春風の少女


 この季節になると私は思い出すことがある。


 あれは、私がまだ髭など生やしていなかった青年の頃のこと。
 この公園で一人の少女に出会った。
 ミモザ色のワンピースが良く似合う、清楚な少女。豊かな長い髪を後ろになびかせて、ゆらゆら揺れる春の昼下がり。
 まだ貧乏な画学生だった私は時折、この公園でスケッチブックと戯れることがあった。昼間は絵をしこたま描き、夜にはアルバイトで生計を支える、そんな日々が続いていた頃のことだ。
 親の反対を押し切って出てきたこの大都会の中で、息詰まり窒息しそうになると、決まってふらりと街角に出て絵筆を走らせたものだ。たとえ、少しの時間でも、己のなすがままに絵を描く時間を持ちたいと思っていた。
 若かった。
 丁度あの日も、疲れた身体を引きずるように街を徘徊していた。
 もうじき始まる公募展の締め切りは間際に差し迫っていたにも関わらず、全くのスランプ状態で、何を描いても空虚にしか見えない、そんな煮詰まった心を持て余していた。
 漏れる溜息と、憔悴で心は締め付けられそうになっていた。
 この展覧会に入選しなけれは田舎へ帰る。親に約束させられていた。
 人生のやり直しを迫られるタイムリミットだった。

 私はふと、この公園に吸い寄せられるように足を踏み入れた。
 都会の雑踏の中、この小さな木漏れ日溢れる空間はそこだけ時が止まってしまったように静かだった。
 春休みなのだろう。幼い子供らが歓声をあげ、その傍で母親たちが話しに興じ、また、老人たちが憩う。
 その公園の片隅に彼女は居た。
 一瞬舞い降りてきた春の妖精に目を奪われた。
 誰か待っているのだろうか。ずっと揺れる梅桜の木の前で、柔らかな瞳を称えて座っていた。

 私は思わず絵筆を取り出して、描き始めていた。
 と、暫く進めていると、ふと傍らへ彼女はやってきた。
「スケッチですか?」
 と私に声をかけた。
「ええ。」
 言葉少なげに私は答えた。
 興味があったのか、彼女は私のスケッチを見た。
「これ…。あたしでしょうか?」
 何か悪いものでも見られたように、私は思わずスケッチブックを畳みたくなった。
「すいません…。つい、あの梅桃と一緒に描きたいと思ってしまったものですから。」
 すると彼女は微笑を浮かべて言った。
「どうぞ、続けてくださいな。あたしなどでよいのなら。」
 蕩けるような笑顔は光り輝いて見えた。
 私はすっかり舞い上がり、それからは懸命に絵筆を動かし続けた。

 小一時間もしたころ、一人の少年が彼女の元へと駆け込んできた。
 どうやら彼女の待ち人はその少年だったようだ。短く刈った頭に詰襟の学生服。何処にでもいそうな高校生。そう見えた。
 彼女は嬉しそうに笑うと、私を指差した。
 どんな会話を交わしたのか、もう記憶は定かではないが、私は彼女を描いた何枚かのラフスケッチの中の一枚を破り取ると、お礼と言って彼らに手渡して別れた。
 肩を並べて立ち去った少女。彼に一瞬差し向けたその輝くような笑顔は今でも心の奥底に刻まれている。純愛、そんな言葉がぴったりくるような情景だった。



「確かこの辺りにあったと思うけれど…。」

 私は都会の喧騒の中に置き忘れられた空間を思い出しながら公園内を探索して歩いた。記憶の糸を辿るように街中を歩いて捜した。
 辺りの様相はすっかり変わっていた。あの頃も都会の真ん中であったが、取り囲む建物も今ほど高くはなかった。行き交う車の騒音も排気ガスもここまでうざったくはなかった。
 その喧騒の真ん中に公園はあった。
「ここだ、ここ。」
 私は嬉しくなってその敷地へと足を踏み入れた。
 あれから何年、いや二十何年かの年月が流れている。
 ここで描いた少女をモチーフに、あれから私は何枚かの油絵を描いた。
 そのうちの一枚が展覧会に入選した。そして、画家として世に認められ、現在に至る。その後、単身渡欧し、今はパリの郊外にアトリエを構えている。
 そう、念願叶って私は画家としてこうして飯を食っている。
 久々に帰国した祖国。もう何年も前の私の画家生活のその分岐点となった出来事をふと思い出した私。春風に誘われるように、久しぶりの東京の探索を肌で楽しんでいた。猫の目のように目まぐるしくかわるこの大都会。その少女の面影を追ってここまで来た。

「何も変わらないなあ…。ここは。」

 私はすうっと息を吸った。砂利道を歩きながら、私は確かに彼女が佇んで少年を待っていた場所へ進んだ。さわさわと風に揺られて公園の常緑樹が鳴った。
「そう…。ここだ。ここの場所で私は。」
 感慨深く、立ち止まって、私は目を細めた。

