◆赤い靴のSunday
Kobayashiさま作


 12枚つづりのカレンダーは、半分までが切り取られた。
日本は大陸からやってくる「梅雨前線」の影響で、雨の日が多くなる。気温は上がり、それに加えて湿度もあがる。不快指数もかなりの数値まであがるだろう。
 しかし、この雨の多い季節は1ヶ月程度である。はじまりと終わりは年により、早かれ遅かれであるが。梅雨が終われば、本格的な夏の到来である。どこまでも続く青空、強烈な太陽。「情熱的な季節」とも言っていい季節だ。学生にとっては、待ち遠しいだろうLong Vacation「夏休み」もある。楽しいことが目白押しの季節は、ひと月近い雨期の向こう側で待ち構えている。それを思えば、この憂鬱きわまりない季節も乗り越えられるだろう。


 4回目の土曜日で、6月もあと7日となった。
夕食が終わって一段落したころ、テレビではプロ野球が放送されていた。
 アナウンサーが試合の状況を伝えている。バッターボックスには4番バッターの松井秀喜選手がたっている。高校時代は甲子園に出場し、怪力スラッガーとして全国に名をとどろかせていた。そして、ドラフト1位でジャイアンツに入団。現在は清原和博や、昨年広島カープから移籍してきた江藤智らをおさえて4番の座を獲得している。彼はピッチャーから放たれたボールに対し、底なしのパワーでバットを振りぬいた。
 アナウンサーが声を1オクターヴあげた。
―打ったあーっ!!これは文句なし。ライトスタンド一直線。なんと、長嶋監督の看板にあたって、スタンドに落ちました。2ランホームランで、ジャイアンツ追加点ですっ!!―
 東京ドームの看板広告に打球をあてると「ビッグボード賞」といい、その広告主から100万円の賞金とその他がその選手におくられることになっている。
これに限らず、東京ドームではいくつか「打球を当てると、お金がもらえる」場所が存在している。賞金の額は様々だが、全て合わせると相当な額にのぼることは間違いない。
 バッターボックスに5番バッターの清原和博選手がたったとき、乱馬が居間にやってきてあかねを呼び、玄関につれてきて居間のほうを振り返り、誰も見ていないのを確認すると、声量を少し落としてたずねた。
「あかね。明日は、何か予定はあるか?」
「ん、明日?予定はねー、特にないけれど」あかねも、乱馬と同様に声量を落として答えた。
「そうか。明日さ、俺といっしょにな、来て欲しいところがある。お茶でも飲もうか?」
「えっ、おごってくれるの?」
「ん…。まあ…そういうことだな」
「うっわあ、嬉しい。で、どこに行くの?」あかねはすっかり相好を崩している。
「それは明日になってからのお楽しみ」と乱馬は片目をつぶってみせた。
「ふーん、わかったわ。明日ね」とあかねは嬉しそうな顔をして、居間に戻って行った。
 居間に戻ると、アナウンサーが再び声を1オクターヴあげた。
―清原打ったーっ!!これも文句なしの当たりです。バックスクリーンに飛び込んだっ。どうだといわんばかりの堂々たる態度で打球を見送った清原。見事な当たりでした。ジャイアンツの勢いはもうとまらない!!―
「かすみお姉ちゃん。お茶入れてくれない?」あかねははずんだ声で言った。
「随分嬉しそうね。何かいいことでもあったの、あかねちゃん?」
かすみはあかねにお茶を差し出しながら、微笑を向けた。
「うふふふ。うん」とあかねは返事を返した。そして、お茶はすぐに出てきた。
 テレビは、8番バッターの阿部慎之助が三振に倒れてスリーアウトチェンジ。巨人の攻撃が終了した。
「かすみお姉ちゃん、お風呂沸いてる?」とたずねたのは、テレビに見入っていたなびきだった。
「沸いているわよ」とかすみ。
「あたし、入らせてもらうわ」となびきは立ちあがり、パジャマをとりに部屋に戻って行った。
 あかねは、お茶をすすりながらテレビに見入った。ジャイアンツのピッチャーは入来祐作、キャッチャーはドラフト1位入団の「ゴールデンルーキー」阿部慎之助というバッテリー。ここまで無失点である。
この回のバッターはクリーンナップからだった。ノーアウト満塁のピンチを迎えはしたが、入来は阿部の巧みなリードに助けられ、その後のバッターを三者三振にきってとり、無得点でこの回のマウンドを降りた。
相手チームの攻撃が終了すると、あかねも席をたって、部屋に戻って行った。
 部屋に戻ると、タンスからパジャマと下着をとり出して、ベッドに腰掛けた。
明日何を着て行こう…。ぼんやりと考えた。風呂から出たら、服選びをしよう。そう決めた。
「あかねー。出たから入っていいわよ」階下からなびきの声がした。
