
 とりあえず出かけることにした彼女は、来ている服の上にベージュのコートを引っ掛けて部屋を出た。となりの部屋にいるなびきへ、ドア越しに「出かけてくるね」と言った。
「はい、行ってらっしゃい」と素っ気無さそうな返事が返ってきた。何かに没頭しているのだろうか。あかねは玄関へいき、お気に入りの靴をはいて外へ出た。
 外は雲ひとつない青空が広がっている。こんなに青い空をみたのはいつ以来だろう。
あかねの脳裏にふっとそんな思いがよぎった。そのくらい青かった。
朝方は冷えていたが、今はいくぶんかましになった。彼女の右手には文庫本が握られていた。きのう買ったばかりなので、まだちょっとしか読んでいなかった。
 街に出てみると、結構客がでていた。日曜日ということもあってか特に家族連れが目立った。歩いていて、彼女は前方にコバ少年を発見した。彼は背が高いから結構目立つ。
彼は(ばったり会ったのだろうか)かすみと談笑していた。二人とも温厚な性格に似つかわしく柔和な笑顔である。話していると大人っぽい印象を受ける彼だが、笑顔にはまだあどけなさがあった。右手にはバックを携えている。そして、別れて彼はあかねの方に歩いてきた。あかねと目があったとき、彼女の方からあいさつした。
「こんにちはっ」と彼女もあどけなさの残る笑顔で。「おお」と彼はあいさつを返した。
そばにベンチがあったので二人ともそこに腰をおろした。
彼が「乱馬君は?」とたずねる。あかねは「家にいます」と返事。彼は残念そうに「こんなにいい天気なのに、外に出ないだなんて。もったいねえな」と言った。彼女は彼の髪が短くなっていることに気がついた。「髪切ったんですか?」
「うん。ちょっと長くなったから短くしたんだけど……」といった。
黒いタートルネックのセーターにウィンドブレーカーをはおり、下は黒革のパンツにこれまた黒いベルト、靴は革靴。聞くと「バレンチノ」だそうだ。
「(バレンチノなら)高かったでしょう?」とあかねがきくと「うん、まあね。買ったとき定価より半額だったし、レジにてさらに2割引。だからもう2着買ったんだな」と言った。
「今からどこへ?」とあかね。コバ少年は「うん、八重洲ブックセンターへね。親父が頼んだ本がこのあたりの本屋にはないんだよね。あそこにならあると思うんだけど」
と腕組みしながらいった。
 「年末年始は何か予定はあるの?」とコバ少年が腕を言う。
「え、ないです。温泉にでも行きたいなあと思ってたんですけど」とあかねは残念そうに言う。「僕はクリスマスが終わったら旅行に行こうと思ってるんだけどね。髪を切ったのはそれに向けてというのもあるんだけど。本当は冬休みに入ってすぐに行きたかったんだけどね。日韓戦をどうしても見に行きたかったし、それに…」ここで咳ばらいをひとつして続けた。「それに、ある女の子に今年のクリスマスはここ(この街)にいてよ、と言われちゃって。去年のクリスマスはいなかったからね…ちょっとニューヨークに行ってて。ロックフェラーセンターのクリスマスツリーを見たよ。あれは綺麗だったね…」と彼は自慢をするでもなしに静かな口調で述懐した。
「その娘にはね、出発がイヴの日だったもんだからね。行く途中にその娘の家の前にメッセージカードを中にいれた花束をおいたんだけど。ちょっとキザだったかな?」と静かに笑いながら言った。
あかねは彼の言葉をきいたとき、去年のクリスマスの朝になぜか花束が玄関の前においてあったことを思い出した。それから彼は話題を変えた。
 「そうそう、かすみさん。相変わらずふんわりしているね。まるでベルダンディー
(「ああっ女神さまっ」)みたいだね」といった。あかねは彼の言葉に笑顔を浮かべずにはいられなかった。
 「ところで、あかねちゃん、パソコンは持って…」「ないです。今度のお年玉と貯金をあわせて買おうとは思ってるんですけど…」と苦笑しながら答えた。