 その瞬間だった。

「危ねえっ!!」
「避けてっ!」
 近くで声がした。私は咄嗟に何が起ころうとしているのか、把握する前に鈍い痛みを後頭部へと受けた。一瞬目の前が白み、かあっと明るくなった後、目の前が真っ暗になった。そう意識を失ったのだ。


 暗い闇を抜けて、気がつくと、私は民家の中に居た。

「あ、気がついたぞ…。よかった。」
 心配げに覗き込んでいたのは一人の少年。赤いチャイナ服のような上着に長いおさげ髪が垂れる。
「ここは…?」
 上体を起こすと、その後ろから一人の少女が覗き込む。
「大丈夫ですか?さっき、掛かり付けの東風先生に見ていただいたら、大丈夫、打ったところは大事に至っていないからと言われたんですが。」
 そう言われて後頭部を恐る恐る触ってみた。
「こぶだ…。」
 私は異様に膨らんだように感じた頭をそのまま撫でるように右手で抑えた。
「ごめんなさい…。」
 目の前の少女は深々と頭を下げた。
「たく・・。おめえは、見境なくいろんなものを俺目掛けて投げてくるから、、こうやって一般の人に命中するんだぞ…。凶暴女。」
 少年が憤然とした表情で少女を見詰めていた。
「とにかく…。お詫びと言っては何もないんですが、家で夕食でも食べて行ってくださいな。」
 少女は私に力なく笑いかけた。

『似ている…。』

 思わず私は、彼女をまざまざと見返してしまった。
 そう、さっき倒れたあの場所で出合ったあの少女の面影がすうっと目の前で重なったのである。
 髪型こそ違え、汚れなきその円らな茶褐色の瞳と、そして整った鼻と、ピンク色をした可愛らしい唇と。まるで私の描いたデッサンから抜け出てきたように思えるほど瓜二つだった。
 そんな私を目の前の少年は怪訝な顔をして見詰めていた。

「あかねがご迷惑をかけてしまたようで…。たいしたお構いはできませんが、少し休憩して行ってください。」
 ここの主は長髪の中年で、細面だががっしりとした体格をしていた。訊くところによると、ここは道場があるという。その後ろには手ぬぐいを頭に巻いた眼鏡の中年男性。
「こちらの居候です。」
 と悪びれもせずに自己紹介した。先ほどの少女と、一緒に居たおさげの少年。そして二十歳そこそこのにこやかな娘さんがいた。少女の姉だそうで、言われてみると顔の作りがそっくりであった。きっと彼女も少女の頃はあのスケッチブックの少女と似ていたのかもしれないが、今は大人びていて、少し感じが違うのが惜しいと不肖ながら思ってしまった。
 もう一人、少女には歳が近い姉が居ると言っていたが、生憎今日は旅行へ行っていて在宅していないと主が言った。
「お夕食もご一緒に食べて行ってくださいな。」
 かすみさんとかいう名前の娘さんが私に言った。
「お構いなく…。」
 恐縮して私が言ったが、みんな気さくに進めてくれたので甘えることにした。
 何故かこの家族に興味を持ったからだ。
 今時、こんな大きな田舎作りの家が都内にあるなんて。それだけでも、珍しかったのに、道場があるというのだ。日本人が忘れてしまった空間がこの家にはあった。何故かそれが私の望郷への切ない思いへ点火したのだ。
 古き良き時代を称えた家。そして家族。居候まで居る。
 好奇心が遠慮を上回ってしまった。