部屋を出ると、なびきが実にさっぱりとした顔で、こちらに向かってきた。
 彼女はすれちがいざまに、あかねに話しかけた。
「あかね、明日乱馬くんとデートするんでしょ?」
あかねはびっくりした。あのときのやりとりは、誰にも聞かれなかったはずだ。乱馬が慎重にまわりを見まわしていて、声量も落としたはずである。彼女も声量を落としていたはずだった。
「えっ、どうして?」怪訝な面持ちで、あかねはたずねた。
 なびきは、いぶかしげなあかねの顔を見てケラケラと笑った。
「だって、明日はデートだって、あんたの顔にかいてあったんだもの」
このなびきという女の子は、クールな性格で並外れた洞察力と分析力を持つ。カンも鋭い。
「ま、いいわ。うまくやんなさいよ」とだけ言い残し、自室へと引っ込んだ。
 あかねも、さあお風呂に入ってさっぱりとしてこよう、と足早に階段を降りると風呂場へ向かった。出てきたのは、それから30分後だった。風呂が気持ちいいと、ついつい長居したくなってしまうものだ。
本当なら冷たいジュースやお茶を片手に、何時間でもつかっていたいのだが、住人が多い天道家においては少々無理かもしれない。あかねは、どちらかといえば長風呂が好きだったので、一度でいいから2時間くらいつかっていたいと思っていた。
「ふうー、気持ち良かった」彼女はさっぱりとした顔であがり、自室へともどっていった。
 部屋の中に入ると、すぐさま洋服ダンスをあけて、何着かの服を取り出した。明日着て行く服を決めるためにだ。
「うーん…。どれ着て行こうかなあ。あれとこれ…うーん」
あーでもない、こーでもない、と悩みながらも顔は嬉しげである。
 あかねの頭に突如、あるものが思い浮かんだ。
「あ、そういえば。去年の誕生日に買ってもらった靴。まだそんなにはいてなかったっけ。あれをはいていこうかしら。となると、服はっと…これとこれ。よしっ決まりっ!」
さっきまでの悩んでいた様子はどこへやら。シャボン玉がはじけるかのように消えていってしまった。
「はあーあ。なんか安心したら、きゅうに眠くなったなー。寝ようっと」あくびをひとつすると、彼女はベッドにもぐりこみ、消灯した。時刻はまだ9時30分過ぎで、いつもならまだ起きてテレビを見ている時間だが、ものの10分もしないうちに彼女はすやすやと寝息を立てていた。


 翌朝。目がさめたあかねは、枕元にある目覚し時計を見た。学校に行く日よりも10分遅い寝坊である。
別に10分くらい遅くなったとはいっても、どうってことはない。むしろ、まだ寝坊していてもいいくらいだ。それができるのは、休みの日だけ。日曜日だった。
「ううーん、よく寝たなー」と大きな伸びをして、カーテンを開けた。
目には雲ひとつない真っ青な青空が飛び込んできて、朝の陽射しが部屋いっぱいに差し込んできた。
「うっわあ、いい天気。お出かけ日和だわ」
 さっそく服に着替えて居間に下りていった。「おっはよーございます」
「おはよう、あかねちゃん」
「おはよう、あかね」
「おはよー」
「やあ、おはよう。あかねちゃん」(立て札)
「あら、あかねちゃん。おはよう」
ほぼ全員、家族がそろっていた。あとは乱馬が来るのみである。
「おはようございます」と乱馬がやってきた。天道家が全員出揃ったところで、朝食をとりはじめた。
賑やかな会話と、おもわずつまみ食いをしたい衝動にかられてしまうほどの美味しそうな料理が、食卓を彩った。
 朝食が終わり、片付けも一段落したころ、自室に戻ろうとしたあかねを乱馬が階下で呼びとめた。
「きょうのことだけど。何時くらいがいいんだ?」
「え、時間。あたしは何時でもいいけれど。乱馬にあわせる」とあかねは答えた。
「ん。そういうことならば…。11時でどうだ?」再度乱馬がたずねる。
「いいわよ」あかねは頷いた。
「よし。それじゃあ11時でよろしくな」と乱馬は左手を軽く上げて、居間へ戻って行った。
あかねはその姿を見届けると、階段を早足で上り、同じく自室へと戻って行った。
 乱馬は、寝転がってのんびりとテレビを眺めていた。休日にのんびりとすることは、彼なりの過ごし方だった。別段、悪いことではない。誰しも、休日くらいはのんびりと過ごしたいものだから。しばらく、そうして約束の時間までをやり過ごしていた。
 すると、どこからともなく、なびきがにゅっと現れた。
「あれ。お姉ちゃんいないじゃないの。乱馬くん、知らない?」
「さあ。風呂場じゃないか?」テレビに見入っていた乱馬は、素っ気ない言い方で答えた。
「あ、そう。ならいいわ」と彼女は答え、電話機のところへいき、そばにあったメモ帳に何事か書きつけて、居間のちゃぶ台の上に置いた。

――かすみお姉ちゃんへ