「デスクトップ、ノート?」とコバ少年。「えーっと、まだ決めてないんですけど。できればノートがいいかなあ」と返事をした。「そうだね。デスクトップは場所をとっちゃうっていうケースも考えられるから、ノートがいいのかもしれないな。外へも持っていけるしね。けど、どっちがいいというと一概には言えないな。それは君が決めればいいことさ」
とアドバイス。彼女は的確なアドバイスに感謝した。
話をしながらあかねは、彼と一緒のところを誰かに見られてやしないかと内心ヒヤヒヤだった。姉のなびきや乱馬やコバ少年の友人の工藤少年、クラスメイトの涼子は別にかまわないのだが、ゆかやさゆり、ひろしと大介に見られたら何を言われるかわかったものではない。幸いそれは杞憂に終わった。彼は「そろそろいかなくちゃ」と立ちあがった。
そして「乱馬君によろしく。それからきょうはいいことがあるといいね。メリークリスマス!」と言って歩き出した。
あかねはこのことを乱馬に報告したら、さぞうらやましがるだろうなあと思い再び歩き出した。
 彼女の向かった場所は日韓戦の日の午前中に行ったところである。
ここは3度目だが彼女の行きつけの場所となった。カプチーノを注文した。
席はこの前にすわったところ。飲みながら本をめくる。店内の静かな雰囲気も手伝って結構読み進むことができた。ふっと気がついて時計を見ると11時40分をまわっていた。
「あっ、そろそろお昼だから戻ろう。ちょうどコーヒーも飲み終えたことだし」と立ちあがって店をでてまっすぐ家に帰った。
 家に帰って昼食をすませると、彼女は居間でお茶を飲んだ。
外は涙が出てきそうなくらい青い空。見上げれば所々に雲が浮かび、実にのんびりと泳いでいる。平和な日曜日の午後のひととき。
 お茶を飲んでいたら、かすみが「そうそう。あかね、乱馬君。あなたたちにプレゼントだそうよ」と薄い紙袋を差し出した。「えっ、誰から?」と乱馬がたずねる。
するとかすみは微笑んで「中をあけてみればわかるんじゃない?」
二人はかすみの言われるがままに袋をあけてみた。中から写真が何枚か出てきた。
二人の記憶はすぐによみがえってきた。きのう撮った写真ができたのである。
それぞれの写真をみて二人は一喜一憂した。
まだ中には何かが入っているらしい。出してみようということで、出してみた。
紙が三枚ほど入っていた。二枚はB4の白い紙、もう一枚はメッセージカード。
 B4の折りたたまれた紙をひらいてみると、人の表情が輝き出した。
そこには二人で撮った写真の絵が鉛筆で描かれていたのだった。
誰が描いたのだろうか。二人が理解するのにそう時間はかからなかった。
「これ、涼子が描いたのよ。あの娘、絵がすっごくうまいの。アニメのイラストとか描いてて、あたしによく見せてくれるんだけど」と嬉しそうな表情を浮かべ、クラスメイトの絵のうまさを賞賛していた。乱馬も同じ気持ちであった。
もう一枚のB4の紙をひらいてみると、そこには少年と少女の絵が描かれていた。
よく見たら、涼子の好きなマンガ(あかねの好きなマンガでもあった)のキャラクターだった。「怪盗セイントテール」の羽丘芽美とアスカJr.。
 そして、最後の一枚はメッセージカード。
写真をとってくれた工藤少年、イラストを描いた涼子からのメッセージ。
そのメッセージを読んだ二人は、心が温かくなった。
 その後(3時間後くらい)、乱馬は「ちょっと出かけてくる」といって出ていった。
あかねが「どこへ行くの?」と聞くと「うん。ちょっと、な。遅くはなんねえからよ」とそれだけ言い残して走っていった。彼女もそれ以上詮索しようとはせず、自室へと戻った。
 戻った彼女はラジオをつけた。きょうはクリスマス・イヴということでクリスマスソング特集を流していた。リスナーからはクリスマスに関する曲をファックスや電子メールで募っている。
 「はい。お送りした曲はサイモン&ガーファンクルで7時のニュースでした。たくさんのリクエストいただきました。ありがとうございました。さて次にお送りする曲は、あ、これもすっかりクリスマスソングの定番となってますねえ。山下達郎のクリスマス・イヴ。これもたくさんのリクエストをいただいています。この時期になると必ずといっていいほどかかりますよね。ではいってみましょう、山下達郎でクリスマス・イヴ」とパーソナリティの言葉を合図に曲がかかりはじめた。
