◇『生き残り』を賭けて・・・シリーズ 第2弾
  ▼One day.

ayaさま作


 某日。
 レーダーに異常なし。如何やら、近くには敵はいないらしい。
 オペレーター達は、少々だれ気味。日頃の疲れの所為だろうか。睡魔が襲ってくる。しかし、寝ては拙いので、当然の如く眠気覚ましの私語が増える。
 以前立ち寄った星の事だの趣味の話だの女クルーの事だの、実に他愛のない会話が飛び交っていた。
 久々に息がつけそうだった。






 おや?何やら食堂の方が騒がしい。クルー達がよく集まる場所だ、何か揉め事でもあったのだろう。
 入り口から中を覗くと、其処はまさに戦場だった。
 中に居るクルー達は、其の状況に巻き込まれないよう隅に身を寄せ、そして皆同じように中心に視線を向けていた。
 食堂の中心では、女クルー三人が取っ組合いをしていた。
 テーブル、椅子を薙ぎ倒し、各々の武器をぶっ放し、壁には幾つものヒビを作っていた。
 今となってはこの戦艦ラバーの名物となっている、称して『乱馬争奪戦』。早乙女乱馬≠フ事となると、どんな些細な事でも口喧嘩に留まらず取っ組み合いにまで発展する。本人が居ようが居まいが関
係ない。出る杭は打つ≠フみだ。
 では、其の様子を一部始終を見ていたクルーAさんとBさんの会話を整理してみよう。



 事は、女クルー三人・・・言わずと知れたシャンプー、右京、小太刀の三人が、厨房の中で各々の調理に専念していた時に起こった。
 三人の後ろには、まだ何も入れられていない大き目の弁当箱があった。如何やら愛妻(?)弁当を作っているらしい。よりにもよって三人揃って。
「乱馬が食べるのはこの私の弁当ある。お前達は作る必要ないね」
 と、シャンプーはいきなり二人に火を点ける言葉を発したそうだ。
「おほほほほ・・・其の言葉そっくり其の侭あなた方にお返ししますわ」
 米噛みにくっきりと青筋を立たせた小太刀は笑って反論した。
「ようゆうわ。あんた等かて疲れてはるやろ?うちがあんた等の分まで作ったるさかい、ゆ〜っくり養生しいや」
 これまた米噛みに青筋を立てた右京が、これまた笑って言った。
「何を言う、お前達の食べ物など乱馬の口に合うものか。大人しく見物でもしてるね」
 火に油を注ぐ≠ニはこの事を言う。
「何やて!?もう一遍ゆうてみぃ!」
 右京は、シャンプーのこの言葉に憤慨し掴みかかった。
「お前達の食べ物など乱馬の口に合わない、と言たある」
 しかし、シャンプーは臆する事無く、実にゆったりとした口調で言い返した。
「まぁ!何と無礼な。其れこそ、貴女の料理が乱馬様のお口に合いませんことよ」
「なっ・・・私の料理の何処が乱馬の口に合わないというのか!」
 そうして、暫く睨み合いが続いた後、
「こうなったら実力で・・・」
「勝敗を決めるしかありませんわね」
「臨むところね」
 三人の意見が合致し、厨房の外に飛び出し取っ組み合いをおっぱじめたと言う。
 レベルの物凄く低い言い争いから始まった取っ組み合いは、もう彼是10分近くも続いている。
 この調子だとまだ続きそうなので、此処は一先ず退散する事にしよう。






