◇原作、アニメ、実写版の設定の相違点など


 2011年12月09日放映のスペシャルドラマを見て、感じたことなど少し…(かな?)


<キャラクターや設定の相違点>
天道 あかね  原作
アニメ
十六歳(風林館高校1年F組)
天道家三女
不器用で力任せで、料理の腕は殺人的下手さ
寝相…メチャクチャ悪い。
 ドラマ 風林館高校生…学年不明
天道家三女
天道道場の跡継ぎとしての自覚が強い
料理の腕は不明…不器用さも不明
寝相…悪い?
髪の毛切断 原作
アニメ
乱馬と良牙の戦いに巻き込まれ、良牙のバンダナによって切断
「怪我はなくとも、髪の毛がなくなったんだぞ!」は女乱馬の台詞。
ドラマ 九能邸にて、マダムカマンベールの手下の投げたカマの飛来による。上記台詞は九能の台詞に転換。
早乙女 乱馬 原作
アニメ
十六歳、風林館高校1年F組へ転入。中学は男子校。
無差別格闘早乙女流二代目
水がどこにかかっても、多分変身する。
女になるとパワーも少しは落ちるが、その分、スピードが増すので、女になって戦うことを、乱馬自身は必要以上にハンディ感はなし。但し、力が拮抗した相手と戦うときは当然、女体はネックになる。
ナルシストだが、基本、ちゃらくはない。優柔不断。猫が苦手。
ドラマ 年齢不詳…あかねと同じくらいであろう。
無差別格闘早乙女流二代目
あかねの学校への転入は無し。(社会見学のためと言っているので、高校へは進学していないのかも…)
女子にもてて、ちょっとちゃらい部分が露呈
頭から水をかぶらないと変身しないのかも…。(風呂場のシーンから推測)
猫が苦手という設定は露呈せず。
猛虎高飛車 原作
アニメ
良牙の技「獅子咆哮弾」の乱馬風アレンジ技として登場。玄馬は打たない。
気を大きく持ち、ふんぞり返って打つ。女乱馬も打てる。乱馬の必殺技としては、飛竜昇天破がある…八宝斎にお灸をすえられ力を根こそぎ奪われた時、コロン婆さんから授かった竜巻技。女でも男でも威力には差が無い。
ドラマ 技の経緯不明だが、乱馬の必殺技らしい。玄馬も打てる。
女では打てないらしい。(最後は打っていたが…。)
思うに、猛虎高飛車は強気の心を高めて打つ技なので、女化すると強気がなくなるゆえ、打てないのではないかと思われます。
許婚の経緯 原作
アニメ
三人の中から選ぶと早雲に言われて、「男に興味が無いあんたにぴったり」(なびき談)とあかねが押し付けられた。
道場継承のしきたりは特になし。
ドラマ 最初から、あかねが許婚と決められていた感じ
道場は男が継ぐ…というしきたりがあるらしい。
乱馬とあかね
の出会い
原作
アニメ
家に尋ねて来た女乱馬
男乱馬とは風呂場で…両人共に裸で鉢合わせ
ドラマ 学校に迷いついた女乱馬
男乱馬とは玄馬と風呂場でもめていた裸の乱馬を見た
男乱馬の
ファーストキス   
原作 「格闘スケート編」三千院帝
アニメ 「シャンプー登場編」シャンプー
これについては、放映当時の事情で、格闘スケート編とシャンプー登場編が入れ替わったらしく、本来は、格闘スケートが先に来る筈だったそうです…。先に作られた格闘スケート編は熱湯編に入ってから放映されました。しかも、猫乱馬の後になっています。(らんまの第一シリーズが18話で打ち切られ、一か月後、放映日を変えて熱湯編になったことと、大いに関係しているらしい…。これについては、諸処の大人な事情が絡んでいたそうで…。るーみっくアニメ化はフジばかりだったのに、「犬夜叉」が局を変えて日テレになったこととも、もしかすると関係しているのかも…というか、ドラマが日テレだったのも、もしかして…なんて勘ぐるのは私だけかな?)
ドラマ 九能ちゃん…これはこれで悲惨かも…
蛇足  乱馬とあかねは原作では猫乱馬が一度だけキスしたきりです。未遂はありますが…。
また、原作、アニメでは、三千院帝とキスした後、あかねとキス未遂があります。今回のドラマみたいな感じで、デバガメ家族に覗かれて、離れるという黄金パターン。
恐らく弾みで…といシーンがOVAの「バトルがいっぱい29人の懲りない奴ら」のラストに出て来ます…。
この二人って愛し合ってるくせに、求めあわないからなあ…。そこが、良いところでもあるんですが…。
天道 早雲 原作
アニメ
武道の強さ不明
ドラマ 気技を使えるくらいの手練
稼業 原作 稼業については特に言及がないため、不明
アニメ 「うちは定期収入がない」と言及している。が、何で食べているかは不明。
ドラマ  多分、なびきが家計を支えている?道場の最後の一人の弟子が居なくなっていたから…。
無差別格闘流 原作
アニメ
八宝斎と共に玄馬と修業
それぞれ、天道流、早乙女流として独立しているが、特に言及なし。
他に、無差別格闘流の使い手として、二の宮ひな子(乱馬たちの担任、八宝斎の弟子?)が居る。 アニメオリジナルには姉妹が居る。
ドラマ 無差別格闘流として全国に同門が居るような感じ 
天道 かすみ 原作
アニメ
十九歳(家事手伝い)
マイペースだが、家事は得意。天道家にあって、主婦の役割をてきぱきと果たしている。