ラジオのパーソナリティーがいったとおり、この曲はもう何年も前からクリスマスソングの定番となっている。某CMのクリスマスバージョンの曲でも使われている。
「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう Silent Night  Holy Night
きっと君はこない ひとりきりのクリスマスイヴ Silent Night  Holy Night」  
あかねはこの曲も良い曲だと思っていた。ただ、彼女はこの曲以外にも期待していた
クリスマスソングがあった。それはこの曲のあとにかかったのである。
「はい。クリスマスイヴでした。JR東海のクリスマスエクスプレス2000のCMソングとしてもオンエアされていますね。実に8年ぶりのことなのだそうです。
さて、お送りしてきましたクリスマスソング特集ですが、お別れの時間がせまってまいりました。最後はこの曲をお送りしたいとおもいます。30代,40代の方々を中心にたくさんのリクエストをいただきました。ありがとうございました。では、お送りする曲は
ジョン・レノンでHappy Xmas(War Is Over)です。どうぞお聴きください」
あかねは思わずラジオの前で手をたたいた。まってましたとばかりに。
この曲はジョン・レノンとその妻ヨーコさんの共作。1971年12月1日に先にアメリカで発表。イギリスでは1年遅れで1972年の11月24日に発表されている。
「ともかくハッピークリスマス 肌の黒い人たち 白い人たち 黄色い人たち 赤い人たち さあこの辺で争いはやめようじゃないか」
ジョンはこの曲のほかにも愛や平和などをテーマにした曲をかいている。
「Imagine(イマジン)」「Give peace a chance(平和を我らに)」などがそうだ。
 曲がかかりおわり、その余韻がまだ残っているうちにあかねは戸棚からジョンのCDを取り出した。真っ先にサーチした曲はやはり「Happy Xmas(War Is Over)」。
自分の気にいっている曲は何度聴いてもいいものだ。
その次に「Woman(ウーマン)」「Love(ラヴ)」「Imagine(イマジン)」「Mind Games(マインド・ゲームス)」「#9 Dreams(夢の夢)」とつづけざまにかけていった。
そして、聴き終わったとき時計をみたら5時ちょうどをさしていた。
 夕方になったので寒気が増してきた。熱いお茶を飲みたいと思い、部屋のドアをあけた。
そうしたら、なびきとばったり。彼女はおしゃれをしていた。髪が入念にとかされ、化粧がされている。ミニスカートをはいている。どこかへ出かけるつもりなのだろうか。
「なびきお姉ちゃん、出かけるの?」と質問すると「うん。」とだけ返事が返ってきた。
「どこへ?」と聞こうとしたが、なびきの格好ときょうが何の日であるかを考えたら
あかねは聞くのはヤボなことだと感じて、それ以上は聞くことはしなかった。
なびきは玄関で靴をはいて出ていった。あかねは居間に残ってお茶を飲みながらテレビを見ていた。
 20世紀最後のクリスマスだから、行楽スポットはきっとお客さんで満員なのだろう。
とくに東京ディズニーランドなどはなおさらなのかもしれない。
ニューヨークのロックフェラーセンターにある大きなクリスマスツリーのイルミネーションは20世紀最後のクリスマスの記憶として、たくさんの人たちの記憶に刻まれるだろう。
お茶を飲みながらあかねは頭にいろいろなことをよぎらせていた。
1年前のクリスマス、乱馬は同じように出かけていなかった。右京、シャンプー、小太刀らが乱馬をめぐって戦いをしていた。「乱馬は自分とクリスマスイヴを過ごすのだ」と。