 ちょっと出かけてきます。お昼は外で食べてきますのでよろしく。
                                   なびき――

「そういうことだから、よろしくね」とだけ言うと、左手を軽くあげて、彼女は去って行った。
左手の薬指には、シルバーの指輪がはめられていた。
 去ったあと、乱馬は何気なくなびきの書いたメモに目をやった。
結構キレイな字だな、と彼は思った。そして、彼は再びテレビを眺めはじめた。
 一方のあかねは、部屋でファッション関係の雑誌を読んでいた。彼女は「かわいいもの」を好んでいる。
顔や性格に少女のあどけなさがちりばめられている彼女には、それらの服はぴったり合っていた。
「あ、そうだ」彼女は何かを思い出したらしく、机の一番上の引出しをあけて、小箱をとりだしてそれを開けた。中には繊細な細工を施したシルバーのリング。昨年のクリスマスに乱馬がプレゼントとしてくれたものだった。シルバーのリングなら、高校生のこづかい程度でも買える値のものがある。
「きょう、久しぶりにしていってみようかな」彼女はひとり微笑んで、それを左手の薬指にはめた。
指輪というアクセサリーは、女の子の心を躍動させる「魔法のアイテム」のひとつなのだろう。
 枕もとにある時計を見ると、約束の時間までまだ少しある。
彼女は音楽でもかけようかとCDラジカセの電源を入れ、好きなCDを何枚も聴きながら、本や雑誌を何冊か読んだりして、約束の時間までをやり過ごした。
 約束の時刻の15分前になると、彼女は髪をとかしたりして、身だしなみを整えた。鏡の前に立つことも忘れなかった。すべての準備がととのったとき、約束の時刻ぴったりであった。
 階段を降りて居間へ向かうと、乱馬が待ち構えていた。「準備完了」
「じゃ、出かけましょ」といいながら、あかねは土間の隅にあった、まだ真新しい赤い靴をはいた。
「気をつけていってらっしゃいね。あ、そうそう。お昼までに帰ってくる?」とかすみ。
「いや、外で食べますよ。きょうは日曜ですし」乱馬が答えた。
「なびきお姉ちゃんは?」とあかね。
「なんか用があって出かけたらしいわ。行き先は言っていかなかったけど」かすみは答える。
「いってきまーす」あかねは元気よくあいさつし、二人は玄関を出て、歩き出した。


 あかねは手をおでこに当てて、ひさしを作る仕草をしながら言った。
「わあ、きょうは暑くなりそうだなあ」
「今年は雨が少ないな。今年の夏は猛暑になるとか言っていたぜ。けさの天気予報で」乱馬が応じる。
 その顔を見たあかねは、ふと昨日の昼休みの出来事が頭をよぎった。

2年A組の前の廊下でコバ少年と乱馬が談笑していた。それを見たゆかが、こんなことを言った。
「へえー、早乙女君はあのセンパイ(コバ少年)と知り合いだったんだ。あかね」
「え。あ、うん。なんかそうみたいね」と曖昧な返事を返した。
「あたしが思うに、なんかあの人(コバ少年)、近寄りがたい雰囲気があるように思えるわ」
横にいたさゆりが同調する。「そーそー。なんかすごく気難しそうな感じ」
あかねは彼が温厚な人間だと知っているので、ゆかとさゆりの言うことには、多少疑問を感じた。
たしかに顔を見れば、気難しそうな雰囲気があるかもしれないが、本当はそうではないのだ、と。
ただ、口に出すのはよそうと瞬時に思った。そうしたらば、変に誤解されてしまうのがオチだからだ。
 ゆかが続けて言った。
「あたしと仲のいいセンパイが同じクラスなんだけど。なんか、すっごい頭が良い人らしいわよ」
「へえーえ、そうなんだ」とさゆりは言う。それっきり、コバ少年に関する話は終わりを告げた。
 さゆりが何かを思い出したらしく「あっ」と声をあげた。
彼女は、乱馬の方をちらりと見た。まだ、コバ少年と談笑していた。そして、あかねに耳打ちした。
「最近ね、早乙女君が1年生の女子の間でね、人気みたいなの。背は高いし、腕っぷしが強いし、なおかつルックスもいいものだから…。ボサッとしていると誰かに横取りされるわよ」
そんな風なやりとりがあったことを思い出しながら、彼女は乱馬を見つめていた。
 彼女の視線に気づいた乱馬が、いぶかしげな表情をあかねに向けてきた。
「ん?なんだ、あかね。俺の顔になんかついているのか?」
「え、あ。ううん、なんでもない。ちょっと考え事をしていただけ」
乱馬は「ふーん、そっか」とだけ言って、頭の後ろで手を組んだ。
 ふいに乱馬があかねにたずねる。
「アイスティーは飲みたくねえか?」
「今は、それよりもアイスコーヒーかなっ?」かわいらしい声であかねは答える。
「じゃ、決まりだな。いこうか?」