始終おだやかでワンテンポ遅い。菩薩のかすみさん。
年下の男性は範疇外…なので乱馬との許婚は成立しないが、東風との脈絡はありそう(アニメの天道家遊園地へ行く…などに片鱗が覗く)
ドラマ 年齢未詳だが、幼いあかねとの身長差から25歳前後と推定
超マイペース。「あと5時間くらいかかるかしら」などの台詞から、料理をかなりの時間をかけて作っている。
特に男性の好みは無い。
台詞の中にかなりの毒気がある。毒舌かも…。
天道 なびき 原作
アニメ
十七歳(風林館高校2年E組)、九能とクラスメイト
写真や情報の有償やりとりを得意とする。女乱馬のグッズを通信販売展開している。
私はお金しか信用してないの(なびき談)
ドラマ キャバ嬢。バイトか本業かは不明。
金にしかなびかない娘(早雲談)
パンダに興味を示している。(金づるになるから?)
年齢も飲酒可能な二十歳は軽く過ぎている。
小乃東風 原作 珊璞が出て来た辺りで姿を消してしまったのが残念。「若先生」という台詞があることから、かなり古い時代から道場の近所で開業していたのでしょう。
かすみさんを見ると、壊れる設定。
アニメ 田舎から嫁を求めて、母が出て来る話がありましたね。その辺りから察すると、東風が接骨院を開業したのかも…?
アニメでは結構最後の方までアニメオリジナルエピソードに登場していました。
かすみさんを見て壊れる設定は、原作以上の破壊力かも…。
…で、東風役声優さんは上杉達也役の三ツ矢雄二さん…なのであかねちゃん(日高のり子さん=みなみちゃん)の元彼氏?…このスパイラル、犬夜叉でもあったのは、スタッフ狙ってたのかなあ…。(犬夜叉=乱馬=山口勝平さん、桔梗=あかね=日高のり子さん)…犬夜叉のアフレコで勝平さんが、桔梗って叫ぶのをあかねーって叫んだという話が伝え聞かれますが…。
 ドラマ 風林館高校の保健室の先生も兼ねているようで…接骨院のシーンは無し。
でもって、無差別格闘流の使い手…というのはドラマオリジナル
かすみさんを見ての壊れ方も、原作やアニメより軽度…もっと壊れてぶっ飛んで欲しかったかも…。
早乙女 玄馬 原作
アニメ
髪の毛、手ぬぐいからのはみ出しは一切なし
パンダに変身……パフォと叫ぶのは声優の緒方さんのアドリブから生まれたそうで…。
原作では「怒髪天(養毛剤)騒動、アニメでは最初の頃の回想シーンにハゲっぽい頭の表現あり…なので頭髪は薄いか剥げている筈。らんまのおさげの秘密が明かされる「竜のひげ騒動」もあるから、やっぱり剥げていそう…。)
最初はパンダに変身したとき、服を着ていた…けど、後半部はストレートに変身していたような…。
 ドラマ 耳の上辺りから髪の毛が見えている…ので、完全ハゲではなさげ…。
パンダに変身しても、パフォとは叫ばなかった…実際のパンダは猫のように鳴くそうで…。(猫嫌いの乱馬が怖がるのかも…)
変身時、衣服もなくなっていた。
 九能 帯刀 原作 九能家の従業員数は未知数。多分、居るのであろうが、屋敷内に人影はなし。家は和風。
九能校長の息子、小太刀の兄。「人呼んで、風林館高校の蒼い雷(イカヅチ)」は原作出典。
アニメ オリジナルキャラとして「猿隠佐助」が登場。御庭番として、一人で九能の世話をあれこれやいている。家は城のよう。
九能校長の息子、小太刀の兄。
ドラマ メイド多数あり。九能財閥の御曹司。
家は洋風。原作アニメと同じように、女乱馬とあかねの写真が壁に飾ってあったのは、笑えた。
ピコレットシャルダン家を思い出したのは私だけかなあ…。
父親の校長は登場せず。(海外出張扱い)
喋らなかったら良い男…というのにぴったりの配役で笑ってしまいました。
五寸釘 光  原作 猫騒動の時に初登場。カメラ抱えてあかねを撮りまくっているストーカーなあかねのクラスメイト。存在感薄し。あかねと喋るだけで喜ぶような変な少年。
許婚として現れた転校生の乱馬に敵意を持つ。
アニメ 転校生としてかなり後半部に登場。優しくされてあかねに惹かれる。
オカルト志向が原作より遥かに強い少年。アニメ版猫騒動では出演していない。最初の企画書では五寸釘君も居たのかも…(最初に発売されたサウンドトラックに、五寸釘のイメージ曲が収録されているので)
 ドラマ あかねのクラスメイト…あかねは気付いていなかったようだが。
カメラ片手にあかねを撮りまくっている。
和風男溺泉   原作 風林館高校の女子更衣室の下…良牙君が地図を持ってきたことに起因します。
隠し部屋なんかはなく、ただ、水道管をぶち抜くがごとく、水柱が上がっていました。
で、乱馬は女に変身して、やりたい放題でした。八宝斎の爺さんも絡んで来たし。
アニメ 原作と同じように、女子更衣室事件もありましたが、そこから発展して、オリジナルな展開に…。九能家が絡んで来るわ、シャンプーやムース、コロン婆さんも出てきて、大騒ぎ…場所も学校ではなく、全然違う場所に…
結局は閉店していた…というオチは同じですが。
 ドラマ 風林館高校の女子更衣室の下
隠し部屋まであって、面白い。狐の挿話は原作と同じ。