 所変わって、此処はブリッジの下方にある通称憩いの場=B緑豊かなこの場所は、闘いで傷付いたクルーの心までも癒してくれる事からそう呼ばれていた。
 一角に取り付けられたベンチに二つの影が見える。よくよく見てみると、副長の東風と天道家三姉妹の長女かすみだった。
 何とも珍しい光景。今迄、二人のツーショットなど見た事はなかった。
 もう少し近付いてみよう。
「あの、クッキーを焼いてきたんです。お口に合うかしら」
 かすみはポケットの中から小さな包みを取り出し、東風に差し出した。
「やや、此れはどうも。頂きます」
 東風はギクシャクとした動きで包みを受け取り、縛っていたリボンを取ると、とんでもない行動に出た。なんと、リボンを其の侭口に入れてしまった。
 挙句の果てには、
「う〜ん、おいしい」
 これがあのキリキリとした副長だろうか。だが、以前かすみと話している時にはこんな様子は全く見られなかった筈。まさか、必死で抑えていたと言うのか。
 しかし、もっと凄いのはかすみ。東風のこの行動に、驚くとも怒るともせず、至極普通に、
「副長さん、其れはリボンですよ」
 と、言ったのだ。
 傍から見れば不思議な光景なのだが、物凄く穏やかに見えるのは何故だろう。
 いや、だがしかし面白いものが見れた。これからはこの二人にも注目してみよう。この先の二人が楽しみだ。


 



 通路を行くと、医療室に着いた。滅多に来ない所だ、少し覗いてみよう。
「リーダー、乱馬のカルテ何処にありますか?」
「む?お前達が何処に置いたのだ。俺は知らないぞ」
「え、だってリーダー昨日、乱馬のデータを見たいからって持ってっちゃったじゃないですか」
「?そうだったか?」
「そうですよ。で、カルテは何処ですか?」
「忘れた」
 リーダーと呼ばれた男―――確か真之介といった―――は、コーヒーを飲みながら悪びれた風もなくあっさりと言った。
「ええ!?またですか!?リーダー、しっかりして下さいよぉ〜。この間も良牙のカルテを失くして作り直したばかりじゃないですか。乱馬の分だって、一体これで何度目だと思ってるんですか?」
 呆れかえったクルーは一気に捲くし立てた。
 しかし、真之介は至って冷静だった。
「何度目だ?」
「13度目です」
 このクルー、律儀に数を数えていたらしい。
「新記録だな」
 真之介は笑って言った。
「そーゆー問題じゃありません!!」
 クルーはいよいよ怒りを露にした。
「大体、乱馬は他の奴に比べてデータが多いんですよ?しかも毎回作る毎に増えてるからこっちは大変なんです。作る身にもなって下さい」
「そういう事は本人に言え」
 失くした張本人は偉そうに言った。
「何故です?」
「度々怪我をしてくる奴が悪いんだ」
「ああ・・・成る程」
 妙に納得してしまうクルーだった。
「そもそも、無茶な作戦を立てたりするからこの前みたいな大事になるんだ。全く、人の気もならないで・・・」
 真之介の意外なこの言葉にクルーはじ〜んとした。
「リーダー・・・何だかんだ言いながらも、しっかり心配していたんですね」
 真之介も此れにはギョッとする。
「馬鹿を言うな。俺はあいつがどうなろうと知ったこっちゃない。俺は他の奴の事を言ったんだ」
「他の奴・・・と、言いますと?」
「・・・・・・?・・・誰だったかな?」
「・・・」
 クルーは、振り回されていると感じずにはいられなかっただろう。
 それにしても、真之介のど忘れも表彰ものだ。果たしてこの忘れんぼ大王、何処まで記録を伸ばす事やら。