われこそが、とばかりに争う三人を前に彼女は勇気を振り絞って、顔を赤らめながらこう言った。「乱馬はね、あたしとクリスマスイヴを過ごすのよ!」と。
その後、乱馬からクリスマスプレゼントをもらった。嬉しくって、思わずプレゼントをやさしく抱きしめた。
そんな記憶を思い出した。思えば、あれが今までで一番鮮明に残っているクリスマスの記憶だった。
 「…かね。あかね!」かすみの声ではっと我に返った。
「どうしたの。ぼーっとしちゃって。電話よ」とかすみは怪訝そうに言った。
「えっ、誰から?」と面食らったような表情で聞き返した。
「乱馬君からよ」あかねは電話に飛びついた。公衆電話からだった。
「もしもし、あかねか? 俺だけどな、今から出てこれるか?」
「うんっ」と彼女は嬉々とした表情。
「そうか。じゃあ、場所は…」と乱馬は自分のいる場所を彼女に告げた。
「うん。すぐ行くから待っててね!」と電話を切って、部屋に駆け込んだ。
洋服ダンスをあけて、服とスカートをとりだした。彼女が一番気に入ってるものを。
そして、入念に髪をとかしてコートをはおると靴をはいて玄関を出た。
時刻は5時40分をまわっていた。
 乱馬の待っている場所へついたのは、家を出て10分後のことだった。
「ごめんね、待った?」と走ってきて息をはあはあと切らしながら。
「いいや、全然」と彼は怒っている様子はまったくない。
「で、何か用?」とたずねると、彼は後ろにまわしていたものを見せた。
わくわくする気持ちをかろうじて押さえながら、いたって冷静に「なあに、それ」。
彼が持っていたのは、小さな小箱。
「開けてみようか?」「うん」と乱馬は小箱の中身をあかねに見せた。
それを見たとたん、彼女の表情がパッと輝いた。
中から出てきたのは、繊細な細工をほどこした指輪。
「お前に似合うかなあと思って。ちょっと高かったけどよ、思いきって買ったんだ」と
照れながら彼は言った。「手、だしな。薬指にはめるんだろ」
あかねは左手をだした。乱馬は指輪を彼女の薬指にはめた。それはぴったりとあった。
「ああ、良かった。とっても似合っているぜ」と彼は会心の笑顔でこう言った。
彼女は涙がでそうになるのをこらえながら、精一杯の笑顔をみせた。彼の心遣いをとっても嬉しく思いながら。
 そのとき、音楽がかかりだした。あかねがとっても良く知っている。
ジョン・レノンのHappy Xmas(War Is Over)であった。
まるで、彼らを祝福するかのように。
二人は顔を見合わせて笑顔をうかべ、離れてしまわないように手をつないで歩き出した。
メロディーを口ずさみながら。
 家の前に来ると、向こうから人が二人歩いてくるのが見えた。
コバ少年となびきだった。彼らも手をつないで歩いてきた。
「よう」と乱馬が声をかける。「おっ、こんばんは」とコバ少年はいった。
なびきの手には、紙袋が握られている。なびきは「これ、あんたたちにプレゼントよ」と
それを差し出した。「んっ?なんだこれは」と乱馬がたずねる。
「開けてみてのお楽しみ」とコバ少年は片目をつぶって見せた。二人は、家に入ってからあけてみることにした。
「じゃあ、コバ君。気をつけてね」となびきが言う。
「うん、良いお年を。帰ったら連絡するからね」とコバ少年。
なびきは彼の胸に少しの間(5秒ほど)頭をもたれさせた。そしてそのあと、彼は乱馬とあかねに「じゃあね」と笑顔で手を振って帰っていった。白い息をはきながら。
その後姿をなびきはちょっと泣きそうな顔で見ていた。
彼女の左手の薬指にも、あかねと同じく指輪がされていた。銀色の指輪である。
あかねのように細工はされてはいなかった。たぶんもらったのだろう。
「さ、寒いから中に入るわよ」となびきの言葉に促されて、三人は家の中に入った。
 「おかえりなさい。夕ご飯はもうちょっと待ってね。その前にお風呂がわいてるわよ」
とかすみが笑顔で出迎えた。風呂はなびきが入ることにした。
居間に残った二人には、かすみが熱いお茶をだした。