原作を読みこみ、アニメを見まくっている「らんままにあ」の私のドラマに感じた違和感や共感など。




☆「乱馬のバカーッ!」「かわいくねー!」のお馴染みの台詞の応酬が無かったのが残念。
これが「変態!」「寸胴!」という応酬へと変化しますが、テレビだから、遠慮したのかな?放送コードとかありますから。
乱馬とあかねの真骨頂は「二人の喧嘩」にあると思います。その喧嘩の決めゼリフともいうべき、このセリフの応酬が無いと、どうも、乗らないというか…。
「早く帰って、また喧嘩したいな…。」と呟く37巻の乱馬君の呪泉洞での台詞が象徴しているような…。思えば、原作は最初から最後まで喧嘩していましたし…。「喧嘩するほど仲が良い…。」と二人の喧嘩を見て、かすみさんものどかさん(乱馬の母)も「仲が良いのねえ…」と言っていましたし…。

☆互いに早い時期から「乱馬」「あかね」と呼び合っているのは嬉しかった。
原作にもアニメにも無かった、乱馬の「おめー、一人で背負いすぎなんだよー。」「俺たち似たち案外似てるのかもな」…の台詞にわくわくさせられました。
何でも一人で背負い込むのは乱馬よりあかねの方がその傾向が強いと思います。
それと、原作やアニメの乱馬やあかねにも、命張って双方のために頑張る描写が多々ありますが、その片鱗が見えていて、良かったなあ…。特にあかねちゃんは、乱馬の危機に、後先考えずに飛び込めますからね…乱馬への愛情が自分よりも優先できるくらい物凄く強い娘なんだとほとほと感心させられるのは、「飛竜昇天破編・13巻」と「流幻沢編・26巻」と「呪泉洞編(最終話)・37・38巻」。

☆乱馬の言葉遣いが原作より丁寧だったかも…早雲さんのことを原作やアニメでは「おじさん」と呼んでいるが、ドラマのラスト部でも、天道さんとちゃんとさん付けで呼んでいた。
早雲が玄馬を呼ぶのも「玄馬さん」だった。原作やアニメは互いに「天道君」「早乙女君」で呼び合っているので、耳馴染みなく、物凄〜く違和感があった。友だち同士なんだから、君付けで呼び合う方がしっくりくるのでは…。

☆「乱馬はあたしの許婚よ!」とあかねちゃんが言っていたが、本来、このセリフを良く使うのは乱馬。原作のあかねちゃんも、26巻の流幻沢編で使っていますが、「あかねは俺の許婚だー!」と叫ぶ乱馬君が見たかった…。まあ、「あかねは俺が守るって決めたんだ!」と最後の戦いで吐いてますから…それはそれでOKかな。できれば、男乱馬に言わせてほしかったですが。