「えっ、どこに?」あかねは聞き返した。
「だまって俺についてこい」と乱馬は映画スターのように言ってみた。
「はいっ」とあかねは意を決したように頷いた。
 街なかを歩いていると、外国人の乗った自転車とすれ違った。
その外国人はにやにや笑いを浮かべながら、あかねをたどたどしい日本語で呼びとめた。
「チョットマッテ、チョットマッテ、オ嬢サン」
えっと振り向いた彼女に、その外国人はたどたどしい日本語でこう言った。
「アナタ、カミヲシンジマスカ?」
「はっ?」あかねはわけがわからなかったので聞き返した。
「アナタ、カミヲシンジマスカ?」もう一度、その外国人は言った。
「わけわかんねえことを言ってやがる。行こうぜ、あかね」と乱馬はあかねの腕をつかみ、引っ張って歩いて行った。外国人は、なにか英語でまくしたてていたようだが、二人は聞いてないふりをしていた。
乱馬は、あかねがナンパされている、と感じて彼女を引っ張っていったのである。
え、乱馬。あたしを守ってくれたの…と彼女は思った。
彼女自身、ナンパされるのは嫌だったが、うまくかわすのは苦手だった。なびきあたりなら、こういうのは適当なことをいってかわしてしまうだろうが。
「もう、ここまで来れば大丈夫だろう」と乱馬は後ろを振り返った。
「あ…ありがとう」あかねは言った。
「ま、いいってことよ。さ、もうちょっと歩くぞ」乱馬は微笑みながら、手を差し出した。
あかねも微笑をかえして、彼と手をつないだ。
 そうして歩いているうちに、右側に喫茶店らしき建物が見えてきた。
「あ、ここだ。ここだ」と乱馬が立ち止まった。

「さあ、喉も渇いてるだろ。冷たいものでも飲もうか?」とあかねを促して店内へと入ろうとしたそのとき、「やあ、乱馬君にあかねちゃん」とても聞き慣れている声が、後ろでした。そこには、白いシャツと青のスラックスをはいた長身の男がひとりたっていた。金のネックレスが、ボタンを2つはずした白いシャツの胸元で光っている。
 その男は、微笑んだ。コバ少年だった。
「よお」と乱馬。「こんにちは」とあかね。
 店の中に入ると「やあ、久しぶりだね。待っていたよ」マスターが笑顔で出迎えた。
「どうも」と乱馬は微笑んだ。
「こんにちは」と後ろからコバ少年も顔を見せた。
「あ、君も来ていたのか」とマスター。
「さっき、店の前でぱったり会ったんですよ」とコバ少年。
「うん。さあ座った、座った」とマスターは微笑みながら、三人を促した。
 三人はカウンターの席に腰を下ろした。(コバ少年との彼らの間に席を2つあけておいて)
「で、ご注文は(何にするのかね)?」とマスター。
「俺はアイスコーヒーね。(あかねを指差して)こいつにも同じやつを」と乱馬。
「僕にはいつものやつを」とコバ少年。
しばらくして、注文通りの品がでてきた。
 マスターは品物をさしだしながら、コバ少年に話しかけた。
「夏休みはいつからなんだい?」
「何日からだったかなあ。そう遠くはなかったと思います。きょうでテスト1週間前ですから」
 それを耳にしたあかねは、あっと声をあげた。
「そうでしたよねえ、テストテスト。もう1週間前かあ」
「もう1週間前かよ。やだねったら、やだね」乱馬がうんざりした様子で言う。
「僕だって嫌だよ。でも、夏休みは遊びたいんだろう?」コバ少年が苦笑いを浮かべながら言った。
あかねもコバ少年に同調するように言う。
「赤点は、夏休みに学校で一週間補習を受けることになっているじゃない。あんた(補習を)受けたいの?」
「それもイヤだけどさあ…」と乱馬はいかんせん不満げな様子。 
 マスターが手をパンパンと叩き、笑顔を振りまいた。
「さあさ、コーヒーでも飲んで、気分転換しようじゃないか」
 彼は続けた。
「テストが近づくと、そういう話題になるねえ。わたしも学生時代に戻りたくなってしまったよ。勉強はやりたくないがね。ハハハハハ」とマスターは声をあげて快活そうに笑った。3人もそれにつられて笑った。
「そういえば、君達はどこの学校に通っているのだね」とマスターが二人に話しかけてきた。
「風林館高校ですけど」とあかね。
「ふむ。わたしの姪(めい)も君達と同じ高校に通っている。今年2年生なんだ。涼子というのだが…」
「へえ…。あたしのクラスにも同じ名前の子がいるんですよ…え、あれ?もしかして…」とあかねは思った。
「ん、どうかしたのかね?」マスターはいぶかしげにあかねを見た。
「失礼ですけど…その娘って髪が長くて、腰くらいまであって、目がくりくりっとしてて、絵を描くのがとっても上手い娘じゃあ……?」
「え…。君は(姪を)知っているのかい?」マスターは目を丸くした。
