創作ノート


 私は記紀神話が大好きです。特に「古事記」の世界観が身体に馴染みます。
 奈良県には結婚以来、十二年以上住んでいるので(途中、数年間、旦那の転勤で関東へ宿替えしましたが)、ちょっと車で走ればあちらこちらに、記紀神話の遺跡がごろごろ。創作にも、妄想力を掻き立てるには持って来いの環境に住んでいることが、影響しています。
 日本史の中でも古代史は一種独特な世界を持っています。古代史を紐解くとき、やはり「記紀神話」は切り離せません。自由奔放に生きる大和の神々。大地に森に川に・・・そこここにある八百万の神々。

 でも、今回の創作に出てくる敵キャラたちは、ちょっと「中国風」を意識しました。
 名前に方角を利用したのもそのためです。
 四鬼神も力を入れて描写したつもりです。
 また、この創作で生まれた、八咫烏の佐士彦も気に入っています。佐士彦と倭姫は、RNRの同人誌で描いた「虹色ガラス」のカラスと鎖骨大明神のパロディーです。佐士彦も実は半語(半官半民さんの使うネット言葉)にて脳内で語りかけてくれたのですが、氏に怒られそうだったので、今回はやめました。
 で、「河内弁」をくっちゃべる変なキャラクターに作り上げたのです。結果的に、また濃厚なオリジナルキャラをたたき出してしまいました。
 創作の楽しさは、やはり「キャラクター」を作ることでしょう。
 二次創作の場合、主人公は人様からの借り物ですから、世界観を作るのは比較的楽だと思います。その中で個性を出してゆくには、オリジナルキャラが欠かせないと思っています。やっと、文章力がついてきて、オリジナルキャラが奔放に作品内で動き出したような気がします。まだまだ修行を積まなければなりませんが。

 私が描く「乱あ二次作品」は、乱馬とあかねにはこんな話が続くのではないかなあ・・・というのが基本になっています。原作に比較的近い作品を追ったものだと言われるのも、その辺のこだわりにあるのかもしれません。
 原作もアニメも、「らんま1/2」という作品が大好きな私です。らんまの基本は「ラブコメ」であり「格闘」であり・・・。それをずっと基本に、好き勝手に書いていきたいと思っています。


 実はこの作品、「幽顕記」として最初に組んだプロットからは全く別の作品に仕上がりました。
 書きながらだんだんと別方向へと話が流れていった典型です。
 最初はそのまま神話界の話にしようと思っていたのですが・・・途中でやめました。
 切り離して投げた原型のプロットは別の長編に使い回しますので、今回は公開しません。


 また、実は脳内に大和君と乱馬の絡みの物語が二本ほどぼんやりと浮かんでいますので、懲りずに彼を使って作品を書くこともあるかと思います。




(c)Copyright 2000-2005 Ichinose Keiko All rights reserved.
全ての画像、文献の無断転出転載は禁止いたします。