「あ、そういえば。お姉ちゃんがくれた袋の中身って何だろう?」
「そうだな。じゃあ、あけてみようか」の乱馬の言葉でもらった袋を開けてみた。
中から出てきたのは二着の服。それはレプリカユニフォームであった、二人が大ファンであるチームの。
思いがけないプレゼントに二人は言葉を失った。
「あ、何だこれは?」と乱馬が二枚の小さな紙をとりだした。
どうやらメッセージカードのようである。二人はそれを読んでみた。
――君たちにプレゼントを贈ります。エスパルスのレプリカユニフォームを。
これを着てみんなで応援へ行ける日を楽しみにしています。
これからもよろしくね。もうすぐ21世紀。お二人とも仲良く、ね。
                       KOBAより。

「あいつ…。ハハハハ」と乱馬は声をあげて笑い出した。あかねもつられて笑った。
なびきからのメッセージも中に入っていた。
――あんたたちにメッセージを送っとくわ。「仲良くなさいね」。
                        なびきより

「お姉ちゃん…」とあかねが嬉しそうな笑顔で言った。
二人ともコバ少年となびきからのプレゼントはとっても嬉しかった。
そのとき、風呂からあがったなびきがひょいと顔を出した。
プレゼントに嬉々とした表情をうかべる二人をみて微笑んだ。
そして、後でコバ少年に連絡をしなくっちゃと思った。
メリークリスマス そしてハッピーニューイヤー 何の迷いもなく今年も良い年であることを祈ろう。








あとがき
 こんにちは、Kobayashiです。
前回はサッカーのことを話の題材にしたので、かなり僕の趣味が入ってしまった
ものになったのではないかなあと思います。今回の話はクリスマス・イヴの日の
話です。題材にした曲は大好きなジョン・レノンの「Happy Xmas(War Is Over)」。
僕の中ではクリスマスソングといえばこれなんですけどね。
私事ですが、ジョン・レノンミュージアムは年内にいってくる予定です。
本当は日韓戦の話(Let it be)だけにしようかと考えていましたが、前作の執筆後
この話がひらめいたので、一気に書き上げました。
不思議なもので、コバ少年を登場させてから話が書きやすくなったなと感じます。
 「乱馬がいないクリスマス」(アニメ何話くらいだっけかな?)も話にいれました。
あれは好きな話のひとつです。乱×あのみなさんにはたまらない話ではないかと思います。
それから「セイントテール」と「ああっ女神さまっ(ちっちゃいってことは便利だねっ)」はキッズステーションでやってました。毎回欠かさず見てました。
そのためかどうか話を構築する際にいれてみたわけですが。
実はこの2つとらんまには共通点があるんです。思いついた人もいるかと思います。わからないっていう人はヒントです…ヒントはかすみさん。もうわかりましたよね?
答えは、井上喜久子さんが出てるということ。セイントテールでは聖良ちゃん役(芽美ちゃんの友人)、「ああっ女神さまっ ちっちゃいってことは便利だねっ」ではベルダンディー役なんですよね。
ちなみに「ああっ女神さまっ ちっちゃいってことは便利だねっ」には久川綾さんもでてますし(たしかスクルド役でしたかね?)。「さくら」ファンの僕としてはCheck it!
まあ、そんなこんなで今回の話はいかがでしたでしょうか?
みなさん良いお年をお迎えください。では、次回にお会いしましょう。さようなら。




 信仰心は二の次でクリスマスを愉しむのが日本人の大半なのではないでしょうか?
 子供も大人も、ワクワクドキドキのクリスマス。プレゼントもその楽しみの一つです。
 クリスマスが過ぎれば、あとは正月に向かって怒涛の年末が駆け巡る…。慌しさの中にある小さな幸せ。
 やっぱり、クリスマスは大好きな人と共に過ごしたいものです。
(一之瀬けいこ)



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