☆原作ではいつの間にか消えてしまった「小乃東風先生」が活躍していたので、ちょっとびっくりしました。かすみさんに接する東風先生が、あんまり壊れていなかったのが残念です。

☆道場の「はろい」の書体もなかなか味があって良かったです。玄関先の「天」「道」…落ちて来るタイミングが(笑)…禁煙も妙にはまりました。「道場破りの方は…」の記名も「無記名」や「道場主」じゃなくて「天道早雲」だったのが、笑えました。

☆風林館高校がお洒落だったなあ…。原作はコンクリバリバリの公立高校みたいな大雑把な作りでしたが…。やっぱ、私学だな…的な。

☆練馬が練麻…ってなっていたのも笑いました。もっとも、原作も最初のハガキにしか、比定地としての「NERIMA」は存在していませんから…。
撮影地はどの辺りなんでしょうか?日テレだから生田の近辺かとも思いましたが…どうも違うような…。テロップには日野とあったので、日野かな?

☆乱馬君の鎖骨を拝めました♪黒ランじゃなくて、白ランだったのは、黒ラン鎖骨フェチの私には残念でした!でも、鎖骨が拝めたので、良し!です。(←私から乱馬の鎖骨煩悩を抜き去るのは不可能…)




 乱馬とあかねの絆っていうのは、やっぱり、最初からあったんだ〜というのを、一人、納得したドラマでした。ドラマの二人も、時を重ねたら、原作やアニメと同じように、互いに、影と鳴り日向となるカップルになるのでしょうね。私は特に原作やアニメの、自然体で常にツーショットになって傍に寄り添っている二人の姿が、とっても好きなので…その片鱗が見え隠れしていて、「つかず離れず」の二人の距離感がとっても心地よかったかなあ。
 でもって、結局、あかねと乱馬がキスせず終わったところは、ナイス!寸でで止まってキスしないのが、乱馬×あかねの基本。…どっかの誰か(私)の描く同人作品のように甘くなったら、本来の乱馬とあかねじゃないですからね…。このドラマの加減がちょうど良いと思います。
 原作でキスしたのって、猫乱馬の時だけだし…。(しかも、乱馬の一方的愛情表現…?)
 まだ、出逢ったばかりだから、二人の関係を進めちゃったらNGですから…寸止め、有効!

 何より、二人の距離が、だんだん縮まっていく過程が、短時間ドラマにも関わらず、予想以上に丁寧に描かれていたので、嬉しかったです。
 賀来的乱馬君がガッキー的あかねちゃんを「本当の許婚」として意識する展開がもっと見てみたいと思いました。ドラマではそこまで、展開しきれてませんでしたから…二時間じゃ無理だもんなあ…。
 エンディングの表札…なかなか、粋な演出でしたね。居候確定…みたいな。後でオープニング確認したら、ちゃんと天道家の表札も映りこんでましたし…。

 で、いつか、続編が展開できそうな、伏線がいくつか貼ってあったようなので…それを元に、オリジナルな続編ドラマ展開を、めちゃくちゃ、期待しております。
 無差別格闘流の人たちが、いっぱい居る…的な早雲さんの発言とか…何か、わくわくしません?…こっから引っ張って、勝手に妄想がまた広がっていったらどうしよう…。(今のところ、萌えていませんが…。)
 

 なにはともあれ、格闘シーンもドタバタも…細部にわたって、丁寧に作りこんであったので、見終わった後の心地よかったこと…。(視聴率は残念だったそうですが…。)



 ナレーションが、八宝斎役の永井一郎さん!…粋ですよねえ…。キャスティングが。人選のきめ細やかさが、鮮やかです!(亡くなられたのが残念です。)


 コアならんまファンにはちょっときついドラマだった感も否めませんが、私は久々にわくわくさせていただきました。 等身大のあかねちゃんが居たら、ガッキーみたいな感じなのかなあ…。
 アニメや原作とは違う、切片から斬りこんだ、生身の乱馬君…それからあかねちゃんに出会えて、私は幸せでした。(というか、確実、己の妄想源が広がりました…。こういう切りこみがあったのか…とか私ならこう動かすとか…。)

 …で、アニメのDVDを、テレビシリーズの最初から、もう一度見直している私。原作も久々に、寝る前に丁寧に読みかえしています。(枕元の押し入れにいつでも取り出せるように置いてある…)もういい加減、ボロボロに擦り切れた本でありますが…。

 久しぶりに、自分にらんま的世界が降りてきた…そんな感じで、まだ余熱を感じながらほくそ笑む大馬鹿主婦…それが今の私かなあ…。

 
 とにかく、
 乱馬×あかね 万歳!



2011年12月12日
2012年1月8日 改



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