 夕食までの手持ち無沙汰に、私はスケッチを取り出して、水彩色鉛筆を手にとって家財道具や家の作りをさらさらと描き始めた。
「へえ…。器用に書くんだな…。」
 少年が立ち上がり際に覗き込んだ。
「おじさま、絵描きさんなの?」
 少女も一緒に覗き込んだ。
「あ、まあね。…。こうやって気が向いたらいつもスケッチして歩いてるんだ。」
 私は手を動かしながら答えた。
 床の間、縁側、雪見窓、障子、白壁、飛び石、池、石灯籠……。何もかもが懐かしく私の郷愁をそそる。ほっとする瞬間。
 海外にないものがあるとすれば、それは日本人の原点ともいえるこうした住空間だろう。畳はいい。障子も襖も。木と紙の文化。決して飾らないその質素な空間が、私の五感を心地良く刺激してくれた。
 と、少年はぽつりと少女に言った。
「ほら、道着に着替えて道場ヘ来い。」
 少年が少女を促した。
「でも、お客さまに夕食を…。」
 少女がそう言ったのを少年は慌てたように咎めた。
「おめえはいいんだ。かすみさんに任せておけば…。」
「それってどういう意味よ?」
「どういう意味もこうも…。おめえ自身が一番良く知ってるんじゃねえのか?」
 少年は意味深な言葉を続ける。
「何よっ!」
「だから、おめえじゃ荷が重いっつってんだよ!早く来いよ。久々に手合わせしてやらあっ!」
 少年は何故か高飛車だ。彼もまた居候の身の上らしいが、とてもそうは思えなかった。
「私も見学していいかな…。」
 思わずそう声を掛けた。
「構いませんけど…。」
 少女は少年を睨みつけていた目を反転させると愛想笑いを浮かべた。
「なら、早く来いよ。」
 少年はどすどすと廊下を渡っていった。
 彼らについて勝手口から庭先を抜けると、確かに道場があった。
 瓦葺き屋根は、お堂のようにも見えた。先祖代々の武家だったのであろうか。門構えも立派だった。 だが、思ったよりも道場は古びていて、ぎしぎしとそこら中から軋む音が漏れた。
 木の引き戸を開けて中へ入ると、そこは武道家の聖域。
 私は履物を脱いで彼らに続いて入る。春だというのに、シンと冷たい空気が肌を刺した。床は綺麗に磨かれていて黒光りしていた。
 蛍光灯を灯すと、二人は中央にて構えた。
「柔道?空手?合気道?」
 私は彼らに向かって好奇の言葉を投げた。
「無差別格闘流の武道だ…。」
 少年はぼそっとそれに答えた。
「無差別格闘流…。」
 わかったようなわからなかったような。私は声に出して反芻していた。

 互いに一礼して、身構える。
 ダンッと床を蹴る音がして、組み合いが始まった。
 二人とも目を見張るほど動きがいい。何より動きに無駄がなく、美しい。見た目とは違って力強く激しい少女の動き。それに対して流れるような少年の繊細な受け身。
 私はスケッチブックを取り出して思わず描き始めていた。
 肉体のぶつかり合い。真剣な瞳の輝き。そして流れる動き、滴る汗。
 見た目には矢張り、身体が大きい分、そして筋肉がある分、少年の方に分があった。自然の摂理からしてもそれは当然のことであろう。
 だが、決っして少女も気後れはしていない。闘志を剥き出しにして少年へと突進してゆく。それを柔らかく受け流してゆく余裕の少年。
 それにしても、この二人は一体…。
 兄妹でも姉弟でもない。かといって赤の他人と言って退けるにはその息は見事に呼応している。何より、激情込めた少女の表情に対する、少年の目は勇猛であると同時に、はっとさせられるほど優しい輝きに満ちている。
 或いは彼は。
 恐らく、この少年の想いは純粋で汚れなきものだろう。彼女の情熱全てを柔らかく包み込む気は穏やかだった。「恋人」。いや、そんな下賎な言葉は純粋なほど透明なこの二人の若者には似合わないのかもしれない。

 二人のせめぎ合いは、少年の圧倒的な勝利によって決着がついた。

 流れる汗を拭いながらも、自分を打ち負かした少年をふわりと見上げる少女。
 彼女もまた、いい表情を手向けている。言葉には尽くせない深い縁(えにし)を感じずにはいられなかった。
 久しぶりにいい光景を見たような気がした。


 楽しい夕食は会話が弾んだ。
 ここの住人は気の置けない人たちばかりで、初対面である私にも何ら遠慮など与えなかった。
 私は荒んでいた心が満たされる幸せを感じずには居られなかった。少し入った酒も手伝って、身も心も浄化されてゆくのをじんわりと感じていた。

 何時の間にか太陽が昇り、新しい朝を迎えた。
 私は手にしていたスケッチブックを徐に広げて、ぼんやりと見入っていた。
 ずっと何かしらここへ来てから引っかかっていた一枚のスケッチを。そう、あの「春風の少女」だ。