 お次はトレーニングルーム。
 暇さえあれば此処に来るクルーは少なくない。怠けていては戦闘で足手纏いになってしまうから、何時も慣らしておく必要があるのだ。
 其の一角に、ソファとテーブルが備え付けられていた。小休止の為の物だ。
 それに腰掛けて話をしている人物が二人居た。一人は、まだ少年の域を抜け出ていない容姿の持ち主だった。其の少年は、いたく不機嫌なようで、口を尖らせて言った。
「・・・で、聞いてくださいよ良牙さん!」
 頭にバンダナを巻いた良牙と呼ばれた男は、宥めるように言った。
「ま、まぁ落ち着けよ雄也」
 雄也と呼ばれた少年は、いきり立って続けた。
「あの女共、今日もまた食堂で暴れてたんですよ!如何やら三人こぞってリーダーに弁当を作ってて喧嘩になったらしいんです。」
「い、何時もの事だろ?」
 しかし、良牙の言葉は最早雄也の耳には入っていなかった。
「俺、納得いかなくて言ってやったんです。何でお前等が恋人面してリーダーの飯を作ってるんだ≠チて。そうしたらあいつ等なんて言ったと思います?!」
「・・・お前には関係ない=H」
 良牙は思いつく限りの言葉を言ってみた。
 雄也は怒りを抑えるかのようにぐぐぐ・・・っと、拳をつくって、
「違います!三人とも声を揃えて{私・うち・わたくし}は乱馬{はん・様}の恋人だ!≠チていったんです!勘違いもいいとこですよ!頭に来たから俺、ふざけんな!!お前等なんか相手にもされてねぇくせに偉そうに言うな!!!≠チてね。それからはもう取っ組み合い・・・」
「成る程・・・」
 良牙は呆れたように溜息を吐いて言った。
「其の顔中の絆創膏は其の所為か」
「酷いもんですよ。身体中デッカイ絆創膏や湿布がべたべた・・・」
「・・・お前なぁ、事を荒立たせるようなことするなよ」
 すると、雄也は急に立ち上がり、
「いいや、俺は徹底的に知らしめてやるんだ!お前等が如何にリーダーに不似合い・不釣合いだって事を・・・!」
 意気込んで言った。
「で、お前はどういう奴が乱馬に合うって思ってんだ?」
「そうですね・・・。かすみさんなんか如何でしょう?」
「却下」
「如何してですか?おっとりしてて優しくて気立てが良くて、家事全般出来て美人で・・・女の中の女っていう人ですよ?!大人≠ネ雰囲気を醸し出しているリーダーにはピッタリだと思うんです」
 雄也は良牙に詰め寄った。
「っぶ・・・くっくっくっく・・・あのなぁ、お前が思っているほど、乱馬は大人≠カゃねぇぞ。それどころか、只の捻くれた無愛想な餓鬼≠セ。」
 良牙は必死で笑いを堪えてそう言った。
「そんな事は・・・」
「あるんだよ。ま、お前も其の内分かってくるって」
「そんなもんですかぁ?」
「そんなもんだ。・・・さて、もう一汗掻くとするか」
「あ、俺も」
 雄也は立ち上がり、良牙の後について行った。
 そんなこんなで終了した二人の会話で得たものは、如何やら雄也は乱馬を美化しているらしい≠ニいう事だけだった。
 






 此処は何かと忙しい格納庫。《AT》の活動拠点である。
 しかし、今此処は人知れずとんでもない事態に遭遇していたりもする。
「リ〜ダ〜、もー止めてくださいよぉ」
 格納庫の一角にある《AT》のクルー達の作業場。其処から何とも情けないクルーの声が響いてきた。
「♪〜」
 クルーの嘆きも何処吹く風。リーダーのムースは鼻歌を口ずさみながら、壁にポスターをペタペタと貼っている。よくよく見てみると、シャンプーが大きく写っているではないか。
「リーダーがその人の事好きなのはよっ・・・くわかりました!ですが、写真やポスターを貼るのだけはやめてくださいぃ。作業の妨げに・・・」
 此れまで、どんなにクルーが泣き喚こうと反応を示さなかったムースがこの言葉に動いた。
「何を言うだ!此れこそまさに癒しのアイテム!此れがあるからこそ、仕事も捗るというもの!」
(・・・それってリーダーだけじゃ・・・)
 クルーはげんなりしてそう思った。
 この口論も一体何度目だろうか。剥がしても剥がしても次から次へと持ってきては貼るの繰り返し。
こんなに大きなポスターが貼られていては、クルーの集中力は著しく低下する一方。美人なので、嫌というわけではないのだが、ああも大きいと常に視線を感じてしまうのだ。それがクルー達を落ち着かせなくしていた。
 大体・・・、
「其れ全部隠し撮りじゃないですか。一体何時撮りに行ったんですか?」
 最近は、どっかの迷惑三人組+αがあちこちで暴れまわっている所為で、破損した壁や備品を修理するのに追われていたはず。無論、今もだ。じっくり写真を撮る暇はない。
「秘密じゃ」
 最早何も言う気にはなれなかった。
(慣れるしかないのか・・・)
 哀しきかな、諦めるほか道がないクルー達だった。
 