ホットのキリマンジャロを飲みながら、横で聞いていたコバ少年が言った。
「マスター。ここにいる二人は、姪御さんのクラスメートですよ」
「ああ、そうかね。クラスメートさんだったのか」とマスターは目を丸くしたまま言った。
「彼女、絵がすごく上手いんです。アニメのキャラクターとか、いろいろと見せてくれるんですけど」とあかね。
「わたしも絵を描くことが好きなのだよ。幼いころからね」マスターは目を細めて穏やかな口調で話す。
 そのとき、店の扉があけられる音がした。スケッチブックを携えた、腰まである栗色の長い髪、くりくりっとした目、水色のTシャツとデニム地のミニスカート姿の少女が入ってきた。そのかわいらしい少女は、あかねを見ると笑みを浮かべ、彼女の隣りに座った。
 そして「アイスコーヒーね」とだけいい、あかねに話しかけてきた。
「テスト勉強はやってる?」
「うん。あと1週間だもんねえ。」あかねは答える。
「そっか。あたしも(やっているわよ)。ネットも自粛しなくっちゃあね」
 アイスコーヒーが出てきた。彼女はそれをひとくち飲み、話を続けた。
「それにしても、あかねが伯父さんの店にいるなんてね」
「乱馬がね、つれてきてくれたの。来たことがあるみたいでね」とあかねは答えた。
「ふう〜ん…。乱馬君がねえ…」と涼子は目を細めて乱馬の方を見た。
「な、なんだよ。別に…わ、悪いことじゃないだろっ…」乱馬は少々ムキになった。
 それっきり会話はとまり、店内は静寂に包まれた。コーヒーの良い香りが、店の落ち着いた雰囲気を引き立たせている。この空間だけは時がとまってしまったかのよう。夏の暑い日曜日、落ち着いた雰囲気の喫茶店、冷たいアイスコーヒー、友人や恋人とのたわいもない会話。何もかもを投げ出して、この時が止まった空間に身を委ねてしまいたくなる。
 乱馬があかねにささやいた。
「なあ。この店気に入ったか?」
「うん、とっても」とあかねは微笑を返しながら。
あかねは、時間が気になったのか、マスターにたずねた。
「マスター。時計ってどこにありますか?」
マスターは、後ろのほうを見てごらん、というように指差した。
それにしたがって後ろを向くと、大きな時計があった。
「12時ちょっと前か…」そういうとあかねは、しばらくその時計に見入っていた。
「こういう時計、あたし好きだなあ」半分はひとりごとのように言った。
 それを聞いたマスターが口を開いた。
「それはね、わたしの父が若いときにドイツで購入したものでね。数年前になくなったときに、形見としてひきとったものなんだ」
マスターは続けた。「個人的にもドイツは何回か行った事があるんだ。2〜3回くらいかな。わたしは旅行が好きだからね…」
 コバ少年が言った。
「サッカーを見にいろいろなところへ行かれるのですよね?」
「ああ、そうだよ。日本代表の試合とか、それ以外もね。学生時代はサッカーをやっていた。今でも、サッカーは大好きなのだよ」とマスターは言う。
「へえ。そうなのですか」あかねが言った。
 コバ少年がマスターに挑発的な笑みを浮かべながら、あかねに言った。
「この人は、サッカーのことは何でも知ってるんだな。この人にサッカーの話をすると、とことん付き合う羽目になる。要注意だ」
 それを聞いたマスターも挑発的な笑みを返す。
「ほぉ〜。いい度胸をしているね。じゃあ、今日はとことん付き合ってくれるだろうね?」
「えっ、それはちょっと…。テスト前だし…」コバ少年が慌てて言う。
コバ少年を除く四人が笑った。コバ少年は苦い笑いをうかべていた。
 コバ少年が左腕の腕時計を見てつぶやいた。
「あ、もう12時を過ぎてるな」と。
「なんかおなかがすいたなあ。あ、そうそう。乱馬、どこでお昼食べるの?」
 それをきいた乱馬はマスターに目くばせをして「自慢のアレを」と言った。
「僕にも」「あたしにもね」コバ少年と涼子も言う。
「えっ、何。自慢のアレってなあに?」あかねは気になってしょうがないらしい。
「そのうち、わかる」と乱馬は片目をつぶってみせた。
 答えがわかるのに、それほど長い時間は要しなかった。せいぜい5分かそこらだった。
「あ、何か良い匂いがする。この匂いは…フレンチ・トーストね!!」
「ご名答!!」とマスターが言い、店内には笑い声が響き渡った。
 それから、4人の前にはとびきり美味しそうなフレンチ・トーストが出された。
「あ、これこれ。あたし、これが食べたかったの」
 さっそく口に運んだ。なんともいえぬ甘い香りと味が口の中一杯に広がった。思わず顔が緩んでしまう。
「うっわあ、おいしいっ!!ほっぺたが落ちちゃいそう」あかねは素直に口に出した。