「これ…。」

 後ろで声がした。
 少年が不思議そうに覗き込んだ。
「これ…。あかねじゃねえのか?」
 彼はぽつんとスケッチに描かれた春風の少女を指差した。
「いや…。似てるけど、違うよ…。残念ながら…。」
 私はふっと微笑んだ。
「第一、彼女と髪型が違うだろ?」
 私は少年を顧みた。
「おじさん、あかねに会ったことがあるんじゃえねのか。そん時に描いたとか…。あいつ、ちょっと前までは、こんな風に髪が長かったんだ。」
 彼は少し表情を強張らせてそう言った。
「髪の毛が長かったのかい?」
 少年はしまったと言う表情を手向けたあと、こくりと頷いた。
「そうか…。切ったのか。」
 私は独りごとのように答えていた。
「失恋でもしたのかな…?」
 少年は一瞬、ドキッとしたような躊躇いの表情を私に向けた。
「女性が髪を切る時は、恋が終わった時と相場が決まってるからね…。」
 私は少し意味深に彼に向かって答えていた。人間歳を取ってくると、こうやって若者をからかってみたくなる。
「おじさん、本当にあかねと初対面なのか?」
 少年は少しムッとした表情で私に問い掛けた。
「ああ…。そうだよ。そのスケッチの少女はあかねちゃんとは別人だよ。何しろそのスケッチは、そうだな、今から二十数年前に描いたものなのだから…。」
 私は呟くように言い含めた。
「え?」
 彼はしげしげとそれを眺めた。
「それはね、私の人生の分岐点の頃に描いた幻の少女なんだ。私もまだ夢を真剣に追いかける途中の青年だった。その子、あかねちゃんに確かに似ているね。でも違うんだ。ほんの一瞬すれ違っただけの少女だけれど、確かにあの頃、私の前にふと現れた一人の妖精・・だったのかもしれない。そう、だからあかねちゃんとは似ていても他人の空似なんだよ、乱馬くん。」
「そう言えば、このスケッチブック、昨日描いていた奴と比べて随分古びてるもんな…。そうか、俺はてっきりあかねかと思ってた。」
「似ているのかもしれないよ…。彼女もあかねちゃんと同じように恋していたから。」
 私はそう言って彼を見上げた。
「恋?」
 彼は小さく問い返す。
「ああ…。それも幸せな恋をしていた。恋する乙女は美しいからね…。」
 私は青く晴れ渡る空を眺めてそう言った。
「実は私もあかねちゃんを始めて見たとき、この少女が降臨したのかと思ったほどだよ。どうしているのかな…。」

「彼女はあかねの中に生きています…。」

 俄かに後ろで声がした。
 この家の主、早雲さんのものだった。
「いやあ…。私もすっかり忘れていましたよ…。」
 そう言って寂しげに笑った。
「ちょっと待っていてください。」
 そう言い置くと彼は部屋を出た。暫くして戻ってきた時には赤茶けた茶封筒を持っていた。
「これを…。」
 私は手渡されて、そっと中身を開いた。
「こ、これは…。」
 私は驚愕の声をあげた。
「見覚えがありますかな…。あなたが描かれたものでしょう。それは、私の家内、あかねたちの母親です。」
 私は驚きに二の句が告げずに黙り込んでしまった。
「私もすぐに思い出せませんでした…。あの時描いていただいたスケッチをずっと大事にしまっていたものです。まだ、彼女と出会って間がない高校生の頃の思い出の品ですからな…。」
 そう言えば、愛妻は随分前に亡くなったと昨夜の酒の席でこそっと言っていたのを思い出した。

 心の中にわだかまっていた点と点が一つの線に繋がった。
 二十数年前の詰襟の少年がここに居たのだ。
 そして、そう、春風の少女は、確かにもう一人の少女の中に、息づいている。
 巡り来る春の想い。こうやって綿々と受け継がれてゆくのであろうか。
 恋も夢も…。きっと。

 私は少年に昨日描いたスケッチブックから一枚の絵を剥がした。
「これを君に…。」
 そう言うと私は彼にエールのウィンクをしてみせた。
 少年ははにかんで頬を仄かに紅く染め出す。
「そこに描いた花は、梅桃(ゆすらうめ)というんだ。「輝き」そんな花言葉を持つ。だからその絵は「輝く少女」。君の心にもずっと輝き続ける少女だよ…。」
 そう、彼女は永遠の可能性を秘める原石。彼女を磨きそしてもっと美しく照らすのはきっとそこに居る少年の愛。大人になると忘れてしまいがちになるその純粋な輝きを、二人には持ち続けて欲しい。
 何故かそう希(こいねが)わずにはいられなかった。

 ありがとう…。春風の少女。
 君の名残を見せてもらった。君が残した新しい輝きを…。

 天道家と別れを告げると、私は一つ大きく息を吸い込み、新しい朝の空気の中へと一歩を踏み出した。
 連綿と続く時の流れに一瞬通り過ぎた淡い春風。
 見上げる青い空の上で私の記憶の中の春風の少女がほんのりと微笑み返した。







なびきの溜息
 たく…あたしが留守しているうちに、なんでM画伯がうちに来るのよ…。
 彼の絵、ラフスケッチだけでもン十万するのよ…。
 それを、なんだって…
 もっと貰っておいてくれれば良かったのに。あたしの分だけでも…。
 みんな欲がないのよねえ…そこがこの家族の愛すべきところなのかもしれないけれど。
 乱馬くんにそれちょうだいって言ったら「絶対やだ!」と言われたわ。
 モデルがあかねだから仕方ないか。今回は諦めるけど…。今度うちに来たらあたしの分もちゃんと描いてもらわなくっちゃ。
 あー悔しいわっ!


文章/一之瀬けいこ

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