 そしてまた、似たような境遇のチームもあった。
 《DT》だ。
「リーダー!もう止めてください!」
 涙目になりながら嘆くクルーの足元には、破られクシャクシャになったポスターやら写真が散らばっていた。
「はっはっは。心配するな。貴様達が誤って破いてしまった私の大事な写真達は、この通り元に戻っておるぞ」
 全然見当違いの事を言っているのは、このチームのリーダー久能だった。
「貼る所が貼る所だからな。それもまた仕方のない事。だからこうして、このような時の為に予備を用意しておったのだ」
 胸を張ってそう言う久能に、クルー全員が脱力した。
「そ、そういう事を言っているんじゃありません。リーダーがあかねさんに想いを馳せているのは我々も十分熟知しております。ですが此れはやり過ぎです!幾ら貼る所がないからと言って、天井に貼ることないじゃないですか。挙句の果てには床にまで・・・。此れでは仕事が出来ません!」
 耐えかねたクルーが一気に捲くし立てた。
「では如何しろと?」
「で、ですから、こういうことは御自分の部屋だけに留めて頂きたいと・・・」
「ふむ。自分の部屋に貼りきれなくなったので此処にしたが、やはり駄目か。分かった。考慮しよう」
 久能のこの言葉にクルー全員がホッと胸を撫で下ろした・・・のも束の間、
「だが、今此処に貼ってあるものが全て自然に剥がれるまでこのままで良いな。無理矢理剥がせば、破れてしまうからな」
 久能は自然に≠物凄く強調して言った。
 クルー達はあっという間に奈落の底に突き落とされた。
 そんなクルー達を他所に、久能は満足そうに写真達を眺めた。
「・・・リーダー、一つだけ聞いていいですか?」
「何だ」
「この写真やポスターは如何したんですか?撮りに行くゆっくりとした時間は無かった筈ですが・・・?」
「企業秘密だ」
 この後、クルー達は盛大な溜息を吐いたという。






 粗方の場所を回った後に、ある重要な人物達にまだ出くわしていなかった事に気がついた。
 乱馬とあかねだ。
 食堂に行った時は二人の姿は見なかった。格納庫もまた然り。ならば何処に?自分達の部屋に居るのかもしれない。やはりあの二人の様子を見てみないと物足りないと言うもの。兎にも角にも行ってみるしかない。
 そして、憩いの場≠通ろうとした時だ、ベンチに腰掛ける人影を見つけた。
 東風達だろうか?いや、人影は一つ。違うようだ。もう少し近くに行ってみると、其の人物の顔がはっきりした。乱馬だ。
 乱馬は、何をする訳でもなく、只ぼーっと宇宙空間を眺めていた。
 それから、五分くらい経っただろうか。反対側から、人が来た。あかねだ。
 