「これ、とんでもなく美味しいです。これ食べたら、他の店では絶対に食べられなくなっちゃいますね!」
「食べたかったら、いつでも食べに来ていいんだよ!!」マスターはすっかりご機嫌だった。
 四人とも、とびきり美味しいフレンチ・トーストをたいらげた。
アイスコーヒーを飲み、満足げな表情を浮かべているあかねを見て、乱馬は安堵の笑みを浮かべた。
 乱馬がつぶやく。「しっかし、きょうは暑いな。狂ったように暑い」
「本当だね。30度は超えているよ」コバ少年も少し顔を歪めてうんざりした様子を見せた。
「夏は好きじゃないんですか?」涼子がコバ少年に聞く。
「大好きだけど…。じめじめとした暑さは嫌だな」
「日本の夏が蒸し暑いのは、今にはじまったことではないからね…」マスターがポツリと言う。
再び沈黙がながれ、時が止まった空間が店内に醸成されていった。それぞれが、物思いにふけっていた。
 沈黙をやぶったのは涼子だった。
「ね、あかね。あたしね、スケッチブック持ってきてるんだけど、見る?」
「わあっ、見たいっ。見せて見せてっ!」あかねの顔はとても嬉しげだ。
 涼子は、横に置いてあったスケッチブックを手に取った。
表紙には「スケッチ・ブック」とかかれ、下のほうには「Ryoko.T」と筆記体で書かれていた。
 あかねは表紙をめくり、1ページ目を見たとたん、思わず微笑んでしまった。
すしのネタをのせたあざらしのキャラクターがいくつも書かれていた。
「あっ。これ、すっごくかわいー。なんていうキャラクターだったっけ。見たことあるんだけどなあ…」
「すしあざらし、よ」涼子が微笑ましげに答えた。
「えっ。今なんて言った?」とコバ少年がコーヒーカップを持って、あかね達のそばにやってきた。
「すしあざらしだったのか。この前、本屋で絵本を見かけたな」
「この絵本を見た瞬間、かわいーって思って。気がついたら買ってたんですよう」
涼子は頬を赤らめ、笑顔をくずさず、両手にこぶしをつくってあごの下に持ってきた。少女マンガなどによくでてくる、かわいい仕草のひとつだ。
「これは、あまり関係ないかもしれないけど、僕、寿司は好きだし」コバ少年が笑いながら言う。
「俺も」と笑いながら同調した。
「あたしは、あざらしが好き」とあかねも笑いながら。
そうして、ページをめくっていくと、彼女のイラストがいくつもかかれていた。
どのイラストも、とても素晴らしいものだった。
そして、真ん中のあたりでイラストは終わった。
 白いページのど真ん中に「Portrait」と筆記体の英語が鉛筆でかかれていた。
「ここからは…。ん、Portrait…か」コバ少年が言った。
Portraitの発音がネイティヴ・スピーカーのような発音だった。
「肖像画、ですね」とあかねが言った。
 めくると、そこには制服姿のあかねの絵があった。
「あれっ、なんであかねの絵が?」乱馬がすっとんきょうな声をあげた。
「何よお。悪い?」つっかかるあかねを「まあまあ」と涼子が制した。
「あたしのボーイフレンドがね、デジカメ持っててね。それで撮ったのをときどき絵に描いたりしているのよ」
コバ少年が言葉を継いだ。
「彼女のボーイフレンドは僕の友人なんだ」
「乱馬君のも、あるのよっ」と涼子は微笑んでページをめくって見せた。彼の絵は次のページにあった。
「ふ〜ん、乱馬のもあるなんてねえ」あかねがさっきのお返し、とばかりに言った。
「な、何だよ」つっかかろうとしたところを、今度はコバ少年が「まあまあ」と制した。
「センパイのもあるんですよ」とめくって見せた。次のページに描かれていた。
「へえ。なかなかよく描けているじゃねえか」と乱馬が感嘆の声をもらした。
「新しいレプリカユニホームを買ったときだったな。日本代表の」コバ少年が説明した。
胸のあたりに「10」と番号があった。彼の好きな番号なのだろう。
 次のページをめくったとき、そこには天使の絵がかかれていた。
なんとも美しく、それでいて幻想的な天使に乱馬とあかねは言葉を失っていた。
 天使に見とれていたあかねは、その天使の顔を見て「あーっ!」と大きな声をあげた。
「なんだよ。びっくりするじゃねえか。どうしたってんだよ!」乱馬がひどく驚いた様子で聞いた。
「これ…なびきお姉ちゃんにそっくり。涼子、まさか…」あかねが目を丸くしてたずねる。
「え、うん。なびきセンパイの絵よ。(彼女の)天使なすがたを描いてって言われたんだけど」
涼子は事もなげな顔で言う。
「しかし…。なびきがなあ…」と乱馬がつぶやいた。
彼にはなびきという女の子が天使のイメージにはあってないように思えるらしい。
 その次のほうをめくってみたが、空白だけだった。どうやら、まだ描かれてはいないらしい。