 あかねは、乱馬の傍まで来ると顔を覗きこんで、
「いい?」
 と、短く聞いた。
「ああ」
 乱馬もまた短く答えると、あかねは少し嬉しそうに笑って乱馬の隣に腰掛けた。
「ずっと此処に居た?」
「いや、ほんの少し前くらい」
「それまで何処に居たの?」
「部屋」
「あたしも」
 そこで、二人の会話は一度途切れた。
 気のせいだろうか・・・いや、きっと気のせいではないだろう。乱馬の棘々しさが初めの頃より無くなっている。
「今日、食堂の方が騒がしかった。何かあったのか?」
 珍しい乱馬からの問いかけ。
「あ、うん。あの・・・また=E・・なんだけど・・・」
「ああ・・・また≠ゥ」
「今日は、雄也君も参戦したみたい」
「はぁ・・・止めとけって言ったのに」
「良かったわね、モテて」
 あかねは少し拗ねた風に言った。
「あのな、俺は迷惑してるんだぞ」
「どーだか。内心喜んでるんでしょ。ま、あたしには関係ないけどね」
「っけ、可愛くねぇ」
「どーせあたしは可愛くないですよぉだ」
 あかねはいよいよ顔を背けた。
「・・・っぷ・・・」
 いきなりふきだす声が聞こえた。
「え・・・」
 慌てて乱馬の方を見たが、今度は乱馬が顔を背けていて其の表情を伺う事は出来ない。だが、今確かに・・・、
「乱馬・・・笑った・・・?」
「・・・笑ってない」
「嘘・・・だって今ふきだした」
「だから、笑ってないって・・・―――」
 あかねを見た乱馬はギョッとした。あかねの瞳には溢れんばかりの涙が溜まっていた。
「な、何で泣いて・・・」
 流石に此れには動揺を隠せない。
「あ・・・ううん、違うの。その、嬉しくて・・・」
 理解できなかった、何故泣くのか。何故自分が笑う事がそんなに嬉しいのか。
 その間にも、あかねの瞳からは次から次へと涙が零れ落ちている。
「ご、御免・・・。あれ?おかしいな・・・とまらない・・・」
 恥ずかしさに俯いてしまったあかねに、乱馬は無意識に手を伸ばした。そして、人差し指であかねの涙を拭ってやった。
 乱馬の行動に驚いたあかねは、ぱっと顔を上げ乱馬を見つめた。涙は、驚いた所為か止まっていた。
「・・・乱馬?」
「・・・あ・・・?」
 名を呼ばれて我に返った乱馬は、自分がとんでもなく恥ずかしい事をしている事に気が付いた。次第に顔が火照ってくるのが分かった。余りの恥ずかしさに口元を覆い、そして今度は上半身ごと背けた。
 後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。
 乱馬にはもう、何も考えられなくなっていた。
「乱馬」
 条件反射のようなもので、乱馬は顔を少しだけあかねの方へ向けた。
「有難う」
 普段の生活の中では絶対に見ることはないとびっきりの笑顔。
 中てられた乱馬は溜まったものではない。再び顔が熱持っていくのを感じ、本格的に項垂れた。後ろでは、あかねがまた笑っている。
「乱馬」
 実に楽しそうだ。
「んだよ・・・」
「耳まで真っ赤」
「・・・っうるせぇ」
「あはは、そんな状態で凄んでも怖くないわよ。」
「・・・」
(情けない・・・)
 そう思わずには居られない乱馬だった。
「今、情けないとか思った?」
「・・・」
「図星かぁ」
「おちょくるのもいい加減に・・・」
「あ、見て見てあの星綺麗!」
「・・・聞けよ人の話」
「?何か言った?」
「・・・別に」


 あの三人組が見たら殺到しそうな甘い(?)時間は暫く続くのだった。




「ふぅ〜・・・。今日はなかなか面白いものが見れたわ。これ、思い切って買って正解だったわね」
 なびきは、超小型カメラ内蔵の虫型偵察機を眺めてそう呟いた。
「ばれてる様子もないし、暫くは此れで稼げそうね。折角だから、久能ちゃんとムースにはサービスしようかしら」
 フフフ・・・と、笑みを零しながらなびきは恐ろしい事を思案していた。
 

 彼女の掌で踊らされるクルー達は、一号二号に次いで激増するだろう。
 

 それぞれの思惑を乗せた戦艦ラバーは、今日もまたその一日を終えようとしていた・・・









作者さまより

お久しぶりです。
 長いこと掛かりましたが、『生き残り』を賭けて・・・<Vリーズ第二段が完成しました。
 
 今回は、ラバーの主要乗組員のとある一日を書きました。
 世界は違えど、らんまワールドを繰り広げられたらと意識しながらの執筆でしたが、やはり苦労した面もありました。
 そして、今迄自分が書いてきた作品を振り返り、欠点を見据えながら書いた作品でもあります。と、言っても上達≠ニ言えるまでにはなりませんでしたが・・・。得
たものはあったと思います。日々精進≠目指したいです。
 既に第三弾の執筆も始めておりますので、兎にも角にも最後まで書くつもりですのでお付き合いください。



  このシリーズの乱馬くんも、だんだんとあかねちゃんのペースにはまってきてますね。
  そして、パラレルになっても、元のキャラの性格は変わってないなあ・・・と楽しませていただいております。真之介君は物忘れがやはり酷そうですね。
  なびき姉さんはやっぱり凄そうですし・・・。
  もう一作、続きがあるということで、期待しております。
(一之瀬けいこ)




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