「テストが終わってからまた描こうって思っているの」涼子が言った。
 それまで黙っていたマスターが口を開いた。
「涼子。そのスケッチブック、ページも残り少ないだろう。わたしのところに、新しいスケッチブックがあるから何冊かあげよう」
「えっ、ホント。ありがとう伯父さん」
マスターの言葉をきいた彼女は、頬を赤らめて、とても嬉しそうだった。彼女は、嬉しいこととかがあるたびに、頬を赤らめるようだった。幼さを残した顔立ちにマッチして、彼女のかわいさが引き立てられている。
マスターは「懸賞でスケッチブックがたくさん当たったからな」と言った。
「どのくらい当たったの?」興味津々といったようすで、涼子がたずねた
「えーっとね…。それが…すごくたくさん当たったんだよ。どうせ当たるわきゃないと思ってね。こうとわかっていたのならば、前の日に買いだめしておくんじゃあなかったよ」とマスターは苦い笑いを浮かべた。
「スケッチブックは、あとでお前の家へ持って行くからな」マスターは涼子に言った。

 乱馬はマスターの父の形見である、大きな時計に目をやった。
「もうすぐ1時になるな」と彼はつぶやいた。
 それをきいた涼子がつぶやいた。
「もう1時になるの?う〜ん、午後はどうしようかな〜。プールにでも行ってひと泳ぎしてこようかなあ」
「おいおいっ、テスト前なんじゃあ?」とマスターが苦笑し、突っ込みをいれた。
「泳いですっきりして、それから勉強するんだから。いいのっ!」と涼子は言い返した。
「この暑さなら、プールにも行きたくなるよね」コバ少年が言う。
「でも、いま水着もってないじゃない」とあかねが言う。
「一度、家に戻ってとってくるからいいわ」と涼子が言う。
「伯父さん、お金はここに置いておくから」と彼女は財布から小銭を出してカウンターの上においた。
マスターは「ああ、ありがとう」とだけ言った。
「じゃあ明日学校でね」とあかねが言うと、涼子は「じゃあね」と軽く左手を上げて、自慢の長い髪を揺らしながら帰って行った。
 そして、コバ少年も席をたった。
「さて、僕もそろそろお暇しようかな」
「もう、帰るのか?」乱馬が声をかける。
「うん、昼飯は食べたし。きょうはとっても楽しかったよ。マスター、(お勘定は)いくらになります?」
値段を聞くと、彼はジャケットの内ポケットから、いかにも金がたくさん入っていそうな革の札入れをだした。そして、チャックを開けて小銭を出すと、カウンターの上においた。
 二人に「じゃあね」といって、帰りかけたそのとき。
「ちょっと待った」マスターがひきとめた。
「えっ、何ですか?」とコバ少年は怪訝そうに振り向いた。
 マスターは、乱馬とあかねにも視線を向けてこう言った。
「テストが終わったらだね、まあ手応えや結果は別にして、だ。またここに来てほしいんだ。来てくれたあかつきには、わたしが奢ることを約束するよ」
 乱馬は「やったあ!!よおーし絶対行きますよ」と喜んだ。
コバ少年も「絶対行きますよ」と微笑んだ。
あかねだけは困惑した様子で「え、いいんですか。なんだか申し訳ないです」と言っていた。
 しかし、マスターは破顔一笑した。
「いやいや、いいんだよ。遠慮しなくっても。わたしは君達のことが大好きだからね…」
微笑みが彼の顔からこぼれていた。
それを見たあかねも「ありがとうございます」と微笑んだ。
「ん。それじゃあ、また」とコバ少年は店を出た。
マスターは「ありがとう」と言った。
 店には乱馬とあかねだけが残った。
「さてと、じゃあ俺達も…」と乱馬が言い出した。
「えっ。もう帰ってしまうのかい?」マスターが名残惜しそうに言った。
「いやいや、テスト前なんでね…」と乱馬が笑いながら言った。
 それをきいたあかねがすかさずこう言った。
「へえ〜、珍しいわね。乱馬がそんなことを言うなんて。明日は雨降りかしらね」
乱馬はムキになって言い返した。
「ばっ…俺だって、まじめに勉強するときがあらあ!!」
 マスターが二人のやりとりを微笑ましそうに見つめて言った。
「まあまあ。テストが終わってひと区切りしたら、また来てくれよ」
「で、(お勘定は)いくらに?」
マスターが値段(乱馬とあかねの二人分)をつげると乱馬がポケットをまさぐって、札と小銭を出して支払った。
 帰り際に、マスターはあかねに声をかけた。
「そういえば、君の名前をきいていなかったね」
あかねは、はきはきとした声と笑顔でマスターの質問に答えた。
「あたしは、天道あかねです!」
「ん、あかねちゃんか……。あ、そうそう。お姉ちゃんに、よろしくって言っておいてね」
意味ありげな笑顔をマスターは浮かべた。
あかねは、一瞬怪訝そうな顔をしたが、すぐさま笑顔に戻し「はいっ」と、はきはきとした声で返事をした。
「また来たくなったら、おいでね。わたしはいつでも待っているから」とマスターは笑顔で言った。
「どうも」と乱馬がいい、マスターの「ありがとう」の声を聞きながら、二人は店を出た。
 外は暑かった。午前中よりもそれは増していた。冷涼な店内から外へ出ると、生暖かい壁にぶつかったような感触をうけた。気温はおそらく30度以上、不快指数も80をこえているだろう。二人は、マスターの「日本の夏が蒸し暑いのは、今にはじまったことではないからね」という言葉を思い出し、暑さの中を歩いていた。
 沈黙をやぶったのはあかねだった。
「乱馬もなかなか良いお店を知っているのね。見なおしちゃったたわ。マスターもすごくいい人だったし…。あたし、あのお店気に入っちゃった。」暑さを振りきるかのようにあどけなさたっぷりの笑顔を見せた。
「え…。あ、ああ」と彼は暑さに耐えかねているのか、曖昧な返事をした。
「よ〜し、テストまであと1週間。がんばらなくっちゃ。あ、そうそう。乱馬、ノートはちゃんととってるんでしょうね?」とあかねが聞いてきた。
「あ、いけねえ。まだとってねえとこ、あったんだ。あかね、頼みがあるんだけどさ…」乱馬は顔の前で合掌した。
「ノートをうつさせてくれ、でしょ。んもお〜、いっつもこれなんだから。しょうがないな〜。今回きりよ。次にこういっても、知らないからね」彼女は苦笑を浮かべて言った。
「悪い悪い。今度こそ、いい点をとりてえや。マスターとの約束もあるからな」と先ほどの不満げな表情とは見違えるくらいに彼は前向きだった。
「じゃあ、がんばりなさいよ。きょうから、徹底的に勉強するからね。覚悟はできているわよね?」
あかねは乱馬にたずねた。彼のファイナル・アンサーは「イエス」だった。
「なら、よろしい」といって、あかねは頷いた。
「はやく家へ戻って、冷たい麦茶でも飲もうか。暑くてしょうがねえや」と乱馬があかねに言った。
「そうね。飲んだら、早速勉強しようね」
「えーっ。いきなりかよ」乱馬は先ほどの不満げな表情に戻った。
「あ〜ら。さっき、マスターとの約束もあるしなっていったのはどこの誰だったかしら。じゃあ、ノートも写させてあげないし、勉強もみてあーげない」とあかねはいたずらっぽく、乱馬をからかってみた。
「え、それはちょっと…勘弁してくれよ」と乱馬は慌てて言った。
その表情をみたあかねは「冗談よ」と付け加えた。
「なーんだよ。おどかさないでくれよ」と乱馬がいい、二人は顔を見合わせて笑った。
 あかねは「さ、早く家に帰って冷たい麦茶でも飲みましょ」といい、右手を差し出した。
乱馬は微笑んで、手をつないだ。
今年は今までで最も暑い夏になるだろう――と、歩きながら、繋ぎ合った手を見て、乱馬は思った。







作者さまより
 こんにちは、KOBAYASHIです。「乱×あ・コバくんシリーズ」の6作目です。
前回に出てきた店とマスターを再度登場させ、オリジナルキャラである、あかねのクラスメートの涼子ちゃんも登場させてみました。涼子ちゃんに関しては「Let it be」のあとがきに、簡単なプロフィールが書いてあるので、詳しいことはそちらを見ていただきたいと思います。
 次に「すしあざらし」を登場させたわけは、僕が本屋で「すしあざらし」の絵本を見て、気に入ったから。
作者は、えだいずみさんです。結構おもしろいですよ。興味があったら、手にしてみてください。
 この話は、本当はゴールデンウィークあたりに設定して話を構築する予定でしたが、とある方が出版される誕生日記念本の投稿作品のしめきりが迫っていたので、そちらをあげてから、この話を書きました。
その際、設定も6月の下旬に変更しました。とりあえず、6月中に間に合ってよかったなと思います。
そんなわけで、今回はこれで。また次回にお会いしましょう。さようなら。

Presented  by KOBAYASHI



素敵な風景・・・ほっと和む瞬間。
単発の乱あ世界も勿論好きですが、こうやってシリーズにしていただいて、進んでゆく小説世界も大好きです。
マスターや涼子ちゃんの動向も気になります。(さりげないリクエスト)

「すしあざらし」は未チェックなので、本屋へ行ったら探してみよう・・・絵本も一頃、いろいろ漁ったんですが、何分、高いし場所とるし・・・最近子供も大きくなったんで未チェックです(情けない)
(一之瀬けいこ)




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